ガルニ神殿とゲガルド修道院②

ゲガルド修道院は岩山をくり貫いて造られたいわゆる岩窟修道院。

ガルニの村から車で丘を登り、渓谷を走りぬける途中にある。

ゲガルト修道院入り口の駐車スペース近辺には商店やら屋台が並び、僕を手招きして「買っていけ」とうるさい。

修道院の周りを覆う岩山にもポコポコ穴が掘られていて、書庫や礼拝所などがあった。

ゲガルト修道院は岩山を掘りぬいた洞窟の修道院を教会建築でフタをしたような造りの修道院。

入り口上部には豹(架空の動物?)2頭が争っている見事な彫刻レリーフがある。


内部は洞窟なのでもちろん灯りはなく、内部に入るとまず暗闇。

天井屋根部分にある穴や縦長の窓から一応外光は入るのだが、それでも最初は目が慣れるのに時間がかかると思われる。


僕は懐中電灯を持ってきていたため、暗闇に困ることはなかった。

ガルニ神殿の観光客は僕を含めて4人くらいしかいなかったが、なぜかこの修道院は団体や小学生のツアー、観光客が多く賑わっている。


ガイドがいないため、修道院のあらましとかがよくわからない。
わずかに知っていた予備知識では、洞窟を覆う教会建築は13世紀の建築。
「ゲガルド」とは「槍」という意味で、キリストの右脇腹を貫いたとされるロンギヌスの槍を収めていた修道院だったとか。

現在はアルメニア正教の総本山、エチミアジンの聖堂に収められているというが、ロンギヌスの槍と呼ばれる槍は、確か昔にウィーンの博物館でみたような気がする。

アルメニアは世界で一番最初にキリスト教を国教とした、という国だから、アルメニアにあるロンギヌスが本物なのかもしれない。

内部はひんやり涼しく、天井を支えるためか太い石柱が4本立てられていた。内部はいくつか部屋があり、礼拝所や広々としたホールがある。

洞窟内部は想像していたより随分と広い。いったい何人の人たちが何年くらいかけて掘ったのだろう。

書庫のような部屋には、お互いの首をロープでつながれた丸顔の豹(架空の動物?)と、中央に羽を広げた鳥の大きな浮き彫り彫刻レリーフがあった。

いつの時代に、またどういった意味をもって彫られたものか不明だが、迫力を感じさせるリアルなレリーフだ。

アルメニア正教においては、ロシア正教のようなイコンやビザンチンのようなモザイクなどは存在せず、カトリックのように聖母などを描いた祭壇画が礼拝所に1枚あるのみ。


ゲガルト修道院の脇には渓流が流れる日本の山奥と似たような風景が見られる。橋が架けられていて、ゲガルト修道院を離れたところから眺められるパノラマポイントがある。

一応写真を撮ってみたが、修道院の全景はうまく撮影することができなかった。


1時間くらいかけてゲガルド修道院に滞在、のんびり観光してエレヴァンに帰る。


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