山東省泰山駅で列車を降りる。8月15日の24時間硬座一人旅3

青島行き快速列車は、次第にスピードを上げていく。
河南省商丘火車站で、蘭州から一緒だった3人娘は列車を降りていった。
彼女らのおかげで、随分気を紛らわすことが出来た。
いつも、硬座の旅ではいろんな中国の人に世話になっている。
彼らはみな親切だ。恵まれているとしかいいようがない。

しかし、一面のトウモロコシ畑の中をひたすら走る列車。
彼女たちが降りたあと、隣にいた中年夫婦。
これまで、遠慮して一言も話さなかったが、急に、近くなってしまった。
親父がみなみやまに中国タバコをすすめてくれた。

昨年あたりから、列車の客席での喫煙が禁煙になった。
喫煙できるのは連結器部分だけだ。
車掌に怒られる。

しかし、ここはことわるわけにはいかない。
一本もらって、こちらのタバコも一本差し上げる。
アメリカタバコだったが。
そのあとかみさんから果物をもらったり、お菓子をもらったり。
やはり、取っつきにくいが彼らも親切だった。

しかし、とにかく暑い。
窓を全開にする。
徐州11:17。

徐州からは、上海と北京を結ぶ大幹線の京滬線に入った。
いつの間にか列車は走る方向が逆になる。
とにかく急にスピードが速くなった。
駅が極端に少ない。

景色も、ずいぶん変わってきた。
広い平野の中に所々 独立した山が見えるようになった。

このあと、
13:17?州
14:14泰山
15:10済南
21:50青島。

「うーん」。
がまんの限界。
この辺では、通路にたったまま、さすがに座席に座ることが出来ない。
おしりが痛いのだ。(笑)

時刻表をにらみながら、済南までは行かず、手前の泰安駅に降りることに決めた。
孔子の出身地曲阜に行くことも考えたが、このあとの日程も考え、青島に近い泰安市で降りることにした。
ほぼ25時間列車に乗っていたことになる。
表向きは理由は泰山にでも登るか?
本当の理由はおしりが痛い。「痔」になりそうだ。(笑)
本気でそう思った。

とりあえず、何の準備もなく、ガイドブックだけで、行くことに決めた。
解放軍兵士の彼にも一応お別れを言っておいた。

中年夫婦にもさよならを言って、無事、泰山火車站 に降りることが出来た。
改札を出る。

随分ローカルな駅に見えた。
しかし、このあと泰山には登ることなく、泰安市をあとにすることになるのだが。










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  • 泰山は1日にしてならず。泰安の「歩き方」

    硬座列車の長旅に我慢できなくなって(お尻が痛かったので)思いつきで降りた泰山火車站。
    準備がなかったための失敗例を紹介してみよう。
    駅前は、田舎町の風情。
    観光案内所はない。
    しばらく、火車站前広場を観察する。
    時間は午後3時前。中国特有の大陸的暑さ。

    広場はがらんとしている。
    左側に、中型バスが数台。
    済南行きのバスだ。
    1~2時間で済南まで行けるらしい。
    「歩き方」も、もう一冊のガイドブックも駅の正面にバス乗り場と書いてある。
    しかし、この地図はほとんど役に立たない。
    とにかく、公共汽車(市内バス)乗り場に。
    しかし、さっぱり分からない。
    この時間では正面からは時間がなさそう。
    泰山を裏から登ってみようかと言う判断。
    ?路バスに「桃花峪」行きを見つける。
    運転手に「イークアイ?」と聞くとそうだと言う。
    乗客が増え3時過ぎに出発。
    完全にローカルバス。
    終点を降りた客は地元以外は3組。
    中国人親子、カップル。
    そしてみなみやま。
    そこは、広い駐車場。
    ここから、ロープーウェイ乗り場までミニバスが出ている。
    公共汽車とは別のようだ。
    ロープーウェイ乗り場は「桃花源」である事をここで知った。

    中国人家族は通りかかった車に乗ってロープーウェイ乗り場方向へ去った。
    道路を登るとチケット売り場があり「100元」の文字が。
    窓口はもう閉まっている。
    その先には、ゲートがあって職員が数人。
    今日のロープーウェイは終了したと。

    ここで理解できた事は、泰山は入山するには、100元の入山料がいる事、さらに、それ以外にも費用がかかりそうだ。
    ロープウェイに乗るためには、ロープーウェイ券を買ってミニバスでロープーウェイ乗り場まで行かなければならない事。
    バス代も入りそうだ。

    あとは、市内バス終点の駐車場から当日の旅遊・ツアーがあること。
    それは早い時間に行かなければ参加できないことなど。

    泰山山頂1524m
    岱廟   165m 
    中天門  683m ロープーウェイ下站
    南天門  752m ロープーウェイ上站

    岱廟へは、市内バス1路 4路 6路 11路
    ロープーウエイバス乗り場「天外村」へは3路バス。
     3路バスは「天外村」から火車站前を経由「紅門」行き。
     便利なバスのようだ。

    しかし、とにかく「歩き方」の説明も、泰山へのアクセスについては
    説明がほとんどない。
    それと、感想だが、個人では泰山登山は難しいと言う事だ。
    団体旅行用に山全体がすでに組込まれているようだ。
    入山料の高さも最高レベル、再度泰山に登るかどうかは
    迷う所だ。
    ただ、泰山は日帰りで行くのは、団体旅行ではない限り
    泰安で1泊はしないと無理だと言う事がよく分かった。
    「泰山は1日にしてならず」である。

    サテ、このあとどうするの?

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    泰山火車站で中国の公衆IP電話をかけまくる。

    「桃花峪」から火車站に戻るバスの運転手は女性。
    火車站まで、20分はかかる。
    いすは、日本の学校の合板の硬い椅子と同じ。
    とにかくこの日は尻が痛かった。(笑)
    このバスのしっかり田舎のバスで、客が大工道具や木材まで持ち込むのには少々ほっこりさせられた。
    みんな、日焼けしてすっかり田舎の男達だ。
    そんな飾らない市内バスが好きだ。

    しかし、これからどうするか?
    かばんの中を探ると、一枚の名詞が。
    それで、電話をかけることを思いついた。

    火車站の集售処まえで公衆電話をかける。
    これが、難しい。
    ICテレホンカードを使うが、電話機が対応しない。
    地図売りのおばちゃんッも応援してくれるがダメだ。
    ふと、先にあるIP電話(多分、「公話」)に目が行った。

    名詞の人物は、煙台の王さん、女性だ。
    自分でかけたが、かからず、IP電話の男性に名詞をわたすと、数字を足してかけなおしてくれた。
    煙台国際旅行社にかかった。
    王さんが出た。
    煙台発仁川港行きフェリーが明日あることを確認。
    フェリーの電話番号を聞いた。
    時計を見ると5時過ぎ。
    旅行社の勤務時間は5時まで。
    タイムリミットだ。
    礼を言ってきる。
    フェリー会社に電話したが、言葉が分からず不調。
    次に、青島の旅行会社に電話。
    日本行きのフェリーの空席状況を聞く。
    空席はあるという。
    下関~青島フェリーは、日本と中国の合弁会社。
    これは、最後の切り札に残す。
    帰りはソウルと釜山によらなければならないのだ。

    青島から韓国行きを聞いてみたが、威海フェリーは韓国の単独の会社だから扱っていないと言う。
    韓国のフェリーは片思い型だ。
    中国側の扱いは、悪い。
    ただし、明日、便があることは確認できた。

    これで、次の行動が決まった。
    とにかく今日中に青島まで行くのだ。

    泰山登山は次回におあずけにした。
    これが、泰安市での顛末。