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05/08/25 23:15

4.一番幸せでいちばん不幸だった日PartⅡ

それからが大変。その日の宿は、シチリアの西端、塩田の町トラパニなのです。
パレルモへ出て高速に乗るのがいちばん早そうなのですが、
パレルモ、カターニアといった都会は車が多く混み合う上に、運転も過激で、道も分かり難そう。
ということで、アグリジェントまでもどり、一般自動車道を海沿いに行くことにしました。

ところが、町から町へ走っているときはすいすいと進むのですが、
町へ入ると、案内表示が分かりにくく、道に迷ってなかなか町を抜けられないのです。
これを数回繰り返しているうちに、すっかり夜になってしまいました。

ようやく、トラパニの1つ手前の町マルサーラに入ったところで、
案内表示にしたがって右に曲がったら、道が2つに分かれ、案内表示はなくて、
ただ矢印だけが、両方に向けてついています。
適当に選んで進みましたが、それらしき道は一向に出て来ず、
もう10時を回って、人影も無い道で、通りがかりの車を止め、道を聞きました。
その道をずうっと行けばトラパニだよ、と教えてもらい、進んで行ったら
本来トラパニの町に入る前に、宿の方へ向かう通りが出てくるはずなのに、
それを見つけないまま、トラパニの町へ入ってしまっていました。
(私たちが通っていると思っていた道の裏道だったようで、町の終わりや始まりの表示もなかったのです)

地図を見たり、通りがかりの人(この町にはまだいました)に聞いたりして
やっと自分たちの位置を把握し、引き返そうとしたその道は、
8月第1金曜日の夜、バカンスに向かう車がフェリーに乗る順番待ちで大渋滞。

辛抱辛抱で、やっと渋滞を抜け、宿へ向かう通りを見つけ、この辺だ…
と思われる場所に、宿が見つかりません。探しても探しても…
宿は、アグリトゥーリズモ。市街地ではありません。郊外で夜中の11時半とあっては、人通りはおろか、車すら通りません。

最終手段です。灯りがともっている人家のインターホンを押しました。
犬が門の中でワンワン吠える中、2階のベランダから家の人が何事かと顔を出してきました。
事情を話すと、もっと奥だよと教えてくれたので、お礼を言って先に進みましたが、
それでもまだ見つかりません。
再び、人家をピンポン。犬が吠えるので、ご近所の人まで顔を出し、
みんなでワイワイと寄ってたかって、もっと先だよと教えてくれました。
(そのときは、必死だったけど、今になってみれば、こんな経験も面白かったと思っています。)

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