アユタヤ 38 詐欺の定番

「ぁ、チ~ス...どうも~」

夕食を食べ終わってみんなとのんびりお話しているところに、渡し舟で会ったあの2人が帰ってきました。 チェックアウトしてなかったんだ....。

「おぅ、今日は早かったなw」

Aさんはビールが入ってご機嫌です。 てゆうか、雰囲気を壊さないようにも見えます。 私はやっぱりこの2人が苦手で目をそらしていました。

「いやぁ、昨日はホントにスイマセンでした。 二日酔いきつかったんで、外に出て汗かいて丁度良かったっスよ~、昼まで寝ててチェックアウト過ぎちゃったし、もう1泊しようかと思って。 アユタヤってけっこう広いっスね、どっちみち連泊して良かったっスよ」

「うん、そやな。飯は食った?」

「はい、屋台で食ってきたんですけど....ココで食った方が割安なんスね、注文の仕方もイマイチ伝わってなくて」

「ハハ、まぁエエやんか、とりあえずシャワー浴びておいで」

2人はAさんにうながされて部屋に戻りました。 大人だなぁ....私はいまだに声もかけられなくて.....。



2人がシャワーを浴びて下りてきました。

「すいません、ビールってココの人に注文したらいいんですか?」

「いや、ココには置いてへんねん。みんな外で買ってきてココの冷蔵庫使わせてもらってんのやw。 ナンや、屋台でのまへんかったんか?」

「はい、けっこう高かったしさっきまで飲む気分じゃなかったんスよw、二日酔いだったんで」

「そうか、じゃあ俺のビール買うたらええわ。心配せんでもコンビニと同じ値段やからw」

ホントに大人だなぁ....

「マジっスか? すいませ~ん、ありがとうございま~す」

もう.....Aさんそこまでしてあげなくてもいいのに、ホントにお人よしなんだから...2人とも少しは遠慮してよーっ!

「2人とも、明日はどうすんの?」

「あ、はい、明日はバンコクに戻ろうと思うんですけど」

「そか。あと3日くらいあるんやろ? バンコクで何すんの?」

「まぁ観光とか、あと、観光っスねぇ。 お土産とかも見ておきたいし」

「うん、タイっぽいお土産買うならやっぱバンコクかもなw」

「あ、やっぱそうっスか? どこに行ったらいいスかねぇ...」



そこまでは何事も無く過ぎていきました。

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  • アユタヤ 39 詐欺の定番

    「やっぱ、カオサンとかが土産屋いっぱいあるし無難なんスか?」

    Aさんは呆れた顔で、

    「カオサンは......、カオサンは無いやろうw。 確かに値段が高くてもいいならカオサンが1番エエンとちゃうか? 空港とかで売ってる土産のパチモンならナンボでも安く売ってるしなw、空港にあるのも、何が本物なんか分からんけどな。象の顔が握りになってるマグカップとかw」

    「あ、それ見ましたよ、カオサンで! でも、値段はちょっと抑えたいんですけど...カオサンって何でも安いイメージがあるんですけど、実際泊ってみたらそんなことないですよね....」

    ますます興味がわきます。カオサンってどんなとこなんだろう.....

    「あそこは観光地になってるしな、今は。 昔はあそこに行けば旅行者から情報が山盛り入るとか言うてたけど、今はバンコクって言う国の中にあるカオサンロードって言う独立国みたいなもんやなw、蓄膿症で賑やかな場所が好きなヤツは丁度エエんとちゃうw?」

    「え?何で蓄膿症が関係あるんスか?」

    「だって臭いやろ?カオサン。1日中臭いけど、朝とか最悪やでw。泊ってて感じひんかった?」

    「.....確かに臭かったっスねぇ。 カオサンって、Aさんからしたらどういう場所なんスか?」

    Aさんはちょっと考えてから、

    「....タイの中にある外国...やなぁ。後、俺には関係の無い場所」

    「え!? だってカオサンってパッカーの間では1番有名な街じゃないっスか!」

    Kさんが話しに入ってきました。ちょっと笑っています。

    「あそこって、無国籍だろ?タイじゃないもんねw。 僕もね、初めての時はとりあえずいったんですよ~w、合う人と合わない人いますよねぇ。 僕もAさんも合わないだけですよw。 タイに来てまで、何でわざわざカオサンみたいな無国籍な場所にって、今は思うんですけど。
    初めて来た人って、1,2回しかタイに来た事しか無い人とかガイドブックしか、あんまり信用しないんですよねw。
    カオサンもそうだし、バンコクも離れたら、もっと安い値段でいい宿なんかいくらでも見つかりますよw! あ、これも受け売りなんですけどね、あはははっ!」



    2人はチラッと私を見て、少し気まずそうでした。

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    アユタヤ 40 詐欺の定番

    「日本に帰る前にウィークエンドマーケットに行ったらエエんとちゃうか? なんだかんだ言うても、土産とか買うならあそこが安いと思うけどな~。あ、間違ってたらゴメンな、俺、土産とか買わへんしコッチで買い物もほとんどせぇへんから」

    「ウィークエンドマーケットってどこでやってるんですか?」

    「バンコクの北バスターミナルの近く。BTSでも地下鉄でも近くに駅があるから行くのは簡単やで。 ただ広いからな~あそこはw。人も多いしな」

    「地元の人が行くような感じの場所なんすか?」

    「うん、行く行く。 でも今は観光客5割くらいかな? まとめ買いすれば何でも安くなると思うで。 ガイドブックに載ってるしチェックしといたらエエよ」

    「はい、ありがとうございます....何か、すんません...俺ら、すげぇかっこ悪いっスよね....」

    ん???

    「何で?」

    「.....いやぁ..、来たばっかりの時って分からなかったんですけど、ガイドブックに書いてある料金よりけっこうお金かかるし、さっきも2人で話してたんですけど、バンコクでも、もしかしたらボラれてるんじゃねぇかなぁって....。 カオサンでも、カオサンの事しか知らない人とか、初めて来た人としか喋ってないんスよ....外人と話せるわけでもないし」

    「...で?」

    「それで....何か、.....この娘とかにも.....何て言うか....」

    「うん、もうエエわw、何が言いたいか分かったし。 残りの日がいい思い出になればエエんやしな! んで?バンコクでボラれたってどういう事や?」



    この2人も別に性格悪いわけじゃなかったんだ.....何かほっとしたなぁ。


    でもこの後、私の知らないバンコクと2人のあきれた行動に唖然とすることになるんです。