(続き) 工事の目的と鉄道の迂回ルートについて

2年間にも及ぶエクス-マルセイユ間の運休・保線工事の主な目的は、
1 複線化
2 踏切の撤去と横断道路との立体交差化
3 中央管制により制御される信号機システムの設置
です。

これが完成した暁には、運行本数が現行の48本から98本へと倍増となり、急行列車も創設されるそうです。
また、これに伴って旅客数も倍増が見込まれています。

ちなみに、同時進行でマルセイユ-オーバーニュ間の保線&増強工事も行われています。
PACAが目指しているのはプロヴァンスの「イル・ド・フランス化」。つまり、中核都市と衛星都市との人的・経済的交流を活性化させ、経済圏の拡大と発展へと繋げていこうとするものです。

ところで、上の枝で書いたマルセイユ→エクス→ガップ方面の鉄道「迂回ルート」はどこを通るかというと、まず時刻表の注釈に記されている「à grand parcours」(基幹路線)、つまりマルセイユからミラマ、アルルを経てアヴィニョン中央方面に敷かれているコライユが走る路線を走ります。途中ベール湖の東岸にあるRognacという村にある分岐から貨物専用路線に入り、アルク川沿いを西進しエクスに至ります。エクスではスイッチバックをしてガップ・ブリアンソンヘと向かいます。

通常、旅客鉄道が走行しない貨物専用路線を期間限定で走行するのですから、鉄道マニアにとって見れば垂涎のルートかもしれませんね。
個人的には、エクスの西方にあるロックファブールの水道橋をくぐるシーンを見てみたい気がします。

興味ある方は、ViaMichelinとかのサイトでRognacで検索すると、路線ルートが見られますので試してみてください。

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2件のコメント

  • 現地のフランス人でも知らないような詳しい情報、ありがとうございます

    Mabou-lce さん、おひさしぶりです。

    現地のフランス人でも知らないような詳しい情報、ありがとうございます。興味深いですね。

    マルセーユ~エクス間の鉄道はかつての八高線のようなローカル鉄道の印象でしたが、一気に近代化するのですね。でないと、二酸化炭素排出の多いバスに頼りっぱなしの状態が続くわけですからね。しかし、2年間も止めてしまう、というのがすごい発想です。ニースのメドサン通りのトラム工事もすごい長期間でしたが。

    ちなみに、走るのは電車になるのでしょうか。ガップ方面は未電化だったと思いますが。

    >同時進行でマルセイユ-オーバーニュ間の保線&増強工事も行われています。
    今回、TERのサイトを見たら、マルセーユとレザルクの間の運行が工事で乱れる、とありましたがこのことですね。

    >貨物専用路線に入り、アルク川沿いを東進しエクスに至ります。
    なるほど。工事中なのに運転、という謎が解けました。この線路、みかけた記憶があります。「これって、走っているのかしら」 と思いました。
    こんな迂回列車に乗る人は、マルセーユ方面からエクスの先に行く人がほとんどでしょうね。効率が悪そうだから。

    >鉄道マニアにとって見れば垂涎のルートかもしれませんね。
    たしかにそうですね。

    >ViaMichelinとかのサイトでRognacで検索すると、路線ルートが見られます
    トライしました。線路の色が淡くて楽ではないですね。

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