前日、夜(午後7時過ぎだが)、デリーの国際空港から(国内線到着出口からだが)、プリペイドタクシーに、女一人で乗ったのに、何事もなく、メインバザールへ着いた、という、信じられない経験をした私は、次の日、ニューデリー駅の外国人専用窓口へ行ってみることにした。
列車の切符は、他の町で、すでに買ってある。
多くの外国人旅行者が、この外国人専用窓口にたどりつけずに、悪徳旅行会社へ連れて行かれ、えじきになるという。
外国人専用窓口の場所を、確認しておきたかったのだ。
ニューデリー駅の茶色い建物に、外国人専用窓口があると聞いていたのだが、茶色い建物が見あたらない。
ニューデリー駅の建物の上に二重に看板があり
「INTERNATIONAL TOURIST BUREAU」
「RESERVATION FOR FOREIGN TOURIST」
と書いてある。
きっと、この中に、外国人専用窓口があるんだ。
「ENTRY」という所から入った。
大勢のインド人が、切符を買うために並んでいる。
外国人専用窓口はどこだ?
二階だと聞いていたので、階段のそばの売店のおじさんに
「外国人専用窓口はどこ?」
と聞いた。
おじさんは「こっちだ」と、先に立って歩き出した。
駅の建物から出て、構内を横切る。
一分や二分で歩ける距離ではない。
こんなに熱心に連れて行こうとする場所が、公的な所であるはずがない。
インド人が「これほど親切ではない」つまり「金にもならないのに、見知らぬ外国人のために、これほどのエネルギーを使ったりしない」ということは、ちょっとインドを旅行すればわかることだ。
タクシーに乗っていると、運転手が、「あそこは○○で、あそこは○○だ」と、2,3ヶ所説明する。
そして、降りるときに「ガイドしたじゃないか」と、チップを請求する。
これが、インドだ。
おじさんは、道路の向こうの建物を指差して「あそこの2階だ」と言った。
私は、あいまいにうなずき、おじさんと離れて歩き出した。
おじさんは「あそこだ!そっちじゃない!」と叫んでいる。
おじさんの指差した建物は「歩き方」の地図に「道路沿いの旅行会社は要注意」と書いてある、モロにその位置にあった。
悪徳旅行会社をからかってもよかったんだけどね、今回はやめとくよ。
私は、気を取り直して、別の方向から駅の構内に入った。
駐車場があり、係員が座っている。
この人なら、だいじょうぶだろう。
外国人専用窓口の場所を尋ねた。
係員は、道路の向こうを指差した。
・・・
どつも、こいつも!
私は、駅の建物にもう一度入り、階段のところへ行った。
よく見ると、階段を上った先の壁に「INTERNATIONAL TOURIST BUREAU」と書いてある。
なんだ、この上か。
売店のおじさんが、私を見つけて、顔色を変えた。
階段を上る。
「INTERNATIONAL TOURIST BUREAU」
あるじゃないか。
ニューデリー駅の外国人専用窓口へ行き着くための秘訣、それは
「誰にも場所を聞かずに、自分で探し出すこと」です。
階段があるから、そこを上ったらいいんです。
*夜、デリーの空港から、女一人でプリペイドタクシーに乗る、なんてこと、マネしないように。
無事であるためには、いろんなテクニックがあるんです。
機会があったら、また、書きます。