銀川から寧夏回族自治区を走り抜ける -大黄河をめぐる旅2

煙台で中国入国して大連から大同までが1194㎞、大同~銀川870㎞~500㎞~甘粛省蘭州までが1370㎞、船を入れると約2800㎞を5日間にして走り抜けたことになる。
自分なりにも行きあたりばったりで良くここまで来た。大満足だ。
さて次はどこを目指すか??
元々、旅行プランをHPでみなさんに公開した段階では、フフホト、パオトウ(包頭)で引き返すことになっていた。
しかし、実はさらに中国の内陸部(注:西域や奥地は考えていない)まで足をのばす野望があったのだ。
行けるかどうかは、行ってみないとわからない。
その第一歩が、今到着した寧夏回族自治区の銀川まで来ることで、大同到着とゲットしたこの銀川行きチケットだった。
 では、何故次の行き先が蘭州なのか?
それは、昨日買った中国鉄路時刻表と大同の本屋で買った『中国公路管運里程地図冊』(省別道路地図・高速公路地図)を決めたのだ。
理由1:銀川から陝西省宝鶏までの鉄道を考えていたが、列車の本数が少ない
理由2:蘭州までの高速道路がある→昼間の高速バス利用が可能

では、銀川に降りた理由は、寧夏王陵があるらしいくらいだった。(汗)

さて砂漠の真ん中の銀川火車站の改札を出た。

客引きをする人たちがウイグルの人たちのようだ。
みんな良く日焼けしている。
都会の人たちの顔と違う。
客引きの群れをかき分けてとりあえず公共汽車に乗ることにする。
ちらっと、目に入ったのが現地旅行社の「寧夏王陵旅遊30元」の宣伝文字。
次に来た時には、行ってみようくらい。(次また来るのか!・・・)

バス停らしきものが見あたらない。
少し歩くとバス停があったが、系統図を見てもさっぱりわからない。
マイクロバスがやたらと多い。
ここで昨年の山西省のバス旅行の経験がよみがえる。
当たって砕けろ。
もう一度火車站 方向へ戻り、道路を渡ってやってきた1路表示のマイクロバスの車掌に声をかける。
「銀川長途汽車站!!」
一瞬彼は首をかしげたが、(車掌は少年!と見えたが、そこそこの年かも知れない)、乗れという。
だから乗った。(笑)
「多少銭?」「リャンクァイ!」
2元?高いなぁ。でもガイドブックには、火車站(新市街)と旧市街はかなり離れているという。
まだ時間も早い。
ここは運に任そう。
 これでも公共汽車(公営バス)だ。
車掌の彼は、バス停が近づくとドアを開けて身を乗り出して客を呼び込む。
かけ声は「ラララララララ!」
客がいるとバスを止め、怒ったような顔で客を指定した席に座らせる。
彼は、バス代の紙幣の束をを手に握りしめ、客から運賃をもらう。
時々、札束を並べ替える。
だから、彼は、コインを嫌う仕草をする。
地方では、やはり紙幣が流通する理由がここにある。
中国の地方では、このような車掌のいるバスがまだまだ多い。
これも慣れると便利だ。
しばらく、彼と乗客と道路沿いの人たちを熱心に観察することにした。
果たして、無事長途汽車站にたどり着くかどうかは二の次だ。

道路は、片側2車線の広いきれいな道路(銀新北路)。
公共汽車はぶっ飛ばす。
時間はちょうど出勤時間。
ただし、後で考えるとこの日は日曜日。
結構女性客も多い。
その彼女らが美しくまぶしいのだ。
髪が黒髪で、髪を頭の後ろで無造作にくくっている。
ズボン(パンツ)姿が多いが、すっと伸びた足がかっこいいのだ。
それでも、それぞれおしゃれはしている。

そんなことをしているに、バスはずいぶん直線道路を走り続けたと思う。
市街地にバスは入っていった。
しばらくすると、バス停でもないのに、車掌の彼がバスを止め、突然ここで降りろと言う。
ちょうどロータリーと公園のようだ。
少々うろたえて「汽車站?」としろどもどろ。
それでも、彼は、バスを降りたみなみやまに再度、無言で建物を指さしてくれる。
バスはそのまま、発車した。
良く、建物を見ると銀川汽車站の文字が見えた。
遠くには鼓楼の姿を見ることができた。

さて、次は蘭州行きの高速バスがあるかどうかだ。
とりあえず、銀川長途汽車站の薄暗いがらんとした建物の中に入った。













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1件のコメント

  • 続・銀川から寧夏回族自治区を走り抜ける -大黄河をめぐる旅3

    銀川長途汽車站の中。

    時間は朝8時前。
    售票処の窓口のうえには大きな時刻表。
    蘭州の文字がある。時間は8時半。
    おっと、と窓口に。
    窓口の女性も8時半といったが、100元札を差し出す。
    で、出てきたチケットは9時発。
    両方ともおやっと思ったが、彼女も時間を訂正したようだ。
    まずまず成功だ。
    時間がまだ十分あるので、外に出てあたりを探検する。
    といっても、初めての土地なので、下手に遠出は出来ない。
    ロータリーの公園を歩いて、鼓楼をもう一度見、人の流れに沿って歩いてみる。
    比較的高そうな賓館があったので中に入ってトイレを拝借する。
    そのあとは、何気ない顔をしてロビーで一服するのだ。
    冷房が効いていて涼むにはいいところだ。
    ドアボーイやメイドが不審な顔をする時もあるが、その時はさりげなく英語の単語を発して、外国人だと言うことをアピールしておく。
    これで、無問題だ。(笑)
    しばらく休んで、今度は、汽車站の出口から駐車場へ何食わない顔をしてはいる。
    朝食用に食べ物を買う。
    すると、どうも蘭州行きのバスがある。
    新しそうなバスだ。
    少々安心する。

