アユタヤ 43 詐欺の定番 笑顔が消えたAさんとKさんの表情の意味が、私には分かりませんでした。 「.....ふ~ん.....スーツ、ほしかったんか?」 この時、2人もまだ、Aさんの表情が変わったことの意味が分かってないみたいで、空気が少し変わった事に戸惑っているように見えました。 「ていうか、まぁ.....安かったんで........どうかしました...か...?」 「安かったって、幾らで作ったんや?」 「......1人、20000B....ですけど.....え?なんか、ヤバイっスか?.....」 「それ、どこで買うたん? オーダーやし、まだ品物貰ってないやろ?」 「...はい、でも領収書は貰ってますから。 メンバーズカードも作ってもらったんですけど....コレなんですけど.....」 小さめのパックから取り出した封筒から、金色のメンバーズカードと英語で書いてある領収書が出てきました。 Aさんは、それをチラッと見ただけで、 「もしかして、観光してる時にトゥクトゥクのドライバーに声掛けられへんかったか?」 「....はい.....え!?...あのぅ....」 「そいつ、カタコト日本語使うたやろ? どこで声掛けられたんや?」 Aさんに次々と言い当てられ、2人は不安そうな表情になっていきます。 「あぁ....日本語、少し喋ってました.....ラッキーブッダに行った時なんですけど....」 「はい、ビンゴ!!」 Kさんがそう叫ぶと、Aさんが大きくため息をついてから、 「それ、200%詐欺やな。可哀相やけど」 「えっ!? えーっ!! マジっスかっ!? えーっ!? で、でも、何でそんな事....何で200%なんスか!? 別に店の客引きに連れて行かれたわけじゃないっスよ!」 あわてる2人をAさんはなだめる様に、 「....トゥクトゥクのドライバーは、仕立て屋にマージン貰えるからな。グルって言うよりもバイトやな。 そのために日本語覚えるわけやし.....多分そいつ、韓国語も話せるで。 まぁ....注文したモンと違う安物でも、ちゃんと日本に届けば儲けモンってとこかなぁ....」 「マジっスかー!? でも、ドライバーとかマジ親切で優しい奴でしたよ? そんな悪い奴には全然見えないような奴なんスけど.....」 「.....あのなぁ、詐欺師ゆうのはいい奴そうに見えへんかったら仕事にならんやろ? 大体こんな詐欺、かなり古めの有名な話やし、まだあったんかって逆にびっくりしてるんやで? 多分、シルクのスーツやろ?」 2人は何故かその言葉にホッとして、 「あ、じゃあ大丈夫ですよ! 俺らが頼んだのってカシミヤですからw! あ~ビックリしたーっ!」 2人のリアクションにAさんが頭をかかえているとKさんが、 「.....これ、よく見て」 と、宿の本棚から1枚のパンフレットを2人の前に出しました。 それには、【バンコクの詐欺・トラブル対策】 とあり、こんなことが書いてありました。 * ラッキーブッダ周辺等で、親しげに声を掛けてくるトゥクトゥクドライバーに、『丁度、今日はバーゲンの最終日だから見るだけでも見て下さい』と言われ、宝石店やカシミヤスーツのオーダーメイドを勧められる。 * 複数のタイ人が旅行者を装い、『私達は○○から観光に来たのですが、道に迷ってしまいました』と言われ、大き目の地図を広げて死角を作り、バッグの中身を奪う。 その他にもたくさん書いてありましたが、1番最初に書いてあることって.......
