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07/01/30 18:59

沿ドニエステル共和国への渡航

昨年9月末にモルドバのキシニョフからバスで沿ドニエステル共和国を通過してウクライナのオデッサへ行きました。キシニョフの北バスターミナル(市中心地からちょっと離れている)からオデッサ行きのバスは一時間おきくらいに意外と頻繁にあったように思います。僕もトーマスクック時刻表にあるように鉄道で行こうと考えていたのですが、駅ではオデッサ方面の列車の案内はなく、係員に聞いても列車は走っていないとのこと。仕方なくバスで行くことにしました。

入国時と出国時にパスポートチェックがあって、出国時は荷物のX線検査がありました。出入国の際はモルドバやウクライナ人以外で唯一外国人だった僕は別室へ連れて行かれ、モルドバ出国のスタンプがないからキシニョフへ帰れと脅迫されました。モルドバはドニエステルの独立を認めておらず、ドニエステルの実効支配地域へ入る際に特別な検査をしたり出国スタンプを押しません。これは明らかに因縁をつけて賄賂を要求するもので、僕は入国時に15ユーロ、出国時は20ユーロとられました。入境時にはパスポートコントロールをしている役人による賄賂のほかに、別のブースで通行税として8ユーロ(現地の人は30円くらい)を支払い、通行証のような紙切れをもらいました。この紙を見せたにもかかわらず出国時も同様に別室で賄賂を要求されました。税関職員だと名乗る軍服姿の若者も、「いくら持っているんだ?コレクションにするから日本のお金をくれ」などと言ってたかってきました。

安易な賄賂の支払いはほかの旅行者にも迷惑がかかるし、不正は断固として跳ね返したいものですが、バスは僕だけのために待っていてくれるので、何時間も粘って交渉するというのは現実的ではありませんでした。はじめは「これは国際問題になりますよ。ウクライナの日本大使館に連絡してください」とか「学生だから賄賂少しまけてください」と冷静に対応していたのですが、向こうは全く取り合おうとしませんでした。国際的にどこも国と認めていないブラックホールに入り込んだ責任は自分にあり、悔しかったけれどお金で解決しました。バスに戻ったあと乗客の一人が「あそこは国じゃない、マフィアが仕切っている最低のところだ。二度とくるんじゃないぞ」と言っていました。ちなみにウクライナ側は日本人のビザは不要で、問題なく入国できました。

結果として賄賂を払えば通れたわけで、今では旅の笑い話にしていますが、ドニエステルではテロも頻発しており安全面での懸念があり、何より賄賂の要求とそれに対する交渉は非常に不愉快ですし緊張もします。オデッサもキシニョフも訪れる価値があると思いますが、できれば遠回りしてでもドニエステルは避けた方がいいと思います。キシニョフからウクライナのキエフ、リボウなどを経てベラルーシ、ロシア方面への国際列車が出ており、時間があれば迂回することはできると思います。せっかく行かれるなら、不愉快な思いをしないで済む方法をおすすめしたいです。

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