その10 バゲリーアとチェファルー 翌日は、朝食前に、魚市場を見に行きました。 ところが、そう看板に書いてあった建物は閉まったままで、 港に行ってみると、船から水揚げしたその場で売っているのでした。 大きな魚はすでに契約しているところに運ばれたり、 車で買いに来ている人に売られたりした後らしく、 小魚と蛸が少し残っているだけ。 私たちが面白がって覘きこんでいると、 蛸を取り出して、ほれ、写真撮っていいよと、持たせてくれました。 その日は朝食後、電車に乗って一駅のバゲリーアに。 芸術新潮2006年1月号のシチリア特集で見て以来、見てみたいと思っていた ヴィッラ・パラゴニアを訪ねるのが目的です。 駅からは歩いて30分ほどかかりました。 ヴィッラ・パラゴニアは、18世紀に建てられた別荘で、 敷地を囲む建物の上のグロテスクな彫像群で有名なところ。 道化師、乞食、踊り子、楽隊、半人半獣・・・異形のものたちの大集合です。 門には、なんちゃっておじさんと六つ目親爺。 どれもへんてこりんなのですが、どこかしら愛嬌があって、 怖いというよりは愉快。パレルモでちょっと時間が空いたら見に行く価値ありです。 列車で15分ぐらいのものですから。 その後、まだ時間があったので、チェファルーにも行きました。 友人がまだ行ったことがありませんでしたし、 私は冬に一度訪れているものの、夏のリゾート地だし、 「ニューシネマパラダイス」に登場したのも夏なので、 夏のチェファルーを見てみたいと思っていたからです。 やはり夏の日差しの下の海の色、建物の色は違いました。 映画に出てきた(のとはちょっと違ってしまったけど)駅を見て 同じく映画に出てきた堤防の近くでランチをとり、 ドゥオーモを見て、散歩をして、またポルティチェッロに戻りました。