アユタヤ 44 詐欺の定番 一瞬、2人の顔がサーッと白くなったように見えました。 私も旅に出る前に、ガイドブックに書いてある注意事項は読んでいましたが、頭に入っていたのはほとんどここで教えていただいた事ばかりで、ホアランポーンの客引きやトゥクトゥクについてでした。 もしかしたらどこかのページで見ていたのかもしれませんが、女の子に関係のないことは印象が薄かったんだと思います。 それでも1番大事なことを忘れてひどい目に遭いましたが......泣 「何で欲しくも無いスーツなんか買うたんや? スーツ買うためにタイに来た訳とちゃうやろ」 2人のうち、あまり話さない方(ちょっとやさしい感じ)の人が、パンフレットを見て肩を落としている人に、 「....俺も、あの時『ちょっとコレ、ヤバイのかなぁ』って思ったんだよ。 でもさぁ、もうしょうがないじゃん。 高い授業料と思ってさぁ.....」 なだめたように見えたけど、よく喋る方はおさまりません。 「ふざけんなよっ!!そんな奴らに何で授業料なんか払う必要があんだよ!」 「うん、でも古い手口みたいだし、そんな事も知らなかった俺たちの方がイタイって」 「...........」 「だから、もうしょうがないじゃん? もしかしたら....もしかしたらだけど、ちゃんと送ってくれるかもしれないしさ」 するとAさんが、 「うん、送ってくれたらラッキーやと思う、送ってくれたらな。 でも、間違いなく注文したモノとは全然違うモンが来るとは思うけど....」 「同じような体験があるんスか?」 「いや、無い。 俺も話には聞いた事あったけど、未だにそんな詐欺師がおる事が信じられへん。 それくらい有名な話やし、騙される奴がおる事も信じられへん。 トゥクトゥクのオッサンに何て言われたんや?」 「......1ヶ月の内、1週間しか開いてない激安店が今日最終日だから、見るだけ見てみたら?......って.....」 Aさんはため息をついてから、 「.....教科書通りやないか...。 もう、しゃぁないわ....」 「明日、店に行ってキャンセルしたら手数料とか取られるんですか!?」 「.....いや、分からん。 多分、普通に開いてると思うけど、そんな詐欺師がキャンセルに応じるか? 50%戻って来たらラッキーとちゃうか?」 「じゃあ明日、朝一で行ってみます!......こんなのって、騙されるより騙す方が悪いに決まってますから! クッソーッ!!!!」 Aさんはそれ以上何も言いませんでした.... 私はそれを聞きながら、女の子が他に注意することって他にどんな事があるのか考えていました。 後でもう一度聞いてみよう..... でも、2人の災難はそれだけじゃなかったのです.....
若槻千夏・にしおかすみこ 先回りしてごめんね。 なんだかいいとこで終わっちゃうからついつい先走りたくなってしまいます。でも、いいところで終わらせるのんたんの書き方が上手ですね。 だまされる人って、残念ながらだまされ続けちゃいます・・・。 今度は、じゃあちゃんとしたカシミアのを作るからもう10000バーツとか、いま5000バーツ払ってくれればキャンセルに応じて全額夕方に返金するといってトンヅラとか、なんだかカモ相手にいろいろやってきそう・・・(笑)もっとひどいのは、どこかに連れられていきヤクザに囲まれて無理矢理クレジットカードで別の決済をさせられるとか。 こういうことって別に何も知らなくても、何かしらおかしいところあるはずです。でも、そんなことがガイドブックに出てたりパンフレットまで出ているとは・・・。 話変わりますが、若槻千夏がまたタイにいるようです。カオサンで靴を売ってごはん食べたとか、ブログ面白い~(笑) あと、にしおかすみこもタイ国際航空のイメージキャラクターに起用されたらしく、タイ国際航空のサイトから、にしおかすみこがルーシーダットンやっているのが見れます。ブログも面白いです。 若槻ブログ http://wakatsukichinatsu.net/index2.html にしおかブログ http://blog.watanabepro.co.jp/nishiokasumiko/
