バーツのファンドメンタルズとタイ中央銀行の動向

97年のバーツ危機と現在のタイの経済、金融をオバカに噛み砕いたストーリーです。95年くらいにはタイの経済発展の脆弱性を指摘する声はありました。貿易収支・経常収支の赤字と短期外国資本頼みの開発。もともと信用性・流動性のないところに無理にドルペッグさせてたバーツは海外投機にひとたまりもありませんでした。
当時、レストランチェーンの「DAIDOMON」の社長が外貨建ての借金を神業的に直前に返済していて話題になりました。

為替の展望などは素人の私にはまったく分かりません。もし、来年に5円になるなら100万円の現金を腹巻に入れ、年末に渡タイ。スーパーリッチかここでは書けない場所で両替してバン銀の口座に預けたいものです。

タイはこのところ経常収支・貿易収支ともずっと黒字ですね。貯蓄率もあがり、外貨準備も確保しているので流動性も問題なさそうです。また中銀は海外からの短期の資金流入には神経質になっています。昨年末の規制と今年6月の追加措置は日系進出企業には辛いようです。

http://www.jcc.or.th/upload/News/2469/0111.doc

中銀もバーツ買いの介入をして急速なバーツ高には歯止めをかけたいのでしょうが二律背反として原油高・物価高があり、舵取りが難しいと思います。危機前と違い流動性は確保しているから暴落というとはないでしょう。ただ、単なる経済の実態と離れた部分で行き場を失った投機資金を中銀が食い止められるか。プミンポン国王の健康問題と人民元の動向とともに注目です。

ドル・円に対して年12%のバーツ上昇だけでなく、6%以上の物価上昇(観光客の消費するものは10%)もしんどいですね。実感としてはここ5年で旅費が倍になった気がします。

バーツ危機後。リージェントホテルが1万円強、Cクラスの1年オープンが10万円以下。夢のような時代でした。

物価だけでなく、スターバックスで珈琲を飲み、地下鉄で移動する。無愛想でせっかちな店員から物を買い、PCと携帯を使いまくり。田舎にもチェーン店とコンビニができる。なんかタイ自体が旅先として魅力が減りつつあります。

歩道は屋台の傘、道路はトゥクトゥクで埋め尽くされていた昔に返りたい。中央郵便局までいって通話時間を指定して日本に回線をつないでもらい絵葉書を出してくる。良い時代でした。(う、年寄り臭い)

治安・物価高だけでなく西欧化、中進国化(教育や通信インフラなど遅れている部分も多いですが)してタイ本来の文化、伝統のくずれつつあり魅力がなくなってきたように思います。

  • いいね! 0
  • コメント 1件

1件のコメント

  • 07/12/02 13:13

    昭和回顧のような

    含蓄のあるお話。

    現代人が昭和を懐かしがるのと同じような。
    一方、本当に苦労した世代は、「考えたくもない」と思うとか。

    最近、ホテルの料金表示が米ドルからバーツに変わり、その高さに
    驚愕しました。今や、ビジネスクラスならば、日本で買う方が安い。

    香港などのドルペック制がなくなったら、「今度香港行くのですが、
    両替は何処ですれば良いでしょうか?」という超定番質問はなくなる
    でしょうね。

    • いいね! 0
    • コメント 0件