Re: 沿ドニエストル共和国についての質問

僕の事例はほんのちょっぴり特殊といいますか、警官につけ入る隙を与えてしまったといいますか・・・

ウクライナ国境にいる警官は、英語が通じます。

キシニョフからオデッサに抜ける場合、列車、バスどちらの利用にかかわらずどうしても沿ドニエストル共和国を通る必要がありました。

僕の下調べにおいては、この陸路国境、想像していたよりも相当やばいところらしく、当初オデッサ行きはやめて別ルートも考えました。

しかしキエフまで直接行ってしまうのはもったいないし、他のウクライナ諸都市にも用事はなく、結局オデッサ行きに決めましたが。


当初、列車での通過を考えましたが、キシニョフ出発前日に鉄道駅まで行き切符の手配にいくと英語が少しできる職員が、

「(運行するか?)わからない。明日来るように」

と言われ、鉄道はあきらめました。


で、バスですが、肝心のオデッサ行きバスがバスターミナルに存在せず、周りの人々は口を揃えて「セーヴェル、○○○」と言ってくる。

北にバスターミナルがあるのか、警官に尋ねるも知らんとおっしゃる。


ルートを考えた結果、ティラスポリ行きのバスに乗り込み、そこからオデッサ行きバスに乗り込めばいいと考え、実行しました。

沿ドニエストル共和国入国に関しては問題ありませんでした。
観光かトランジットか聞かれ、入国税10レイくらい支払います。
国境で渡すように、と青いハンコが押された小さい紙をもらう。
英語は通じました。


ティラスポリ到着後、警官にモルドヴァ出国スタンプがないとのことで罰金ワイロ取られましたが、オデッサ行きバスのチケット手配はしてくれた。(10ドルというぼったくりで)

断ってもよかったんですけど、ティラスポル駅構内のバス切符売り場では切符を売ってくれなかったし、バス内で切符を売っているかどうかもわからなかったので承諾。

ウクライナ国境においての荷物検査において、所持していた胃薬の錠剤が引っかかる。

警官に麻薬取り締まり室に引っ張り込まれ、厳しい所持品や所持金検査の後「これは麻薬だろう」「これは間違いなく麻薬だ」「お前は国境で重大な問題を起こした」などと怒鳴りつけられ、厳しい尋問が2時間以上始まる。

反論は無駄。最後には「お前はキシニョフのプリズンに20日間入ることになる」といわれ、こちらは顔面蒼白。

「ちょっと待ってくれ、刑務所だけは勘弁してくれ」

としつこく頼む。

やがて警官の一人が部屋から出ると、もう一人の比較的おとなしい警官が僕の所持金から器用に100ドル札だけ4枚すべて抜き取り、

「コレで何とかしてやる、荷物をまとめて急いで静かに出て行け」

パスポートを返してくれ、と要求すると、全然別の警官が持っていた。

この警官も「モルドヴァ出国のスタンプがないぞ」とまた言われる。

「沿ドニエストル共和国で青いハンコの紙をもらったが?」

「あれは関係ない」

「でもモルドヴァ出国の際はハンコなど押されなかったけど?どこでスタンプもらうの?」

「そんなんしらん。キシニョフに戻ってから考えろ」


結局足元見られて100ドルとられ、解放される。
バスはとっくに行ってしまっていた。

なんだかんだでウクライナ側国境でもすんなり入国スタンプはもらえず、別室に連れて行かれる。

その部屋ではアルメニア人が僕と同じように激しく尋問されている異様な光景。警官の怒鳴り声を聞きながら40分以上待って、ようやくウクライナ入国スタンプを押してもらえました。



国境通過の経緯はこんなところでしょうか。
結局500ドルくらい取られたんですかね。
まけてくれ。とか言ってる余裕はありませんでした。


かなり話が長くなってしまいましたが、僕のケースの場合、ワイロ要求をされる以前に刑務所送りをちらつかせ、ワイロを拒否していたら本当に刑務所に送られていたと思われます。

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1件のコメント

  • 詳しい説明ありがとうございます

    こんばんは。詳しく教えてくれてありがとうございます。ゆっくりと読ませていただきました。

    キシニョウからオデッサに抜けられると楽なのですが、やっぱりこのルートは問題ですね。沿ドニエストル共和国自体に興味が無いのであれば、このルートをはずすべきですね。

    しかし胃薬を麻薬とは・・・。それにしてもすごい因縁のつけられ方ですね。どうやっても賄賂を取られること必至と見受けました(タバコを持っていただけで「これはマリファナだ」とか)。
    国際社会の中ではモルドバの一部でありながら、実質的には独立国家として機能している沿ドニエストル共和国。管轄の在ウクライナ日本大使館の影響は全く及ばなそうですね。何かあっても大使館の助けは期待できないというか。まさに無法地帯ですね。

    2点確認したいのですが、モルドバを出国する際には、出国手続きのようなものがあって、スタンプをもらえるような状況だったのですか?
    あとウクライナに入国した際にバスはもう行ってしまったとの事ですが、その後オデッサまでの交通手段はどうやって見つけましたか?

    時間があるときにでもお答えいただけると嬉しいです。どうもありがとうございました。

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    Re: 詳しい説明ありがとうございます

    モルドヴァ出国の際、といいますかキシニョフでティラスポリ行きバスに乗って、小一時間ほどで沿ドニエストルの国境(といいますか入り口)で、そのまま沿ドニエストルの入国手続きに入ってしまいます。

    モルドヴァは未承認の国ですので、沿ドニエストルの入り口がモルドヴァ国境ではない、という建前でしょうか。

    よってモルドヴァ出国スタンプは、少なくともオデッサ、ティラスポリ行きバスに乗ってしまったらもはやもらえません。どこでもらえるかは謎です。



    ウクライナ国境を脱出した方法についてですが、ウクライナ側の国境で入国スタンプをもらった後、再びやってくるであろうオデッサ行きバスを待つことにしました。

    ところがおぞましいウクライナ警官が1人寄ってきて、

    「ここで何をしている?」

    と、あんたたちが足止めの原因じゃないの?

    と思いつつ、オデッサ行きバスを待っている旨を伝えると、

    「それなら彼が連れて行ってくれるぞ」

    と、一人の男を紹介されました。


    俗にいう個人営業の白タクです。

    オデッサまでいくらか尋ねると、「40ドル」と返ってきました。

    もうちょっとまけてくれ、と値段交渉するも、肝心なところで英語を理解してくれない(フリしているだけかも)

    警官が、

    「彼はナイスドライバーだぞ!」

    と、うれしくないお墨付きをいただく。

    とにかくこの恐ろしい国境から早く脱出したかったため、40ドルで手を打ち、白タクでオデッサに行きました。

    オデッサは渋滞がすごく、白タクの男はイライラしてましたが、ちゃんとオデッサまでは送り届けてくれました。