.>災難はそれだけじゃなかったのです まだあるの?メンテの間気になって(引っ張るのが旨くなって) TAMOさんメンテが長かったですね。 ケチはご多聞にもれず爺も。 スクンビットの偶数側の屋台で絹のパンツを目いっぱい値切り10枚2000バーツで取引成立、この年になって初めて履ける絹の肌触りを想像してにんまり。 包んでもらっていざ行こうとしたら、後10枚1000バーツでいいよ、と来た。ニヤロメやられた。追加で買う?止めましたが。 福祉施設の銭湯で同じ柄の絹のパンツを見て、「どこで買いました」「通販で」「いくらしまし」「1枚3千円で」にんまりしながら日本の業者がまだ上手か。 立体裁断ではなかったので○○にくい込んでも一つの履き心地。 2-3回洗うと横がほつれてきてチャイナドレス状態、この1枚だけ欠陥か、と思っていると全部ほつれてくる。 もともと東南アジアの縫製の荒さは知っていたつもりだったが最近の中国やインドネシア製の木綿のブリーフの縫製が良くなっていたので信じてしまった。 絹の生地や柄はまあまあだったので未練はあれど捨てる羽目に。 生地はいいのにケチってマチを十分とってなかったためらしい。 のんちゃん又ここを借りたよ、はっつの安物買いの銭失いでした。 追、ちなみにスクンビットの奇数側屋台は身体障害者(聾唖者)が許可を受けて電卓を叩いて商売しているようです。
アユタヤ 45 詐欺の定番 2人がシャワーを浴びに部屋に戻っている間、Aさん以外のみんなは2人の詐欺事件について大笑いしたり冗談を言ったりしていましたが、Aさんの表情は曇ったきりです。 私も、あたりまえの詐欺と言われていることが全く分からないのと、2人が気の毒なのと、Aさんの顔色が気になって笑えませんでした。 Aさんは、少し不機嫌でした。 「......お前ら、あんまりしょうもない事で盛り上がんな。 俺も若い頃、アチコチで騙されたりしてるし、今でもタイ人と100%同じ条件で旅できるかってゆうたら出来へんのやから。 あいつらは今時特別かもしれんけど、タイ初めてやど! おい、K、お前、チャオプロム(市場)の前でガイドブック見て道に迷ってて俺に助けられたんとちゃうんか? なぁ、SとT、お前ら、カオサンの屋台で日本語メニューのある屋台でしか自分の食いたいモン注文出来んかったって俺に言わへんかったか? お前ら、たまたまココってゆう落ち着けるトコに泊って、たまたま俺みたいにチョットだけタイに詳しい日本人と出会って、図に乗ってんとちゃうか? 特にお前(Kさん)。お前、アジアは色んなトコ行ってんのに、何で初心者の失敗談を初心者と笑ってんねん!最低やぞ、お前! 他人の失敗談笑える程、お前は偉いんか!? お前はその失敗談を、次に会った奴にネタで話して笑いでも取るんか? もしそうなら、お前のことを嫌な奴の例に取って俺がネタにしたるわ!」 いつもは優しいAさんの目が、渡し舟で見た怖い目になっていました。 みんな静まり返ってしまいました。 正直言って、私も2人の話を聞きながら「いい気味」と思っているところがありましたが、そんな自分が恥ずかしくなりました。 Aさんの行ったことのある国について、私がいつも言っていた言葉は「すごいな~」でした。 Aさんはいつも、 「何もすごい事無い。俺が旅って言う旅をしてないのは、自分が落ち着く場所を探してるだけやし、たかが旅行や、こんなんに憧れるんなら時間とお金の無駄やで。 発展途上国に来て、こんなとこに一人で泊る旅するんなら、日本に帰ってからの自分が、どれだけ恵まれてるか思い知ったらいい。 カルチャーショック受けてハマる若い子も多いけど、若い時は感情に流されたらアカンで! みんな勘違いしてるけど、日本人でいるだけで得してんのやで」 と言っていました。 私はまだ20歳。 何にも分からないけど、笑いで全てを隠すのはやめようと思いました。
ガイドブックぐらい読めばいいのに・・・・ その二人は学生さんでしたっけ?? 初めてタイに来る前に、ガイドブックも読まなかった訳??? もうすぐ就職なのかしら? 普通に考えても「洋服の○○、フレッシュマンセール」で スーツ他一式をそろえる程度でしょうに。 一着20000B、日本円で6~8万円くらい? 航空券にもそれくらい払って来たんでしょうにねぇ。 GHの宿泊代を値切る一方で、 必要もないカシミアのスーツに大金を払う、 この人たちの金銭感覚って、ホンマ、不思議やわぁ。 真実を知った後の二人の反応はどうだったのでしょう・・・・?
Re: ガイドブックぐらい読めばいいのに・・・・ TAMOさんこんばんは 本当にガイドブック以外にプーヶット、パタヤ、ナナPあたりでぐぐれ ばいくらでも情報はあるのに(のんはぐぐるのはだめだよ)のんがはじめて合ったくだりではかなりの感じだったけれど、でも8万円のスーツが着ることが出来ても、出来なくても日本の若者だったら授業料だと思えば補える金額で、過ぎてみれば青春時代の良き思い出になるのでは。 むしろ、のんたん1991お嬢のダメージが大きく尾を引きそうな気がして。 早く忘れるのを願って。 家内が作るわたりがにのプーカリーの匂いがしてきたのでこの辺で。 爺もその後、を待ってます。では。