06/06/16 07:37

隣だからと言って同じとみてはいけない

スペインが今よりもっと治安の悪さで有名だった頃に、「のんびりしたけ
れば、ポルトガルに行ってみれば。ただし何もないから。」とスペインの
かたに言われました。

スペイン、とくに大都市の治安はその当時とは比べものにならないでしょう。
もっとも、犯罪の内容を単純に比較できないのも事実ですが。

スペインでも田舎に行けば、まず”chino”と言われるくらい、日本人が
珍しく、のんびりしています。その程度の牧歌性がポルトガルと思えば良
いと思います。首都リスボンも観光客で賑わっている界隈を抜けると、日
常の生活だらけです。坂道を迷っていると突然市電に蹴散らされたり、
客を待つケーブルカーに出会ったり。また、新市街に行けば歩いている人に
出会う事も少なくなります。道に迷って通行人に聞いても、英語が通じる
確率は低いと思わざるを得ません。スペイン語と時々ごっちゃまぜになる
ポルトガル語を「変な言葉喋る奴」と思いながらも理解してくれれば幸い
という感じです。

結論から言えば、治安は相当良いと言えます。地方に行けば本当に坂と階
段しかないくらい、素朴で安全です。また、ここではあまり話題になりま
せんが、人種的偏見が少ない国民だと思います。これがかつては、国際ス
パイの活躍や亡命などが盛んに行われた理由かも知れません。

ただし、EU加盟後、貧しさだけが目に付くようになりました。地元商店街
が寂れて、郊外の巨大ショッピングセンターが乱立。しかし、個性のない
店ばかりで、面白みがない。スペイン製やイタリア製は高級品で、安物は
中国製に押されている。自国のものが無くなっている。何か哀しいものを
感じざるを得ませんでした。

ポルトガルとスペインとの違いを闘牛に見る人も居ます。前者の闘牛は牛
を殺さない。また、かつてスペイン人は南アメリカでは策略を繰り返した
が、ポルトガル人はそうではない(本当かな?)とか。このように血の気
多さの違いを指摘する説。スペインもポルトガルもかつては世界の支配を
争ったものの、特にポルトガルは西の果てでひっそりしています。日本で
売られているポルトガル語の本は90%以上がブラジル語で、本家ポルトガル
語の人称変化が足りません。文法以外に、発音も南米とイベリア半島との
違いは、スペイン語を遙かに超えるものです。

我々はポルトガルのことをほとんど知らないのも事実だと思います。
隣国スペインと関係は、ドイツとポーランド(日本と韓国)ほどではない
でしょうが、必ずしも良くないと言われています。国と国とと言うよりも、
人間同士です。この辺りも実はよく知らないのです。

  • いいね! 0
  • コメント 0件

0件のコメント