07/04/09 18:59

今は米ドルとユーロとを分けて考える必要があります

世界の基幹通貨は、ポンドが凋落した後は、米ドルだけを考えていれば良かったのですが、今やユーロが力を付け、米ドルの地位を脅かすまでになっています。これにかつての世界の覇者であり、経済が好調なイギリスのポンドを加えて基幹通貨を形成しています。

日本人はどうしても対米ドルとの関係しかみていません。これは、外務省が北米局しかないかのように米国だけとの関係を重視し、政権党も、日米同盟が全てと言い切っていた前首相や彼を操っていた学者もどきの元代議士に代表されるように米国の方しか見ていません。しかし、その間にEUが発言力を増し、無謀な統合とも言われた通貨統合にも成功し、ユーロは米ドルに対しても登り調子で強くなっています。米国は他人の金でキリギリスのような生活をしていて、住宅バブルが弾ければ米ドルが暴落すると言われながらも意外にしぶとく生き延びています。しかし、世界で一番嫌われていると自虐的に言うエリートが多いように、米国の世界支配も変化しようとしています。相対的には米ドルは地位が下がっていますが、日本円も同じように下がっているため、円安という意識が低い。マスコミや政治家が意図的に避けている点もあるのでしょうが、海外では円安とはっきり規定しています。

一方、欧州は経済が好調で、しかもこれと言った政治的脆弱性も見られません。旧EU加盟国からここ数年の間に一気に参入国が増えましたが、これも順調に行っているようです。要するにユーロが下げる要因が少ない。唯一あるのがユーロ高による輸出へのマイナス面でしょう。一方、円のほうはゼロ金利から脱却したとは言え、超低金利状態は変わらず、政権党のなかは低金利維持が主流です。当面、この流れは変わらないでしょう。さらに、この国の財政は破綻寸前で(福祉切り捨ての口実に使われているという側面もありますが)、借金を雪だるま的に増やす金利上昇をさせたくないという意志があるのも事実です。これに輸出産業は重要な票田であるという点も加わります。

このように、円が米ドルに対しては上昇する可能性はあるものの、ユーロに対しては上がる要因が見あたらない。対アジア通貨に関しては、難しいのですが、少なくともユーロに関しては戻しは当面ないと思われます。村上ファンドでは大騒ぎしたのですが、今の総裁がユーロを危機分散として持っていたほうが、彼の立場上問題だと思うのですが(要するに、円に対し先行き悲観的)。

ただ、一般庶民には為替レートの変動は予測できないし、例えできたとして、一儲けしたくて投資するだけの金がない(危ない方法はありますが)ため、悩んでも仕方ないと思います。政治の裏を知る人は、それをやっているのではないかという噂は絶えないのですが。

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1件のコメント

  • 勉強になります~!

    普段はボンヤリ生きてますが(^^;
    せっかく海外に行く機会がある時ぐらいは
    世界について学んでから行くべきですよね。

    あとお馬鹿な質問で申し訳ないのですが
    どうして英国はユーロに参加しないのでしょうか?
    自国の文化を大事にしているからですか?

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    Re: 勉強になります~!

    まるまるまるさん

    私もここでボンヤリ生きています。
    まじめな答えでなくて、申し訳ないのですが、
    これも英国人を知るためと思ってがまんしてね。
    笑ってやってくださいな。

    本当は、英国は大嫌いなフランスやドイツなんかと仲良くしたくないのです。でも、EUに加入しないと世界から白い目で見られそうだから、イヤイヤ入ったのです。でも、経済まで共同体になりたくないと、ユーロ参加は拒否。

    又、かつては、世界の半分を保持していた(英国の学校では、今でもこう教えられています)英国の通貨を失くしてしまったら、英連邦の国に示しがつかない。それと、通貨として、ドルに負けたくないから。