今月後半から開催される予定だった第18回フォアグラ見本市が中止に
なったという報道がありました。
日本では通常のインフルエンザのピークが過ぎたせいもあり、関心が
低くなっていますが、人に感染する鶏型インフルエンザのパンデミッ
クの危険性はますます高くなっているはずです。東南、南アジアでも
発生が止まらないし、欧州にも拡大しています。これからは、アフリ
カからの鳥の飛来があるので、欧州の危険度は増すと言われています。
5-6月まで新型が発生しなければ、今年は大丈夫との見方が有力なので
すが、丁度ワールドカップの時期と重なります。
また、前々から言われていることですが、日本政府の見積もりでは、死
者は60万人強。しかし、これまでの患者が200人弱なのに対し、死者は
約100名。国民の四分の一が感染するとして、死亡率はたったの2%と言う
のは、低すぎるのではないか。海外からも指摘されています。10%と見て
も300万人。
医学誌Lancetの先月号でも、イタリアと豪州の医師らが、抗ウィルス剤
の効果を検討し、M2イオンチャネル遮断剤は効かずノイラミダーゼ阻害剤
もインフルエンザ様症状には効かないため、通常の流行期には使わず、パ
ンデミックだけに限るべきと主張しています。日本の医師の中にも、現在
の日本では安易にノイラミダーゼ阻害に頼り、これを使いすぎていると主
張している人が少なからず居ます。実際にはタミフル投与は、アジアでの
鶏インフルエンザ感染に使われています。しかし、改善例はありません。
人型と同じように48時間以内なのか、もっと早くないと効果がないのでは
ないかという説もあります。
人感染を起こすタイプに変異すれば毒性も落ちるという説もあり、日本政
府の2%は、これをもとに算定しているようです。しかし、この数字は低毒
型のパンデミックのデーターを使っているらしいのです。最悪のシナリオ
を想定するのが危機管理なのだと思いますが、それを望むのは無理なのか?
あと数ヶ月は、いつパンデミックがおきてもおかしくないと思っていたほ
うが良いと思います。今シーズンは発生しなければそれはそれで良いこと
ですし。
Q&Aではないのですが、忘れてはいけないことだと思い書いてみました。