とある旅行業界誌でも特集があったことなのですが、
若者を中心に海外旅行者が減っている。
今の日本人の海外出国者数を見ると、男性は30-60才までが
突出し、そこにピークがあります。一方女性は、20-35才に
ピークがあります。ところが、女性のこの層の割合が前年度
比5-6%減っているいるのです。伸びているのでは熟年層。
男性も20-35は20-25が女性より少ないだけで、やはり同じ
くらい減っています。
確かに、女性に人気の欧州、とくにイタリアなどは一時期、
若い日本人女性だらけでした。今は激減し、有名ブランド品
店は、中国人とロシア人にとって換わられています。
原因は、まず正規雇用が少なくなり、海外旅行どころではなく
なったこと。さらに、若者が海外旅行に興味を示さなくなった
ことが挙げられています。ある代理店は、以前は一年オープン
チケットが飛ぶように売れたが、今では三ヶ月が出れば良い方
とか。
雇用の問題は深刻で、確かにそうだろうとは思います。
しかし、何故、興味をなくしたのかはいろいろな見方があるよう
です。例えば、TV番組やインターネットの普及で、バーチャルな
世界で満足してしまう。目的や価値が見いだせない。一方で、
ラスベガスやドバイなどの一カ所で済ませられる場所が人気。
携帯電話が影響していると言う説。これに数万掛けるため、
他に金を掛けられない。雑誌が売れないとか、活字を読まない
という傾向に拍車を掛けているのは携帯電話でしょうが、これ
が海外旅行にまで影響している。
確かに、以前ならば、本を読み漁って、時刻表とにらめっこし、
時には航空時刻表まで入手し、ホテルに直接FAXして予約して
いたのが、今では、「教えてください」でも誰かが教えてくれ
る。それに対して、「少しは自分で勉強しろ」なんか言い出すと、
益々、若い世代が行かなくなるのかも知れませんね。
これとは関係ないことですが、客の減少ももちろん大変なので
すが、今や代理店が困っているのが、クレーム問題。一億、総
クレイマー時代だとか。某TV番組の影響で、俄法律家が増えた
そうです。不正確な法律の知識を持ち出して、理不尽な要求を
突きつける。一度とおると、Webで自慢したり、要求をさらに
拡大させる。面倒なので、金で解決してしまおうとするのが、
この連鎖を生んでいるらしいのです。クレイマーには二種類
居て、非常識が身体中から発せられるタイプと、一見穏やかで
理性的。しかし、ねちねちと、「某役所に知り合いが居る」
とか「インターネットで公表する」と言い出す。大企業の
それなりの地位の人、公務員、大学教授に多いとか。