というのは、収蔵物のことではなく、客のマナーである。
帰国日は15時過ぎの便だったので、午前中にルーブルを観て、あわよくば昼ご飯に「牡蠣とシャブリ」で締めようと考えていた。(でも、もし、あたったら飛行機に乗れるのだろうか、というリスクは考えていなかった。フランス人も牡蠣にあたる人は少なからずいるらしい。)
二月のオフシーズンでもあったので、8時40分くらいにピラミッド口に行ったらそこそこの列。それでも9時20分頃には入れた。初ルーブルで勝手が分からず、チケットはてっきりピラミッドのところで買うと思っていたら、地下にチケット売場があることが最初は分からなかった。最後のJCBカードを切った。
やはりモナリザ、なのだけど、1974年に国立博物館に来た時に、幼い私(?)を家に置いて、母親が見に行ってる。その時の半券を今でも持っているが、モナリザ自身もこの1974年に東京とニューヨーク、ワシントンに行ったのがシャバに出た最後で、それ以来ルーブルから門外不出となっている。母はガラス越しだったけれどもそこそこ近くで見られたという話をよくしていたが・・・・あの時の留守番の代償は、まあ、時間がかかった上、こちらから伺うことになった。
が、観だしてすぐにいらだったのは、写真撮影、である。絵の写真を撮るというのは、何のためなのかよく分からない。あとで見たいなら、それなりの写真集なり目録を買えばそっちのほうがきれいだし、絵葉書だったうってるじゃない。さらに絵と一緒に写る人たちというのは、常軌を逸している(?)。しかもその撮影に何でこちらが「遠慮」しなければならないのか・・・普通の観光地なら、譲り合って写真を撮りましょうというのは分かるが(ちなみに私はカメラを持たず、海外旅行では原則写真を撮らない。例外はスマホで撮るワインのエチケットくらいか・・・)美術館では、絵を見る客が一番大事だろう。・・・・有名な絵は必ずそうで、写真撮影客に邪魔されるのがとにかくうざったい。で、こんな美術館は記憶にない。みんな文句は言わないのだろうか。
モナリザ、のコーナーに行ったときは、愕然とした。警備員が一人いるのはともかく、あんなに遠くでは良く見えん。・・・母は「油絵っていうのは、絵の具が凸凹していてそれが分かるのよね。」と話していたが、この距離ではそんなものは分からない。特別展で「モナリザを1メートルの近さで観る会」なんてやってくれないだろうか。喜んでパリまで行くけどなあ。
フェルメールハンターではないが、やはり「レースを編む女」、あとはミロのヴィーナスとハンムラビ法典が私的には必見だったのだが、ハンムラビ法典の発見が少し手間取った。本物は教科書の挿絵写真とは違う。・・・・あと絵の感想を言ってるときりがないので省くが、あらためてもう一度来よう、という気になるかどうか。私は勘違いしていて、ナポレオン三世が持ち帰ったロゼッタストーンを探したのだけど、館員に聞く前に、それは違うということをグーグル先生に指摘され、危うく、世紀のばか質問をする一歩手前で留まった。
帰り方もよく分からない。・・・あのピラミッド下のホールから外界、もしくはメトロの駅にいくにはどう行けば近道なのかが未だ謎である。おかげで「牡蠣とシャブリ」どころではなくなり、「ギャルデノール」に急ぐことになってしまった。