泰山は1日にしてならず。泰安の「歩き方」 硬座列車の長旅に我慢できなくなって(お尻が痛かったので)思いつきで降りた泰山火車站。 準備がなかったための失敗例を紹介してみよう。 駅前は、田舎町の風情。 観光案内所はない。 しばらく、火車站前広場を観察する。 時間は午後3時前。中国特有の大陸的暑さ。 広場はがらんとしている。 左側に、中型バスが数台。 済南行きのバスだ。 1~2時間で済南まで行けるらしい。 「歩き方」も、もう一冊のガイドブックも駅の正面にバス乗り場と書いてある。 しかし、この地図はほとんど役に立たない。 とにかく、公共汽車(市内バス)乗り場に。 しかし、さっぱり分からない。 この時間では正面からは時間がなさそう。 泰山を裏から登ってみようかと言う判断。 ?路バスに「桃花峪」行きを見つける。 運転手に「イークアイ?」と聞くとそうだと言う。 乗客が増え3時過ぎに出発。 完全にローカルバス。 終点を降りた客は地元以外は3組。 中国人親子、カップル。 そしてみなみやま。 そこは、広い駐車場。 ここから、ロープーウェイ乗り場までミニバスが出ている。 公共汽車とは別のようだ。 ロープーウェイ乗り場は「桃花源」である事をここで知った。 中国人家族は通りかかった車に乗ってロープーウェイ乗り場方向へ去った。 道路を登るとチケット売り場があり「100元」の文字が。 窓口はもう閉まっている。 その先には、ゲートがあって職員が数人。 今日のロープーウェイは終了したと。 ここで理解できた事は、泰山は入山するには、100元の入山料がいる事、さらに、それ以外にも費用がかかりそうだ。 ロープウェイに乗るためには、ロープーウェイ券を買ってミニバスでロープーウェイ乗り場まで行かなければならない事。 バス代も入りそうだ。 あとは、市内バス終点の駐車場から当日の旅遊・ツアーがあること。 それは早い時間に行かなければ参加できないことなど。 泰山山頂1524m 岱廟 165m 中天門 683m ロープーウェイ下站 南天門 752m ロープーウェイ上站 岱廟へは、市内バス1路 4路 6路 11路 ロープーウエイバス乗り場「天外村」へは3路バス。 3路バスは「天外村」から火車站前を経由「紅門」行き。 便利なバスのようだ。 しかし、とにかく「歩き方」の説明も、泰山へのアクセスについては 説明がほとんどない。 それと、感想だが、個人では泰山登山は難しいと言う事だ。 団体旅行用に山全体がすでに組込まれているようだ。 入山料の高さも最高レベル、再度泰山に登るかどうかは 迷う所だ。 ただ、泰山は日帰りで行くのは、団体旅行ではない限り 泰安で1泊はしないと無理だと言う事がよく分かった。 「泰山は1日にしてならず」である。 サテ、このあとどうするの?
泰山火車站で中国の公衆IP電話をかけまくる。 「桃花峪」から火車站に戻るバスの運転手は女性。 火車站まで、20分はかかる。 いすは、日本の学校の合板の硬い椅子と同じ。 とにかくこの日は尻が痛かった。(笑) このバスのしっかり田舎のバスで、客が大工道具や木材まで持ち込むのには少々ほっこりさせられた。 みんな、日焼けしてすっかり田舎の男達だ。 そんな飾らない市内バスが好きだ。 しかし、これからどうするか? かばんの中を探ると、一枚の名詞が。 それで、電話をかけることを思いついた。 火車站の集售処まえで公衆電話をかける。 これが、難しい。 ICテレホンカードを使うが、電話機が対応しない。 地図売りのおばちゃんッも応援してくれるがダメだ。 ふと、先にあるIP電話(多分、「公話」)に目が行った。 名詞の人物は、煙台の王さん、女性だ。 自分でかけたが、かからず、IP電話の男性に名詞をわたすと、数字を足してかけなおしてくれた。 煙台国際旅行社にかかった。 王さんが出た。 煙台発仁川港行きフェリーが明日あることを確認。 フェリーの電話番号を聞いた。 時計を見ると5時過ぎ。 旅行社の勤務時間は5時まで。 タイムリミットだ。 礼を言ってきる。 フェリー会社に電話したが、言葉が分からず不調。 次に、青島の旅行会社に電話。 日本行きのフェリーの空席状況を聞く。 空席はあるという。 下関~青島フェリーは、日本と中国の合弁会社。 これは、最後の切り札に残す。 帰りはソウルと釜山によらなければならないのだ。 青島から韓国行きを聞いてみたが、威海フェリーは韓国の単独の会社だから扱っていないと言う。 韓国のフェリーは片思い型だ。 中国側の扱いは、悪い。 ただし、明日、便があることは確認できた。 これで、次の行動が決まった。 とにかく今日中に青島まで行くのだ。 泰山登山は次回におあずけにした。 これが、泰安市での顛末。
泰安から列車で済南へ、そして高速バスで深夜青島に到着する。 泰山 16:09開 N478次7元 新空調硬座快速 済南16:59到 すぐに、行動に移した。 まず、切符を窓口で並んで買う。 すぐに、切符は買えた。 この列車は、日照西発済南行き短距離の快速だ。 一駅で終着となる。 それでも50分はノンストップ。 泰山の硬座室(待合室)を紹介しよう。 作りは基本的に同じだが、泰山駅は古い部類。 侯車室は2階にある。 天井がやたらと高い。 侯車室の前方に喫煙室。 まだ、勝手にタバコを指定以外で吸う人も見かけるが、 中央の指示は、津々浦々まで鉄道を通じて徹底されると思った。 しかし、中国の喫煙人口は多い。 従って、喫煙室はいつも満員だ。 構内全面禁煙には出来ないが、 さすがに分煙化の波は、中国でも進んでいる。 これが今の中国の分煙状況。 列車は、少し遅れるとアナウンス。 漢語不明白!だが、さすがに、1週間も一人で旅をしていると、 わからない言葉のわかったつもりになってしまう不思議さ。 改札が始まって、ホームへ。 到着した列車は、2階建て列車。 10年前上海で乗った軟座の当時の新型車両。 乗っている乗客は、地元のおじい、おばあが多いが、何か遠足気分で嬉しそうだ。 自前の食事をしたり、カップ麺を若いカップルが二人で食べたり。 しかし、トイレに鍵がかかっていたのには閉口した。 とにかく、この列車は、済南まで100㎞以上のスピードでひたすら50分間走り続けた。 この路線では、バスより安くて早くて快適な旅が出来る。 7時過ぎには、済南火車站 に着いた。 済南站の出口は、一階ではなく地下1階だった。 地上に出ると昨年の記憶がよみがえる。 火車站 前は、昨年工事中だった整備がすすんできれいになっていた。 本当は、済南に1泊しても思ったが、火車站 前の長途汽車站も場所がわかっていた。 列車で6時間かかる済南→青島も、バスの方が早く着く確信があった。 とりあえず、高速バスに乗ろうとターミナルまで移動した。 この汽車站は、少し様子が違う。 道路に面して電光掲示板が行き先と時間を表示。 そのしたに、大型バスと中型バス、ミニバスが混在して泊まっている。 全面に侯車室はない。 従って乗客はそのままバスに乗り込む方式だ。 ちらっと青島行きバスが出るのを目撃した。 おそらく19時過ぎ発のバスか? とりあえず、青島行き新しい中型バスに乗る。 「え!」 切符をもらうと20時40分発だった。 夜中に青島に着く!! しかし、動揺はなかった。 たいした自信である。 その顛末は?