セヴァン湖とタヴシュ地方の2つの修道院①

丸一日かけてアルメニア唯一最大の淡水湖、セヴァン湖とタヴシュ地方にある2つの個性的な修道院をプライベートツアーで見に行った。

総面積1300平方キロ、海抜2000メートルにある、青い湖面が美しいセヴァン湖は、アルメニア屈指のリゾート地。
アルメニアには海がない為、多くの人が夏はここに泳ぎに来るのだそうだ。

水が透き通って深い青色のきれいなセヴァン湖で育った鱒は、旧ソ連では非常に有名な食材だそうで、一般の人たちによる釣り、漁などの捕獲は禁止。
近郊で養殖されている鱒は1キロ約10ドルなのに対し、セヴァン湖の鱒はなんと10倍の相場で取引されるのだそうだ。

アルメニア人の平均月収が100ドルだから、鱒一キロと1ヶ月の労働対価が同じだということになる。

養殖ものと食べ比べると、素人でもわかるというくらい味が違うのだそうだが、多くのアルメニア人にとっては高嶺の花となっており、現在ではほとんどが輸出にまわされ、貧乏国アルメニアにとっては貴重な外貨獲得の商品になっている。

ガイドも食べたことがないそうだ。

セヴァン湖に突き出た小高い半島のてっぺんに、9世紀創建のセヴァナヴァンク修道院がある。

半島というか、元々は島だったのだそうだ。

ソビエト時代、お偉い人が「あまり深く考えずに?」セヴァン湖につながる川という川に9つものダムを建設。水位が極端に下がってしまい、島が半島になってしまったのだそうだ。

おかげさまで?今では教会まで車で行くことができる。

ボートが並ぶ湖畔を見下ろす観光客用展望レストランが面している道から、一気に屹立した急高配の階段をみやげ物売りを横目に登りきり、辿り着いた修道院の2つの教会と足下に広がる広大な青いセヴァン湖。

こういう景色を目にした時、あらためて「世界は広いな」としみじみ感じる。

ここで見たのは聖母教会と聖12使徒教会。
2つ並んだ教会の前には食堂などの建物の遺構があり、現在修復中だそうだ。

聖母教会はうす黒い石積みで建てられた、年代を感じさせる教会。
聖12使徒教会は、それぞれ大きさの違う石を漆喰で無理矢理塗り固めて形にしたような教会。破壊された教会を破片から組み直したためだそうだ。

この修道院で珍しいのは2つあるそうで、1つは今も現役の修道院はこことエチミアジンの2ヶ所のみだそうな。。。
今現在の修道士達は、付近の何の特徴もない普通の建物内で生活しているそうだが、お祈りなど宗教活動はもちろんこちらでするらしい。

もう一つは聖母教会内部にある1つのハチュカル。
十字架しか彫られていないはずのハチュカルに、キリストなどの聖書の物語が十字架を囲むようにして彫られているという、アルメニア唯一の珍しいハチュカルが現存している。


修道院見学後、麓の観光客用レストランでセヴァン湖を眺めながら養殖鱒の塩焼きでの昼食。

セヴァン湖を眺めながら、ご当地の名物での食事は最高。
昼食を終え、今回の観光のハイライトであるタヴシュ地方の2つの修道院を見に行った。


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