ドイツの特徴

まず、国民はほとんどドイツ語を喋ります。
北部ドイツ語は限りなくオランダ語に近く英語の
原型とも言われているので、英語は簡単に通じる
と思うと、これが意外に通じない。でも若い世代
では、英語を巧みに操る人も多い。

治安はかなり良い部類に入る。治安の良い所は、
住宅街が綺麗なことが多い。

交通の便は極めて良い。道路は勿論だが、公共交
通機関が整備されている。このあたりは、弱者に
も配慮した政策が伝統となっている。また、環境
に対する関心が極めて高く、行政もコストを惜し
まない。しかし、近年アジアなどのコストの安い
国に押され、輸出が不振であり、国内産業も空洞
化に晒されている。高度成長時代に向かい入れた
外国人労働者の問題も絡み、失業率が高く、福祉
切り捨てで財政再建を達成せねばならず、現政権
党が苦しい立場に立たされている。ユーロが先行
き不透明なのは、ドイツの不振が原因のひとつ。

物価は先進国なので一般には高い。しかし、やは
り本物の先進国だけあって、生活必需品は安く抑
えられている。イタリアと異なり機能とデザイン
が両立した製品が多い(イタリアは機能よりもデ
ザイン優先だと思っている)。食料品は割と安く、
レストランでは一人10-15ユーロで満足できる食
事が可能。ただし、感動するほどのものは少なく、
素材と味を考慮すれば、妥当な価格だと思ってい
る。本当に美味しいものを食べたければ、スペイ
ンやイタリアに行くべき。ビールは安く美味しい。
ワインは土地柄、ライン川とかモーゼル川流域に
限られるが、気候の厳しさを技術力で克服した良
いものも多い。最近は赤にもよいものが出てきた
が、やはり限られる。

ドイツ人の気質だが、やはり頑固であると思う。
真面目で、時間にも正確。だから電車の遅れも
少ないが、民営化後は増えたという説がある。
しかし、主要列車が遅れると途中から臨時列車
を出すことには恐れ入る。自動車は郊外では高
速で飛ばすが、市内ではかなりゆっくりと走る。
朝が早い。知り合いには、6時台に職場に着いて
いる人が少なくない。その代わり、帰宅は4時と
か。日本で夜、飲みに誘うと、「そんなに食べ
ると翌朝の仕事に差し支える。」と言う。
彼らにとって、朝の10時は、Guten Morgen.
ではなく、Guten Tag.らしい。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　演劇やコンサートが盛んで、国や地方の全面的
支援があるため、入場料は日本に比べ格安。
クラシックCD売り場には、老若男女がひっきり
なしに訪れる。活字離れが進んでおらず、日本
の通勤電車とは異なり、みな本を読んでいる。
だから教育程度は高くても良さそうなのだが、
移民の問題が国別順位を下げている。大学生は
エリートであり、大学は日本ほど誰もが行く
ようには大衆化していない。マイスター制度が
あり、職能教育も進んでいる。

環境先進国のくせに、たばこ対策では日本並み
の後進国。レストランでは分煙もなく、たばこ
の煙が充満することも多い。これは世界の七不
思議だと思っている。

真夏でも涼しい。よく革ジャンとかダウンジャ
ケットを着ている人に会う。乾燥しているので、
傘をさす人が少ない。だからなのか、破れ傘と
か骨折れ傘を平気でさす。　　　

元来が狩猟民族なので、強い。良く歩く。
海外にも出て行く。東南アジアで良く会うこと
が多いのは、経済力と行動力のためであると思っ
ている(タイでやけに多いのは気になるが)。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
日本と同じ敗戦国で、地上戦と空爆で破壊つく
された。歴史的建物も戦後の再建が多い。戦後
復興を遂げ、旧東側の吸収にも成功している
(まだまだしこりは残っているが)。
EUの目的の一つが世界大戦を起こさせないこと
であり、これにドイツが主要な役割を果たした。