フランス国籍取得の選択肢を持つ立場から

海外出産の技術的な話は他の方が色々されているので置いておくことにして、私自身がフランス国籍取得の選択肢を持つ立場(でも私は日本国籍を保持します)から感じたことを。

書類の上でフランス国籍を持つということと、文化的アイデンティティをフランスに持つ「日系フランス人」になることは、全く別物ですが、オードリーさんの場合は、お子さんにどちらを望んでいるのでしょうか?

もし日系フランス人になることを望んでおられるのだとしたら、現在日本に生活の拠点を置いておられるご両親のもとでは難しいのでは?東京にはフランス人学校がありますが(余談ですが、ここの子供たち、本当に行儀が悪い!)、一歩学校の外に出れば日本語・日本文化の環境になります。また、本来親子の間で継承されるべき文化を断ち切って、人工的にフランス文化を植えつけるのはいかにも不自然で、下手をすればお子さんがアイデンティティの危機に陥るかもしれません。

また、書類の上でフランス国籍を持つだけでよいのだとしたら、そのメリットは何なのでしょう?フランス国民になることは、権利と同時に義務を負うわけで、徴兵制こそ最近撤廃されましたが、納税(フランス人は海外での収入も申告義務があります)や高額な社会保障費(その負担率は日本のおよそ2倍になります)をはじめとして、国民の義務はてんこ盛りです。おまけに、近々行われる大統領選で(支持率トップをいく)ニコラ・サルコジが当選してしまった場合、国民の義務はますます強化されるでしょう。本当にフランス国籍者になるのが「得」ですか?

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