レポート

マイソールの少年ガイド

公開日 : 2007年07月23日
最終更新 :

うり売りがいたので、半切れ1ルピーで買って、食べていた。
ひとりのインド人の男が、
「10ドルだとふっかけてやれ」
と、うり売りに言っている。
ティーンエイジャーと思われる少年が話しかけてきた。
「ジャパン?」
「イエス」
「ドゥユーノウ、ヤマグチグミ?」
私は吹き出した。
「意味知ってるの?マフィアだよ」
「ヤクザね」
「どこでその言葉を聞いたの?」
インド映画に、山口組がでてくるんだろうか。
「マイソールで聞いた。前に来た日本人が、山口組の者だと言っていた」
うそに決まっている。
少年は信じているようだ。まじめな顔をしている。
おちゃめなバックパッカーが、吹き込んだんだろう。

うりを食べ終わり、通りへ出る。
少年はついてくる。
「どこへ行くの」
私がひろげたガイドブックの地図をのぞきこむ。
前に会った日本人の話をして、親近感を持たせ、ガイドをかってでて、チップを稼ごうという作戦だろうけど
「山口組、知ってる?」
では、爆笑されるだけだよ。

この少年は、日本人に会うたびに
「ドゥユーノウ、ヤマグチグミ?」
をやるんだろうなあ。

インド人にへんな日本語を教えてはいけません。

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1件のコメント

  • 07/07/28 17:23

    後日譚

    その後もマイソールの町を歩いていると、知らないインド人からたびたび声をかけられた。
    「ヘーイ。ヤマグチグミ」
    「ヤマグチグミ」
    マイソールに逗留した自称山口組組員は、自分のことを「山口組」と呼ばせていたらしい。
    以来、その山口組組員が去った後も、マイソールの人は、日本人と見ると
    「おい。日本人だぞ。山口組だぞ」

    他の日本語も教えておいて欲しかった。

    きっと、私の後にマイソールへ来る日本人も経験する。
    「ヘーイ。ヤマグチグミ」

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