Re: Pisa の『死の勝利』

そうなんです。私自身全然下調べをしていかないで見て驚きました。おっしゃっておられる三人の生者の絵だけでなくいわゆる地獄絵図もあり、かなり規模の大きいものでした。ピサというと斜塔のみというイメージがあったのですが、ちょっとした収穫でした。
こういう絵というものはヨーロッパのあちらこちらにありますね。パレルモにも有名な絵がありますし...。日本にも平安末期に流行した末法思想に基づく地獄絵図なども多々存在していますが、これと相通ずるものがあるのでしょうか。そう思うといろいろ調べてみたくなります。もちろんamoromaさんの足元にも及ばないでしょうけれど。

尚、聞くところによるとリストの曲、「死の舞踏」はたまたまピサで見た「死の勝利」から得たインスピレーションに基づいて作曲されたとか....これまたちょっと凄みのある曲ですね。

イタリアは不思議な国です。明るく開放的な面と陰鬱で残酷な面が彼らの文化には表裏一体で存在します。これこそ宗教のなせるわざなのか。あたりまえといえばあたりまえなのですが、そういったものに触れるとゾクゾクすることがあります。

ウフィッツィ美術館にあるボッティチェリの絵にしたところで、いわゆる「春」のように甘美で美しい絵から、晩年には病的で残酷な絵になっていく。サヴォナローラの影響によるものということですが、彼の心の中にある漠然とした地獄への恐怖がそうさせたのでしょうか。

本当に奥深いものですね。美術のお話、ありがとうございました。またお願いしますね。

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