20/03/29 09:05

売れる薬しか世に出ない

2千字超えたので、先の続き。

今回のことで感染症や薬に関する問題点が明らかになりました。エボラのときにも心ある研究者が言っていたのですが、金にならない病気には薬ができない現実をなんとかしたい。もし、ファビピラビルが救世主となれば、NHKあたりが新プロジェクトXあたりで取り上げるでしょう。大手が見向きもしなかった薬の開発を日本の北陸の弱小会社が続け、倒産の危機を写真用フィルムだけでは企業が成り立たないと確信した大手フィルム会社(富士フィルム)経営者が救い、予想外の催奇形性による条件付き承認(封印状態)に直面しても生産を続けた人達・・・。こうなって欲しいし、今はこれしか頼るものがないのも事実です。

HIVもそうなのですが、ウイルス由来(宿主は持っていない)酵素を阻害します。ファビピラビルもそうです。一方でナファモスタットメシル酸は宿主側の酵素を阻害します。恐らく、季節性インフルエンザにもこの膵炎の薬は効く(あくまで極初期)でしょうが、これまでこの段階(細胞外活性化)で阻害を試みた薬品が出なかったのは、予防としてはあるが感染後には効果が薄く、しかも宿主側の酵素の阻害なので、副作用も観点かならなかったのだろうと思います。でも効くのなら併用すればより効果的でしょう。

以前、快復した患者さんからの血清を使えば、重症肺炎は治る可能性を書きましたが、強毒型トリインフルエンザの例からも、この段階ではすでにウイルス自体から別の次元に発展している可能性のほうが高そうです。ならば血清は効かない。そもそもウイルス性肺炎自体が希で、SARSくらい。しかも、肺から血中にウイルスが出るので、ACE2のある心臓とかもやられるでしょう。強毒型トリインフルエンザも確かにその本質から全身性ではあるものの、死に至る直接の原因は感染細胞を自己免疫細胞が攻撃からなのかも知れません。このあたりは、実は中国の医者や研究者が相当にデータを持っているので、今後、国際連携で解明するべきでしょう。

何度も書きますが、発想の転換が必要で、最早感染者を増やさないことに、莫大な金と資源投入、さらに国民の負担を強いるのではなく、重症化を阻止することに専念すれば、国境封鎖や都市機能の停止に奔走する必要はなくなります。市民の表情も明るくなるでしょう。その兆しが出てきたのは朗報であると信じたいのですが。

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