その11 テレビに登場した賄い飯を そして夜は、またまたフランコの店へ。 フランコ初め、店の皆がもう昔からの馴染みのように微笑んで迎えてくれました。 今日は、プリモに鰯のミネストラ、 セコンドにズッパ・ディ・ペッシェを食べる話を決めていたので 前菜はなくてもいいと思いつつ、 昨日、あちこちのテーブルに運ばれていた生牡蠣が美味しそうだったのが忘れられず、 (一人前4~5個ついているのは分かっているけど)ちょっとだけ食べたいので 1人に2個ずつもらえるようにお願いしました。 そして、牡蠣が届きました。 2個ではなく3個ずつ。 店の人にしてみたら、2個なんて食べるうちに入らないということなのでしょう。 日本の牡蠣と同じように美味しかったです。 そして待望の、メニュー外の品、鰯のミネストラ。 なんと大きな陶器の蓋付きポットに入って登場です。 フランコが、スープ皿に取り分けてくれました。 見かけは、普通のトマトスープに鰯(サルデ=真鰯ではなく、アチューゲ=ヒシコイワシ)の欠片と砕いたスパゲティが入っているぐらいの印象。 ところが、一口含むと、なんてインパクトのある味! まずこくのあるしっかりした鰯の出汁の味、濃厚なトマトの味、 それにフェンネルの香り、レーズンの甘さ、 そしてテレビにも出てきたフランコお気に入りの隠し味、 日本のカレー粉の味もほのかにします。 これは、初体験の美味しさです。 砕いたパスタの火の通り加減も超アルデンテ。 ポットに残っている分をお替りして全部食べました。 続いて出てきたズッパ・ディ・ペッシェは凄い量! アルミ製の巨大フライパンごと出てきました。 ズッパ(スープ)と言いつつ、スープではなく、具がたっぷり、 そしてそれらから引き出した濃厚なお出汁がすこし出ているのを、 添えられているパンに滲みこませて食べる料理です。 赤い皮の魚とメルルッツォ(メルルーサ。日本で思っているイメージよりずっと美味しい魚です)、 海老、手長海老、イカ、プチトマトが入っています。 美味し~いでもお腹が苦し~い! (鰯のミネストラを食べ過ぎた…) 4人で食べてもあまるぐらいの量でしたから、 頑張れるだけ頑張って、残しました。 やはり今夜もドルチェは食べられそうにありませんが、 終わりにするのも寂しいので、デザート酒にリモンチェッロをいただきました。 最後はやはりカフェで〆て、 今夜はワインもちょっとだけいいグレードのにしたし、 なかなかの質と量を食べたし、100ユーロはするだろうなあと思っていたら お会計は、一旦84と書いたのを消して、80と書き直したものがきました。 や、安い! 日本でこれだけ食べて飲んだら、1人1万円はくだらないでしょ。 これって、ワインがもう1本あったら、4人で食べていい量だったのに… なんだか申し訳ないような気持ちでお勘定を済ませ、 フランコや皆さんに、丁寧に挨拶して帰ってきました。 今度はこのまちに泊まらなくても、パレルモで1日余計に日を取り お昼を食べに行くのもいいなと思っています。 皆様も、もしパレルモに行かれて日程に余裕があったら、 パレルモを朝9時ぐらいに出てバゲリーアでヴィッラ・パラゴニアを見て、 それからまた1駅乗って1時ごろ店へ着き、 昼食をのんびりと食べてパレルモに戻るなんていうのはいかがでしょう。