20/05/09 12:31

震源地ではなくこれから

確かに、他の病気が多いので、自然免疫が強い(先進国の人は直ぐに腹をこわしたり、実際に食中毒になったりする)という可能性はなくはないのと、多くの国が呼吸器のウイルスには必ずしも棲みやすいと言えない環境(強毒型トリインフルエンザがインドネシアで拡大したのは別の理由)等もあるでしょうが、感染拡大はこれからなのと、統計の不正確さ、特にCOVID-19以外での死亡が多すぎるのでそれに埋没している可能性は無視できないと思います。さらに、国連によって後発開発途上国と言われる、下記の論文ではLow income countriesとされている国では高齢者は生き残れないという状況も関わってくるでしょう。

また、中国、香港、台湾と中華圏とその周辺の韓国とベトナムもほぼ制圧したのと、周辺に大きな影響を与えるタイもかなり頑張って(国の緩さからは意外でした)制圧できているのも大きいと思います。これらが複雑に絡み合った結果でしょう。五輪開催が危ぶまれいるのは、発展途上国よりも下位の所得の国での感染が収まらない限り参加が見込めないから。これは、日本の連休中に、「都会人は田舎に来るな」と言われたのと同じことで、今後は、本来高収入の国からの観光客には来て欲しい国でも、それを許せば、感染爆発もありうると言うことで、やはり観光業も様変わりする可能性はあると思います。

国内でも都道府県によって随分異なります。東京だけでも偏りがあって、院内感染を除くと、多分、欧米からの帰国者と欧米系住民の多いエリアに集中しています。全国でも中国からの観光客の多さとはすでに関連性がなくなっています。仙台が少なく、金沢が多かったり、東京と愛知との間は少ないなど、県民所得や人口密度、さらに観光とも相関はないと思います。日本は東京が一番の問題なのでしょう。

詳細は、
www.brookings.edu
PDFが、
Tracking COVID-19 as Cause of Death: Global Estimates of Relative Severity

Web版は、
The unreal dichotomy in COVID-19 mortality between high-income and developing countries
Philip Schellekens and Diego Sourrouille Tuesday, May 5, 2020

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1件のコメント

  • "Rich man's disease"

    きょう (5/8) の LA Times から

    But historians say it may be remembered as the first pandemic that spread, to a significant extent, from the affluent to the lowly — agitating class grievances in some of the world’s most unequal societies and adding a dark twist to a pandemic that has killed more than 270,000 people.

    https://www.latimes.com/world-nation/story/2020-05-08/how-the-coronavirus-began-as-a-disease-of-the-rich

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    20/05/11 08:16

    非科学の極み

    これですね。
    If you’re rich, you’re at risk, but if you’re poor, you’re not. The poor, we’re immune.

    確かに、寄生虫を体内に沢山飼っているような国民では、自己免疫疾患が少ないし、貧困国では所謂成人病はほとんどないのですが、平均寿命が極めて短く、幼児の死亡率も極めて高く、先進国の住民が長生きする間に罹る病気に罹るまえに生命がつきます。先進国なら死なずに済む病気でも命を落とします。食中毒ならまだしも、カゼは貧者にも裕福者にも同じように遅い掛かります。大航海時代に豊か(精神的ではなく物質的)な欧州から天然痘をはじめととした様々な病原体がアメリカ大陸に持ち込まれ、先住民絶滅を引き起こした歴史があります。昔は、このような戦争、占領、侵略や交易が病原体を茅部ことが多かったのですが、今から100年前の惨禍は米国からの欧州への兵の派遣、17年前は戦争や侵略とは無関係の平和産業(航空機)と中央政府の隠蔽が重なって引き起こされたものです。少なくとも、この時点で、新型ウイルスの脅威は明らかだったのに、世界の指導者や企業はほとんど対策を取らなかったのが今回の感染拡大の最大の要因です。この点で、SARSで被害を受けた、台湾、香港、ベトナムでは封じ込めに成功しているが、台湾の感染した医師が台北-那覇間のフライトを利用しただけで、パニックとバッシングの嵐を引き起こし、中華航空の定期便運行休止にまで追い込んだ日本は対応が完全に後手後手になっています。韓国はMARSで同じような失敗を繰り返さなかったのが今回の成功に繋がっています。

    むしろ、スラムのような所では感染拡大が危惧されます。米国では明らかに貧富の差を直撃しているのではないのでしょうか。欧州と米国では慢心こそが最大の敵だったのではないのでしょうか。

    また、強毒型トリインフルエンザは先進国での発生例がありません。このため、致死率60%でしたが、先進国ではそうはならないという人もいますが、これは根拠はないと思います。むしろ貧困こそが感染拡大の要因だったのです。例えば、家禽が病気になっても処分すれば、生活が成り立たなくなる、教育が行き届いていないので、死んだトリを食べる、安価な栄養源なので、自宅で飼っている人が多いなど。勿論、医療機関へのアクセスの悪さも影響しますが、今のところ感染したらほとんど死ぬのであまり関係ないでしょう。なお、家畜自体もトリインフルエンザ、ブタコレラ、もう騒ぐことはなくなったものの、感染原因は不明の狂牛病の原因で、全て人間が野生動物を本来あり得ない形で集団化させた結果と言っても間違いではないのです。現代社会はこのような危険と隣合わせでもあるのです。野生動物からの感染はこれまでもあったのですが、前世紀初めまでは特定の地域に限られていました。それが、開発と交通の発達で世界に拡がった例は、HIV(こちらは完全に定着)、SARS(こちらは多分消滅)で、まだ限定的なエボラやMARSなどもあり、今回のSARS-Cov-2はパンデミックになってしまいました。このように動物からのウイルス感染というのは、今後も増えることはあっても減ることはなく、特に怖いのが強毒型トリインフルエンザです。今の日本ではマスコミを中心に、”今を乗り切れば明るい未来がある”との合唱なのですが、実は今回のウイルスは本体はまだ序の口で、もっと怖いものが出現する可能性のほうが高いのです。このような感染症を防ぐことを本気に考えて四国に獣医学部を新設したのであれば、それは許せるのですが、今回の件では一度も登場していないし、恐らく、それに対応できる教員、研究者(学生はまだ関係ない)は皆無なのでしょう。本気で作ったら、今の政権の右往左往もあり得なかったでしょうし。

    By now it is clear that COVID-19 spares no one and disproportionately harms the hungry, the forgotten and those with preexisting illnesses and substandard healthcare.

    この中でも書かれているように、富裕層は自己隔離する術と金があるのです。海外旅行もプライベートジェットにすれば良いし、居酒屋に行って狭い席で対面することなく、料理人を家に呼べば良いか、店を貸し切れば済むのです。

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