黒い牡牛(THE BRAVEONE)

闘牛については嫌悪感を持っていた私が いやそうでは無いのかもと思い始めたのは 昔のハリウッド製の闘牛映画の「黒い牡牛」です。しかも舞台はメキシコ・・・です。

いかにもハリウッド調の甘ったるい、でも上手に出来た泣かせるお話ですが、なぜか アカデミー賞で脚本賞を取っています。

赤狩り旋風吹き荒れる当時のアメリカで レッドパージで追われた ダニエル・トランポが仮名で書いたシナリオです。

原作名は THE BRAVEONE。 それを後で知ってもう一度感動しました。

そうか 主役は 牛なんだと・・・。 そして死と立ち向かいそれでもなお雄雄しく生きる命・・そして死だと・・ 。

大げさですが 武士道とは死ぬことと見つけたり(葉隠れ)です。生命の尊厳は死とともにある・・・のかもしれないと。 いかに死ぬか・・雄雄しく死ぬことの難しさ・・、その事への礼節、敬意・・。

牛が主役で 闘牛士はもしかすると神の代役・・・。

血と砂 という映画もありました。 通俗の権化のような映画でしたが ・・これも もう一つのテーマは <生命と死> でした。

白昼の光の中での死。 もしかしたら キリスト教伝播以前の犠牲(いけにえ)の神事なのかも・・・。

フラメンコ・・は哀しい踊りです。 世の中の悩みから遠ざかる忘我の世界の中での 何かへの一体化・・・。 もしかしたらあの世との・・ 。 だから 夜も更けたなかで聞くのかも・・。 覚めたままでの世界では 無いのかも・・・。

かの地は ヨーロッパではありません。 闘牛もフラメンコもキリスト教以前からのそれこそ文化遺産、もしかすると私たちはヨーロッパの人たちからの借り物の目でみているのかもしれません。

もちろん 私もです。

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1件のコメント

  • つけたし または 言い忘れ・・・です。

    この映画のシナリオは たぶん・・・

    「フェルディナンドの牡牛」だと信じています。

    トランポ流の・・・。  

    もちろんワタシのオモイコミですが。

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