08/01/15 16:13

北欧・ロシア(サンクトペテルブルグ)

 北欧・ロシア(サンクトペテルブルグ)は私も昨年行ってきました。 北欧はフィンランドをかなり隅々までと、ノルウェーの北端(フィンマルク地方)だけの経験ですが、まったくそのような問題はなく、不快な思いはしませんでした。
 ロシアはネオナチによる外国人襲撃とかプーチン政権下での超ナショナリスティックな運動とかを念頭に、いつ危害を加えられたり差別的言動をされてもおかしくないだろうと、かなり張り詰めた気分でモスクワ・サンクトペテルブルグを1日ずつ歩きました。(誤解のないように予め述べておくと、ロシア人の友人・知人を介して、個人としての彼らは押しなべて素朴で人懐こい人達であるという好感を持っております。集団としてのロシアの社会や国家には別な感情を抱いていますが。)
 しかし、結果的には中東欧と違い、危害にも差別にも遭遇しませんでした。じろじろ見られることもなく、話しかけても好意的で、逆にこちらに平気で道や時間を聞いてくる人がいるのには驚かされました。大都会で、かつ短時間だったせいもあるでしょうが、旧ソ連・現在のロシアとも構成民族(人種)の多様性から東アジア系の人に特に違和感がないような印象を受けました。西欧と状況的には似ているかも知れません。
 もし次のご旅行のご参考になれば幸いです。


 
 中東欧(チェコ)で不快な思いをされたとのこと。ご経験を前向きに活かそうとされる姿勢には、共感いたします。
 実は私も、中東欧地域では差別的感情・言動が多く残っていると考えています。推測される理由は、社会主義時代に人権教育が充分にされていなかったこと、司法機関の対応が不充分であること、民主化以降西欧人から一段低く見られていることへの反動(被差別者が差別者になる)など、いろいろあります。西欧と同じく、中東欧でもアジア・アフリカ系の人が多く住んでいるのですが、諸事情から彼らは西欧よりも深刻な差別の対象となっています。例えば、社会主義時代に招いたインドシナ半島・アフリカから大量の外国人労働者や留学生がそのまま残っていることには、以前から社会的反発が強かったのですが、これに加えて民主化以後・EU加盟交渉本格化前のビザ厳格化のタイムラグを縫って中国など(旧)社会主義圏から流れ込んだ大量の経済移民には、(真偽のほどは不明ですが)アンダーグラウンドなイリーガル・ビジネスに関与しているという疑いの目が向けられています。
 こうした人たちへの強い非難的な社会風潮から、まだまだ日本人の露出度の少ない中東欧では、(現地の人にとって)見た目では区別できない日本人に対しても不適切な態度をとることが多いものと思われます。そのためか、多くの場合、日本人であることが分かった途端に、手のひらを返したように態度が良くなります。ちなみに、一般に対日感情はすこぶる良いです(日本をよく知る知的階層と、先進国であるという以上の知識をほとんど持たない大衆層に二極分化してしまっているのが実情ですが...)。
 ですので、単純に人種的差別だけとは言い難い、複雑な背景に基づく態度なのだとご理解下さい。無論、だからといって、このような蔑視的態度が許容されるべきだとは到底思えませんが。

 対策としては、観光客然とすることに尽きるような気がします。カナダ人が国旗をバッグに縫いつけるように、日本人であることをアピールするような文字や絵柄を服・持ち物につけることでも、不要な精神的消耗をある程度避けられるかもしれません。中には「そのような旧南アでの名誉白人的な行動は日本人のアジア蔑視につながる」とお考えになる方もいるでしょうから、差別的対応を受けたら正面から抗議するという方法に出る方もいらっしゃると思いますが、くれぐれも現地で刑事犯扱いされることのないよう、理性的な対応に留めておくのがよろしいかと思います。

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