嗅覚や触覚で呼び起こされる(旅の)記憶はかなり
直接的ではありませんか?
皆さんの「こんな」という経験があったらどうか教えてください。
「五感の旅」を思った私のきっかけは
ブライスキャニオンの尾根で息子と
夕方の谷の景色を見ていた時のことです。
+++
カツカツという音に振り向くと
白い杖を使いながら息子と同じ年頃の娘さんが登ってきた。
(家族がその後を登ってきた)
彼女は顔をサインボードへ擦りつけるようにして見てから
私達のそばのフェンスへ近づいて谷を見下ろす位置に立つ。
そして
瞼を閉じ顔を空へ向け、すぅ~っと胸一杯に深呼吸をすると
何かいいものを見つけたようにニコッととってもいい笑顔になった。
+++
キャニオンの谷から吹き抜ける風のパインの仄かな香りに
私が気付いたのは、「何だろう?」と私も目を閉じ試した後です。
あの時あの場所へ彼女がやって来たおかげで目の鱗が落ちた。
以来「旅では五感を使おう」と思っています。
ツンドラも裸足になって上を歩くととても気持ちがいい
裸足で歩く砂丘のヒンヤリ感や熱さは体の旅の思い出です。
街角のざわめきや生活の匂いは
むしろ目を閉じているほうがよく分る。
先日、オレゴンデューンへ行ったときは
ある男の子が砂丘の窪みへ降りていって
座りこみ、目を閉じてサラサラという砂が風で運ばれる音を
見つけて(?)きた
旅行ではつい「見どころ」や食事がほとんどの経験と
思いがちですけれど
地元の果物や飲み物の味や香り… 物売りの声、歌 音
五感でする旅は色々あると思います。