    さて次は侯車室へ。
    ここで土産物を冷やかしたり、自分用のお茶を入れたりして時間を潰す。
    乗客の様子も観察する。
    ずいぶん、乗客の様子も違う。
    中国系もモンゴル系も少なくて、やはりウイグル系の良く日焼けした人々が多かったように思った。
    次に、どんなバスか偵察することにする。
    時間は早かったが、改札のベテラン女性にチケットを見せ聞いてみる。
    この辺は、お上りさん風に(ここは中国の砂漠のど真ん中の田舎だが)甘えてみるのだ。
    彼女たちは鉄道の女車掌と同じで疳に障るとこわい女性に変身するのだが、
    とても親切に、わざわざ離れた場所のバスの前まで連れていってくれた。
    ありがたい。
    予想通り、バスはヒョウのマークの付いた新型の中国製大型バス。
    トイレ付きだ。
    しかし、たぶんこのトイレは使用はしないだろう。(?)
    回りの中国の地方の主流のイベコバスやマイクロバスと比べるとずいぶん目立つ。
    他にも数台このバスが見られるが、少数派だ。
    運転手に、チケットを見せてアピールしておく。
    チケットをよく見ると座席指定だ。
    (チケットの「快客」は高速バスまたは上級バスの意味のようだ。)
    あとで、ミネラルウォーターを1本サービスでもらったのには驚いた。

    時間と共に、乗客が集まりだし、満員となった。
    よく考えると、中国のバスは満員になるとチケットは売ってくれない。
    窓口で「没有!」の声が返ってくるだけだ。
    早く、チケットを購入していて良かったとあとで思った。

    蘭州行き快客バスは銀州長途汽車站を出発した。
    まさに、未知の土地への出発である。
    少々緊張と興奮を覚えた。



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    銀川から甘粛省蘭州まで快客バスの旅 -大黄河をめぐる旅4

    『中国公路管運里程地図冊』によると、銀川~蘭州はちょうど500㎞。
    どこまで高速道路があるのかは不明。
    すでに何度か旅行記で触れたが、中国の高速公路(高速道路)の建設スピードは速い。
    計画目標を超えているところも何度か経験した。
    しかし、突然高速公路が切れることもしばしば。
    こればかりは、運を天に任せるしかない。
    銀川を出発した快客バスは、すぐに高速公路にはいる。
    高速公路は、乾燥砂漠地帯の中を快調に飛ばす。
    とにかく、道路は真っ直ぐ荒野の中を・・・・。
    とにかくずっと遠方まで何もないのだ。
    何とも言えない感動的な景色。(表現力のないことにご容赦を)

    通行量が少ないので、それでも時々トラックを追い越す時はスピードがおちるが。
    何度かこれまで書いたが、中国のトラックは、旧式のものが多い。
    そのトラックに荷物を満載して高速道路を走る。
    そのトラックは、追い抜き車線を走っていても決して後続の車に道を譲らない。
    これは現代中国らしい風景だ。
    しかし、絶対交通量が少ないのでバスは、クラクションを鳴らしながらトラックの列を追い越していく。

    2時間半を経過したところでバスはトイレ休憩。6時間あまりの行程のうち、トイレ休憩は、もう一回だけだった。
    このサービスエリアもまだ建設中。
    当分このままかと。

    高速道路の建設スピードの速さが推し量れるだろう。
    利用者にサービスを提供するという発想はまだここにはない。
    仮設トイレだけが、形ばかりに。
    しかし、バス交通は、高速道路の建設にあわせて、路線を拡大していく。
    料金も鉄道に比べ高く設定できる。
    山東から始まったという高速バスのサービス競争は、福建の高速でも経験した。内陸の、この地域にも早くも広がっている。
    例のミネラルウオーターサービスだ。

    一人の女性が桃を売りに来る。
    小粒の桃。
    それを買う中国人もいれば触ってみて一言二言言って買わない客もいる。
    また、桃の籠のあるところまで行ってやりとりしている人もいる。
    そんな彼らの様子をしばらく眺めていた。

    快客バスは時々インターを料金を払って外へ出る。
    そこで、乗客を降ろし、そして新しい乗客を乗せる。
    客はバイタクやタクシーでインターまでこなければならない。
    そして、再びバスは、インター入り口から高速道路へ戻る。

    ところが、3時間を過ぎてバスは、インターを出たまま高速へは戻らなかった。
    振り返ってよく見ると高速道路はこの先は工事中でここまでだったのだ。
    高速公路がすでに開通している蘭州の手前の白銀市まで、国道109号線を
    ひたすらバスは走った。
    しかし、この間の道路周辺の風景が今でも忘れられない。
    「寧夏回族自治区」「回族 回 huí 人口 人口約860万人。
    唐の時代に移住したアラビア人、ペルシア人が源流。
    http://www.allchinainfo.com/ethnic/hui.html」『中国まるごと百科事典』から引用。
    (サイト内の文章などを引用・利用された場合は、情報ソースとして『中国まるごと百科事典』の名前とURL:http://www.allchinainfo.com/ をお入れ下さい。)
    国道は普通の農村地帯の中を突き抜けて行く。
    灌漑によって出来た村々。
    バスは時々、スピードを落としてクラクションを鳴らす。
    追い越すのは、決まってスピードの遅いトラックターだ。
    運転は、男。
    決まって荷台には女性。
    赤銅色に焼けた肌だが、それなりに女性は美しい。
    回族の人たちだ。
    あちこちで市が開かれている。
    快客バスと一クラスうえのバス乗客。
    明らかに、ギャップがあるのだが、そこには回族の人たちの生活の場があった。