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05/08/25 23:48

15.ウルビーノ! そして前菜に出た黒トリュフ入りオムレツ

そして最後の訪問地は、行きたかったのに、立ち寄りにくくて行けなかったウルビーノ。
イタリア半島のアドリア海側の真ん中辺り、アンコーナの少し北にあるペーザロから、
バスで50分のところにある街なのです。

ウルビーノは、ラファエッロの生まれたまち、
賢者と言われたルネッサンス期の君主、フェデリコ・ダ・モンテフェルトロの時代に
繁栄し、素晴らしいまちづくりを遂げた小都市です。
ここのドゥカーレ宮殿は、華美なつくりではありませんが、
上品な美しさを極めた感があり、この中にピエロ・デッラ・フランチェスカの名画、
「セニガッリアの聖母」「キリストの苔刑」などが展示されています。

また、サン・ジョバンニ・バッティスタ祈祷所では、
14世紀に描かれた一連の美しいフレスコ画が見られます。

ラファエッロの生家も残っていて、公開されています。
中には、彼が15歳の頃に描いたと言われる、小さなフレスコ画もありました。

ここは、着いた日の半日と翌日の半日で一通り見て回れるので、
1泊でもよかったかも知れませんが、2泊したお陰でいいことがありました。
私が去った後の日曜に提督の祭り「フェスタ・デル・ドゥーカ」があり、
中世の衣装をまとった人々の行列が行われることは知っていましたが、
そのフェスタの開始が2泊目の日(木曜)で、
ドゥカーレ宮殿の中庭で、古典楽器のコンサートがあることが分かったのです。

4時からと書いてあったので、有料なのか無料なのか、人数の制限があるのかないのか
何も分からずにとにかく行ってみました。
コンサートを聴くには…まで言いかけたら、どうぞと無料ですっと入れてくれました。
でも4時からなのに、4時から準備を始めているような状態で、
始まったのは、5時近くでした。

古典楽器は、素朴な、ほっとするような音色でした。
いろいろな人たちが気さくに聴きに来ていて、
椅子に座れない人は、柱にもたれたり、砂利の上に座ったり。
子連れの人もたくさんいて、1人の3,4歳ぐらいの坊やが、
一番前の柱の横に腰掛け、音楽に合わせて、体をゆすったり、足を動かしたりしています。
ときどき振り向いて、後ろに立っている両親を確認し、
また演奏者の方を見ては体を動かしていて、とても可愛らしい光景でした。

スポレート、ウルビーノ共に山の中のまちで、
黒トリュフの産地です。
夏に採れるトリュフと言うのもあって、生のものを売ってもいましたし、
レストランのメニューにも黒トリュフを使ったものがたくさんありありました。
何気なくオーダーした、アンティパスト・ミストに、
生ハムやコッパ、チーズなどの盛り合わせと別盛りで小さなブルスケッタが4切れ付いてきて
そのうちの1つが、刻みトリュフ入りのオムレツを乗せたものだったときはびっくり。
運ばれてきたとたんによい香りがして、一番に食べたら、むふん、と鼻腔に香りが広がり、あ~あ幸せ。
南には南の、北には北の幸せがあるのでした。

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