7) エトルタ(その2 アルセーヌ・ルパン Arsène Lupin) (日本のアニメ、ルパンⅢ世とは違います。念のため。) ここエトルタは、怪盗アルセーヌ・ルパンの小説「奇巌城」の舞台となった場所で、小説に出てくる海の上に突き出た岩峰が鋭い。 ガイドブックには、岩のアーチだけが写っている写真が多いけど、アーチと岩峰の両方写った写真を出してほしいと願うものです。 近くに、作者モーリス・ルブランの家をルパンの家として内部を秘密めいた感じに改造して公開しているのがあって、それなりに楽しめました。 ルパンものは20弱ほどのシリーズがあるようで、今でも本は絶版ではないらしく、ルパンの家では1冊5ユーロで各巻販売されていました。 「奇巌城」は、シリーズの中でも、良くできた作品の一つだと思います。 「青空文庫」というところが著作権の切れた小説をネット上で公開しているので、もう一度読んでみようと思われる方は、以下で読んでみてはいかがでしょうか。 http://www.aozora.gr.jp/cards/001121/files/46187_23055.html 菊池寛が子供向けに抄訳したもので、現代語に変換されていて、短時間で読めます。中に出てくる17歳の中学生というのは、戦前、旧制中学のつもりで訳したのでしょう。 今なら、高校生で、原文を見ていないけど、フランスではリセの生徒 lycéen だろうと思います。 菊池寛は、英文科出身で、使った底本は英訳されたものだろうと言われています。 仏語では、ルパンは、リュパンになるのですが、現在は訳本の影響か、ルパンと言うのが本家の言い方だと信じている人がほとんどでしょう。 英語直読みでルピンにならなかっただけでも、せめてもの慰めでしょうか。