不自然に感じる理由

こんにちは、ラオス滞在中のろっきいです。
ふだん日本語を教えるのに頭を使っていますので、みなさんの遣り取りを興味深く拝見しています。

「帰国してきました」それ自体はそれほど不自然な表現ではありません。

ブラジル人のサントスさんはしばらく(ブラジルに)帰国してきました。そして、いまは日本に戻っています。

「帰国する」という語に原義として「母国に帰る」という意味があるため、(ブラジルに)の部分は「馬から落馬する」のように過剰な表現です。
「ブラジルに帰ってきました」とすれば自然な表現になります。

どなたか主張した「帰国する」が動作を表すか、状態を表すかなどという問題とは関係ありません。

「してきました」の表現を検討しましょう。「してきました」は、その行為を終えて(もとの場所に)戻ったことを表します。
「行ってきました」「顔を洗ってきました」「買い物をしてきました」など。
漢語に接続させるとやや不自然に感じるかもしれませんが、「旅行してきました」など、現代では普通に使われています。

「行ってきました」に対して「帰ってきました」はどうでしょうか。

「ろっきいは(日本に)帰ってきました」話し手が現在いる場所に戻ったことは同じですが、ろっきいが(現在日本にいれば)日本に帰って今はここにいる、(現在ラオスにいるなら)日本に帰って(帰るという行為を終了させて)今はここにいる、ということになります。
どちらにしても、特に不自然さはありません。

「帰国してきました」は、「帰国する」という行為を終了させて(もとの場所に)戻ったことを表現します。
ラオスで発話する場合「(日本人の)ろっきいは日本に帰国してきました」は自然な表現です。
しかし、日本で発話するなら「帰国する」行為と(行為を終えて元の場所に戻るという意味の)「・・してきました」という表現が、二重となって不自然になるのです。
「ろっきいは日本に帰国してきました」は日本以外の場所でないと、不自然な表現です。

単純に言えば、「行ってきました」と「帰国しました」とを混乱させておかしな間違いをしたというだけのことです。

実際のところ、人様の言葉についてあれこれ考え、よけいなことを言うのは気がひけます。自分の文の反省材料にしたいと、自戒しています。

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1件のコメント

  • 訂正

    よく見直して投稿しましょう、という意味の投稿を訂正するのは気がひけますが・・・・。

    先ほどの文章の中で矛盾がありました。訂正します。
    ラオスで発話する場合「(日本人の)ろっきいは(日本に)帰国してきました」は自然な表現です。
    しかし、日本で発話するなら「帰国する」行為と(行為を終えて元の場所に戻るという意味の)「・・してきました」という表現が、二重となって不自然になるのです。
    「ろっきいは(日本に)帰国してきました」は日本以外の場所でないと、不自然な表現です。

    「日本に帰国する」というのは「馬から落馬」のたぐいでした。
    漢語を利用しないで「日本に帰ってきました」と表現するのがいいですね。

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