05/09/01 00:59

フラマン語

そもそもフラマン語というオランダ語とは別の言語があるわけではなく、フランドル(ベルギーのオランダ語圏、フランデレ)に広く通用する地域スタンダードがあり、これがオランダ(広義のホラント)に広く通用する地域スタンダードに対置されているわけです。両者はオランダ語あるいはネーデルラント語Nederlandsという名称で一つの言語として扱われます。

フランドル・スタンダードではgは日本語のヒで発音されます。これはテレビやラジオのアナウンサーの発音を聞いていてもあきらかです。オランダ・スタンダードではochocientosさんが書いておられるように喉の奥で作られる摩擦音です。

地域差はフランドルでもオランダでもそれぞれありますが、わたしが指摘しているのは広域スタンダードレベルのことです。

カナ表記が難しいというのは以前も別の方とのお話で出ました。明らかな間違い表記も時々見受けられますが、大筋ではわたしも簡単ではないと思います。さらにフランドル、オランダ以外の地域ではオリジナルの発音が浸透していることはあまり期待できないので、フランスやドイツで切符を買う時は、紙に地名を書いて求めた方が確かに無難な気がします。

ただしこの場合も、ブリュッヘ(ブリュージュ)、レーベン(ルーヴァン)、リエージュ(ライク、リュティヒ)などはオランダ語、フランス語、ドイツ語でそれぞれ表記も発音も違うので、切符を買う場所によっては紙に書いても簡単に行かないかもしれません。

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2件のコメント

  • 退会ユーザ @*******
    05/09/22 20:03

    ベルギー、オランダと聞き比べてきました

    ベルギーからオランダへ抜け、gの音を聞き比べてきました。確かにベルギーでは、gの音が非常にソフトです。これまで私がいた環境は、ベルギーといっても各国から人が集まる、いわば閉じた社会で、地元のベルギー・フラマン語圏の発音を聞く機会はあまりありませんでした。

    それでも、van Goghの発音をフラマン語圏出身の同僚に発音してもらったところ、摩擦音に聞こえ、このあたりは個人差もあるかもしれません。

    オランダでは、ロッテルダムでもまだ、ソフトなg音に聞こえます。デン・ハーグやアムステルダムとなると完全な摩擦音です。
    PP&Mさんのご指摘は非常に勉強になりました。ありがとうございます。

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  • 退会ユーザ @*******
    05/09/02 02:19

    Re: フラマン語

    大変明解なご指摘ありがとうございます。

    確かに、悪徳翻訳会社のなかには、クライアントの知識がない場合、「フラマン語」を何か特別な少数言語として、オランダ語の数倍の値段をふっかけるところもあるそうです。

    私のベルギーの仕事先では、ベルギーの人々のgの発音が、それでもやはり、のどの奥から発せられるように聞こえます。しかし、そういわれてみれば、摩擦の度合いはアムステルダムで耳にするのよりソフトに思えます。次回行くときに確認してきます。

    ベルギーに限らず、ヨーロッパの地名は言語によって異なるので複雑ですね。ベルギーの場合はその複雑さが顕著に出ている好例だと思います。アーヘン近郊に住んでいる友人の両親など、リエージュといっても分かりません。「リュティック(ドイツ語で語末の-chを-クと発音)」と言ってようやく理解してもらえます。アーヘンからリエージュまでタリ(ス)でひと駅なのに、言語の距離を感じます。

    隣国の駅からベルギーの駅まで切符を買う場合、窓口の係員が英語に堪能であっても、母国語に引きずられる可能性もあり、一筋縄では行かなそうですね。

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