通るのもあれば、通らない船も・・・。

読み返してみると、前回のレス、ちょっとお分かりになり難いかな、と思い、再度書き込みました。

「ツアー」と書かれているので、こちらも理解しにくい面はあるのですが、ゴンドラは、基本的に、最高で6人(子供が混じっていれば増やすことも許されていますが・・)までしか乗れない、グループまたは個人がその場、その時ごとに乗船契約する、観光船です。船の操縦する人(ベネチアの人々はゴンドリエーレと呼びます)には免許制度があって、その許可書がないと操縦することはできません(親子代々、職業として引き継がれて、免許制度を大切にしているゴンドリエーレが多いのも特徴です)。そして彼らの大切な船は、それぞれ、組合のような組織に属して、組合ごとの発着場を持っています。
発着場は、ベネチア本島の中にいくつもあり、つまり、組合はいくつもあって、その組合でまた、その発着場から出発して、小運河を巡るコースを決めて、組合員たちに守らせています。それが、各ゴンドラ溜まりごとの「基本コース」と呼ばれるものなのです。その基本コースも、その日の客の混み具合や出動しているゴンドラの数、増水(アクア・アルタ)の具合などで、微妙に変化するのはいつものことです。

結果、ゴンドラ溜まりによって巡るコースがそれぞれ異なり、冒頭の「通るものもあれば通らない船も」あることになるわけです。

ベネチアでは、ゴンドラに乗ることを、「ツアー」とは言いません。そう呼び始めたのは、私もよく知りませんが、多分、日本のパッケージ・ツアー会社が、せっかくベネチアまで来たのだから、二人だけで乗れば結構いい値段のゴンドラ乗船を、6人まで乗れるのだからツアー参加者で分乗することで手軽に楽しんでもらおうと、現地オプショナル「ツアー」と呼び始めたのが始まりではないかと思います。ちなみに、歌い手、奏者を伴走させて「セレナーデ・ツアー」と呼ばれる端緒を開いたのは、現地では、第二次世界大戦直後の、アメリカ人たちだと言われています。「アメリカ人はベネチアだかナポリだか区別がつかないもので、フニクリフニクラやサンタルチアなど、知っている歌を次々に歌わせた。その結果、ゴンドリエーレたちはベネチアとは縁のない歌を今も繰り返し歌い続けることになった」との冗談を、現地の人たちはよく旅行者に話して笑顔を見せます。

あなたは、「ツアー」はため息橋下を通るか、と聞いておられますが、もし、日本のパッケージ・ツアーに参加してのオプショナル「ツアー」のことでしたらば、パッケージ・ツアー会社に聞いて下さい。日本のパッケージ・ツアー会社のほとんどはまた、現地のミキ・ツーリストなどのツアー会社に下請けに出しているはずです。その現地のツアー会社ではどこの溜まりを使うか、もちろんわかっているのと、ゴンドリエーレたちは基本的に追加料金さえもらえれば、少々遠くの小運河も当然巡ってくれるので、交渉の余地は十分にある、ということになります。
個人で乗るならば、いうまでもなく、ユーロ次第で当然、好きなところを巡れるわけです。

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1件のコメント

  • Re: 通るのもあれば、通らない船も・・・。

    ヤスヒコさん 本当に詳しい情報をありがとうございます。実は予約しようと現地のいくつかの予約センター(日本でない)のサイトを見たところ値段がいくつかあって,問い合わせたところ、ほとんどのツアーが通らないとか本当に困惑していたところです。結局は値段や乗船会社との交渉次第なんですね。前もって予約をしようかと思っていますが、あまり高いお金はだせませんので、多分歌い手さん付きのゴンドラになりそうです。本当にありがとうございました。

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