その5 日帰りのお出かけ2つ さて、先にも少し触れましたが、滞在中に、2回日帰りでよそへ出かけました。 1日は、同じエガーディ諸島の、一番遠くにあるマレッティモ島へのミニクルーズ。 小さな美しい集落を訪れ(それでもそこが一応この島のチェントロ)、いくつもの洞窟を巡り、美しい海で泳ぎ、昼食と飲み物が付くというもの。 今度はこの島に滞在するのもいいかも、と思うほど風情のある集落、 洞窟と言ってもカプリのような奥深いものではありませんでしたが、 それでも水が青く見える美しい洞窟の数々、 そして本当に青い海で泳いだり、船から飛び込んだり… 充実した1日でした。 本当のイタリア的楽しみ方は、小さな舟を借り、美しいビーチを見つけては停泊して、 泳いだり、日光浴したりといいうもの。 次はそれをやってみたいとも思いますが、日焼けしすぎるようでちょっと怖い気もします。 あとの1日は、マルサーラまで船で出かけ、 大好きなワインメーカー、ドンナ・フガータ社のカンティーナ(セラー)見学をしました。 この見学は、予約制なので、予めHPの方から予約を入れておいたのです。 ドンナ・フガータとは、直訳すれば『逃げた女』で、 私など、♪に~げ~た~にょう~ぼ~にゃ…なんて古い演歌を連想してしまうのですが 実は、かつてムラ将軍率いるナポレオン軍の到来を恐れて ナポリ宮廷からシチリアのサンタ・マルゲリータ宮殿に逃れてきた、 ブルボン家のフェルディナンド4世の妻である ハプスブルク家のマリア・カロリーナ王妃のことなのです。 ドンナ・フガータ社のマークになっている髪をたなびかせた女性の顔は、 彼女をイメージして描かれているものとのこと。 ドンナ・フガータ社は、20余年前までは、 主に酒精強化ワインであるマルサラ酒をつくる伝統あるメーカーだったそうですが 当時、ただ多量に生産し、フランスなどの他国へ、 ブレンドするための原料ワインとして輸出するのが主流だったシチリア・ワインに もっともっと可能性があると考え、良質のワインをつくることを目指して 社名を変え、葡萄の栽培方法を変え、醸造方法を研究し、 マーケティングも研究して成長してきたのだそうです。 HPを開くと、トップページの絵のなんと魅力的なこと! 生産しているワインのラインナップを見ても、 名前やエチケットのデザインに、抜群のセンスを感じます。 さて、見学コースにはいくつかあり、 カンティーナを巡り、2~3種類のテイスティングを行なう無料コースの他に 10名以上とか、20名、30名以上とかで申し込める有料の軽食付きや オーナー夫人との食事会付きで、ワインも5~6種類テイスティングできるもの等があり、 私は、友人と2人ですから当然無料コースしか選べないのですが もし、私たちが滞在している期間にグループの予約が入ったら、 それに合流させて欲しいとお願いしていました。 残念ながらその願いは叶いませんでしたが、 見学をしながら話しているうちに、私たちが本当にワインが好きで、 ドンナ・フガータのワインにとても興味を持っていることが分かってもらえたようで テイスティングの時には、どれでも好きなものを選んでいいですよ、 と言っていただけました。 結局、飲んだことのないものを中心に白の一番グレードのいいものを1種、 赤は2種、デザートワインを2種、 しかも通常のテイスティングの量の倍の量ぐらいずつを飲むことができました。 大満足です。 この日、見学の予約時間までに少し時間があったので 塩田へ行くことにしました。 塩田といえばトラーパニ、と思うでしょうが トラーパニからマルサーラにかけての一帯が塩田地帯なのです。 ツーリストインフォメーションで訊いてみたら、バスでも行けるとのこと。 バスの時刻も教えてくれました。1時間に1本ぐらい、所要時間は20分ほどでした。 運転手さんに教えてもらって降りたところには、 モツィアという小さな島(リゾートホテルがあるらしい)への送迎の船がでているところ。 その横に、風車のある建物があって、塩田の展示や塩の販売所がありました。 遠くにいくつも風車が見えて、辺りには、白い塩の山がいくつもできています。 塩を買い、写真を撮り、 帰りはタクシーを呼んでもらって、ドンナ・フガータへと向かったのでした。