退会ユーザ @*******
06/08/23 20:16

その9 気に入ると通う癖

午後は、散歩したり昼寝をしたり。
夕食もまた、(隣にも、その隣にも食べるところはあったのですが)その店に行きました。
とりあえず、ちょっとだけおしゃれして。
店の人たちは、私たちの顔を覚えていてくれて、
みんな微笑みかけてくれたり、手を振ってくれたりしました。

フランコがすぐに来てくれて、魚を見せに中に入れてくれました。
彼のお薦めは、マグロ、甘海老のカルパッチョとズッパ・ディ・ペッシェでしたが、
私たちは、どうしてもフリット・ミスト(魚介の揚物)が食べたかったので
マグロと甘海老はいただき、ズッパは明日の晩食べるからと伝え、
それから、明日はテレビで見た鰯のミネストラも食べたいと言ってみました。
フランコのお父さんが、昔作ってくれたという、
おふくろならぬおやじの味のパスタ入りスープです。
メニューには載っていなかったのです。
フランコは、いいとも、じゃあそれらは明日ねと約束しました。
昼の反省を踏まえてプリモはなし。

マグロのカルパッチョは、大きく薄くスライスしたマグロ赤身をヴィネガーで〆てから
オリーブオイルをかけ、刻んだルーコラとプチトマトを添えたもの。
ルーコラの味が濃くて、マグロやヴィネガーの味とすごく合います。
フランコがやってきて、この料理は、
サルヴァトーレ・クオモ(ご存知の方も多いと思いますが、日本で働く人気シェフです)がここへ来て、
パフォーマンスしてくれたものなんだよ、
彼は素晴らしい料理人だね、これは日伊融合の料理だと話してくれました。

甘海老のカルパッチョは、頭はそのまま残して身の方の殻を剥き、
軽く塩をしてEXバージンオイルをかけただけのもの。
レモンを搾っていただきます。
やはりこれも新鮮なので、身も美味しいけれどそれ以上に頭がいける。
イタリアで日本の味に出会ったという感じ。

フリット・ミストは、魚が3種類、そして海老、
イカ2種類(甲イカ=セッピエの小さいものとヤリイカ=カラマーリ)。
どれも美味しいのですが、チビのくせにちゃんと墨が入っていて
その甘みを十分出している甲イカがすっごく美味しかったです。
チビなので、中身を抜かずそのまま揚げていて、
甲の部分がカリカリというかシャリシャリというか、
面白い食感がして、これまた楽しい。

フリット・ミストと同時に、フランコがサービスのパネッレを持ってきてくれました。
パネッレとは、ヒヨコマメを擂って成型し揚げたもので、
パレルモの市場などでパニーニにして売っているのをよく見かける庶民の食べ物です。
フランコの店のは、まちで見かけるのよりも、小ぶりで少し厚手。
おつまみ用パネッレといったところでしょうか。
厚手の分だけ豆の味がしっかりして、油がしつこくありません。
これ食べちゃうと、市場のはもう食べられなくなりそう…という味でした。

ものすごいボリュームなので、魚を残してしまい、今回もドルチェはなし。
カフェで〆ました。

フランコは、料理はもう息子たちに任せ、
店を回っては、客の全てに心配りをしていました。
私たちのところにも、何回か声をかけに来てくれました。

そして最後に、可愛い紙袋を2つ持ってきて、私たちにプレゼントしてくれたのです。
中身は、スタッフが着ているポロシャツにもついている
店のマークが入った布製の手提げバッグ。
嬉しくて嬉しくて、心からお礼を言い、
また明日、と別れてきました。

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