ジンバブエでは旧紙幣に変わって、1000分の1のデノミネーション(通貨単位の1000分の1への切り下げ)が為された新紙幣が流通しています。正確に言うと「紙幣」ではなく、期限付き交換手形「ベアラーズ・チェック」であり、1年間以内だけ有効と券面に明記されています。
8月1日から3週間だけが旧紙幣の交換期間だったのですが、国民に紙幣交換の発表があったのは7月31日、つまり前日です。しかも、同時に全国に交通検問が置かれ、多額の現金を積んで走っていると逮捕されたそうです。1年以内には再度の紙幣交換が行われると予想されます。
手形は、1セント札から1千万倍の価値を持つ10万ドル札までありますが、1ドル以下の新札は実際には流通していません。そのため旧千ドル札を新1ドル札の代わりに釣り銭として渡すスーパーもあります。ただ、1ドル以下は価値が低いので、日常生活では無視されることが多いです。
正規の両替レートは、1USドルが250Zドル(現地は略して「ジム・ダラ」と言います)ですが、ブラック・マーケットでは既に9月下旬の時点で500~650Zドルまで価値が下がっていました。今後もZドル手形の価値は下がり続けるでしょう。ただ、独裁政権ならではの世界的にも極めて珍しい手形です。いい旅のお土産にはなると思いますよ。