ガルニ神殿とゲガルト修道院① アルメニアにある世界文化遺産のひとつ。 神殿と修道院はまったくの別物ですが、比較的近い場所同士にあるため一緒に登録されてしまったようです。 この2箇所は車とドライバーをチャーターし、エレヴァンから約4時間ほどの旅程でした。ガイドはなし。 先に訪れたガルニ神殿は入場料1000ドラム。 国内に唯一残るヘレニズム文化の神殿、というのがこの神殿だそうだ。 テーブル状の切り立った崖の上にポツンと建っている、パルテノン神殿みたいな列柱を持つ小さい神殿。 はじめに見たとき、 「何コレ?」 と思った。 神殿自体が小さいし、内部の石室は祭壇みたいな所はあるものの、がらんどうで何もなし。 ショボい! これがホントに世界遺産か?と、正直思った。 どこかに面白い発見はないか?と、神殿をくまなく見てみようとしていると、入場券売り場のおじさんが寄ってきた。 「お前に見せたいものがある。ビザンチンのモザイクだ。これはすごいぞ!」(英語) どうやらおじさんがガイドをしてくれるようだ。 「神殿を組み上げている、この石を見たまえ。凄いだろう、この石の間にはカミソリ一枚入る隙間もない。もっと凄いのはこの神殿の石の80%が創建当時の石のオリジナルで残っているということなんだ。見てごらん、石の色が違うだろう?」 あ、確かに・・・ 列柱の上部天井には壁画彫刻が施してあり、 「あれがアルメニアの神の像だ。この神殿はミトラの神殿なんだ」 ミトラ?ミトラってどっかで聞いたことがあるような。 「キリスト教の前は、どんな神がいたの?」 尋ねると、 「いっぱいいたよ!アラ・マズダとか」 アフラ・マズダのことかな? 「ゾロアスターですか?」 「何ソレ?」 まぁいいや。 神殿の石と石を繋ぐ鉄も見せてもらう。 これもオリジナルだそうだ。 おじさんは神殿の脇の赤い石が組まれた廃墟を指差し、 「見たまえ、これは教会の跡さ。神殿の横に建てられたのだ。あっちのグレーの廃墟は古い王の住居だったんだ。近くに行ってみようか」 なるほど、おじさんの話聞かなかったら、そんなに古い遺構だとは思わなかっただろう。このおじさんのガイド、面白い。 王の住居から見える崖下の景色は圧巻。眺めのいい所に住んでたんだな。 「あの崖の岩が見えるかい?爪で引っ掻いたような削れ方をしてるだろう?神殿と王の家はあの石を切り出して運んだんだ!今たっている歩道の石もその時代に舗装されたまま残ってるんだぞ」 本当か??だって崖下200メートル以上はあるぞ。川まで挟んでるし。 ここでいよいよビザンチンのモザイクタイルを見に行く。 小さな小屋に案内される。 円筒形の筒のようなものがタケノコのように地面から何本も立っていて、昔の床が少し残っている。 「昔のセントラルヒーティングだよ」 なるほど、ローマ・ビザンチンの影響だ。 その奥に青がよく残っているモザイクタイルの床があった。 なるほど、これは確かにすごいものを見せてもらった。 ガイドが終わるとお約束、お金頂戴、だ。 相場がわからなかったけど、とりあえず入場料と同じ1000ドラムを渡した。僕としては1000ドラム以上の価値がある、面白いガイドだった。 やがて僕一人だった客も、大勢の小学生たちのツアー客がワンサと押し寄せてきた。 「次はあっちのガイドだよ」 と、おじさん。 「忙しいね」 と返し、僕もゲガルト修道院に向かった。
あるめにあ 駱駝シァンズさん、こんにちは! あぁ、またどっかあまり知られざるところにいらっしゃったんだ。 内容も細かそうだし、もぅついていけないと思っていましたが、ちょっと拝見するとまた面白そうでした♪ 宗教の話も絡んでくるんですね。 また、どのようにして行ったか、どういう思いで行ったかというようなこだわりがあって面白いです。 石造建築の最高傑作がアルメニアにあるのですね!? 「石と石の間にカミソリ一枚入る隙間もない」ような造り。 これはカンボジアのアンコールワットの建造がそのようだったと見聞していますが、何か関係があるのでしょうか? 現地で現れたガイドさんの説明の話は臨場感がありました。 私もエジプトの遺跡でそのような経験をしてきましたが、教えてもらわなければわからないような要点を教えてくれるのでありがたかったです。 チップ(料金)も上手く渡せた時はうれしいですが、私は一度はこれっぽっち!?という素振りをされたことがあり。(でも演技だったかもという疑いも...?) タケノコのようなセントラルヒーティングってどんな様子なのでしょう。 レポートも続きを楽しみにしています。 文章だけではわかりにくいところもあり、出来れば写真も希望♪
Re: あるめにあ 最近は旧ソ連の国々を旅行するほうがあらゆる面において面白く、西ヨーロッパの有名観光諸国の旅行ではあまり満足いかなくなってきていますね。 アゼルバイジャンなどに比べて、アルメニアという国の知名度はモルドヴァ並に低そうです。事実、僕の周りの人たちはもちろん、今回応対した成田空港の職員でさえ知っている人がいませんでした。 世界最高の石造建築、かどうかはわかりませんが、アルメニア石造教会というのはとにかく古い時代に建てられています。 4世紀、5世紀などの時代に立てられた石の修道院、教会がいまだに現存しているのですから驚き。世界最古の木造教会、ウルネス教会でさえ12世紀なので、知名度はなくてもある意味神秘の国です。 >内容も細かそうだし いえ、今回は細かく書く気は全くないのです。 いつもは文章を練り上げて考えてから書き込むのですが、一番最初に書いたトピックの文章がかなりの長文になってしまったため、思いっきり簡素に書き直してみました。 マイナー国の旅行記な上、長文だとなおさら誰も読まないだろう。 とも考えましたので。 ガルニ神殿の石組みに限らず、教会や近代建築等のアルメニア石造建築は、いずれもカミソリ一枚入る隙間もないくらいキッチリ積み上げられています。 アンコールワットに行ったことはないので、詳細はわかりませんが、僕はインカやアステカ時代の石造建築が同じようなものだったと記憶してます(いずれも訪れたことありませんが) そう考えるとカミソリの件は結構よく聞く話ですが、ガルニ神殿の場合、紀元1世紀の建造というその古さに価値があると思われます。 アルメニアの写真のほうは、ボチボチ出していきます。 すぐは無理ですが。