17/01/28 10:20

16)フランスも高速バス時代に入った(ouibus ウイバスに乗る)

オーベルニュ地方のクレルモン・フェランからリヨン市に移動する行程をとったので、列車を調べると、この区間は乗り換えのない列車は在来線普通列車(Ter)しかなく、Terの料金は35eurosと出ていた。
Terには早割がないから、現地の駅で購入すればよく、購入せずに旅行をしていて、クレルモンフェランに到着する数日前にパソコンでouibus(sncfの子会社で2012年に出来た)のサイトを見ると、クレルモン・フェランからリヨンまでバスがあり、乗車する日の料金は早割で5eurosと出ていた。

プリンターがないから印刷切符にする方法などを考えながらサイト内を見ると、クレルモンフェランのバスターミナルでも早割を売ると書いてあったので、町に到着して早速バスターミナルに買いに行った。

サイトの表示によると、3日後の乗る日にちの早割料金5eurosの切符は残席2枚、日にちが近くなれば(早割売り切れになれば)9euros、その後さらに近づくと12eurosに上がるようだ。


窓口で乗りたいバスを指定して購入する旨を伝える。料金5eurosを払う。
窓口係員が、カルトイダンティテ(ID)を見せてください、というのでパスポートを見せる。
(サイトの予約するページには、身分証明書番号またはパスポート番号を記入するようになっていて、乗車するときにも身分証明書の提示がないと乗れない、と書いてあったので、パスポートを持参して行った。)

係員が、パスポートを機械に読ませて、印刷書類を作ってくれる。
乗車するとき、パスポートが必要で、忘れないように持って行ってください、といわれる。
その印刷書類を見ると、「予約番号xxxx、このページの印刷は必要ではありません、IDの提示が必要」と書かれていた。

ホテルに戻って、残席数を見ると1席となっていたので、サイトと実際の運営はきちんとリンクしているようだ。


乗車する日になり30分ぐらい前にバスターミナルに着いた。
待っている間に、ドイツ系の flix bus(バスの色は黄緑色でよく目立つ) が3台ほど次々やってきて客を乗せて出発してゆく。行き先を見ると、パリのほか、フランス国内のかなり遠くまで行くようだった。
ドイツの会社がフランスへきてバスを運行してかなり成功しているらしい。この会社は2013年に営業開始したということだ。


そのうち私の乗るouibusが来た。sncfの子会社だから、sncfの赤紫色でデザインしたマークが入っている。

運転手が降りて、客に予約番号を聞き、運転手が自分のスマホのページを繰って客のデータのページを出して、次にカルトイダンティテ(ID)を見せてもらい、その内容と一致すると、乗ってください、と乗車させていた。
客は、ほとんどの人がスマホで予約したのか、スマホのページを見せるなどしていたが、私のように紙の番号を読み上げる人もいた。
確かに、切符の印刷の必要はなく、予約番号を控えていけば、IDを見せて乗れるシステムだった。

バスの中にはすでに数人の客がいたので、このバスターミナルが始発地点ではなかったようだが、予備的にあまり確認していなかった。5分ぐらいで次のバス停に止まり、数人が乗車した後は郊外に出た。乗車率は60%程度で、私の横には他の客がいたが、郊外に出ると二人で座っている客の何人かが空いている席に移動したので、私も前の空いている席に移動して、そのようにして空いている席には移動した人が座って、空席はなくなった。
バス内にトイレもある。

フランスの高速道路は平らな地面の上にアスファルトを敷いただけだが、カーブやアップダウンが少ないのもあって、ただまっすぐ走っている感じで、バスの構造にもよるのかも知れないが、日本での山の中を選んで高速道路を作ったような、そんな左に右に揺れる高速バスに乗るのとは揺れの感じは格段に少ない。

2時間半走ってLyon Part Dieu 駅の東のバスターミナルに着いた。途中の休憩停車はなし。
乗車時間2時間半は列車とほぼ同じ所要時間である。

sncfの子会社が在来線のある区間で手広く高速バスを運行しているのは、県境を跨ぐ長距離列車はあまり運行をしたくないということなのだろう。地方の中心都市の周辺は客がある程度あるから密に運行し、客のまばらな区間は列車を減らし、経費の少ないバスにしていこうとしているように見える。

ドイツのバス会社が入って価格競争になっているから、早割5eurosなんていう(早割と言ってもへんぴな地方では3日前まで早割5eurosが残っていた)切符が実現できるのだろうと思う。


ouibusのサイト
http://fr.ouibus.com/fr




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1件のコメント

  • Re:16)フランスも高速バス時代に入った(ouibus ウイバスに乗る)

    mamoruさん、こんにちは。

    flix busに乗った人の話は聞くのですけど、ouibusに乗った人の話はあまり見なかったので、興味深く拝見しました。TGVにはスピードでかないませんが、在来線の高速列車には高速バスで十分対抗できるというのは、どこも同じですね。しかもSNCFがやっているのも分かる気(?)がします。

    日本のバス、鉄道は割引率を変動させる運賃制度を取っているところはあまり聞かないですが、航空会社あたりからノウハウをもらって、積極的にやればいいと思うんですけどね。

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    17/01/30 23:52

    フランスでは在来線列車160km/hと高速バス130km/hの競争ですね

    高島たいらさん こんにちは

    数年前まで、フランスでは遠距離の都市間のバスがあるのはごく限られた区間だけで、何で高速バス路線網がないのか、と思っていました。
    何か規制があったのが変更になったのか、詳しいことはわかりませんが、ここに来て俄然高速バスが普及し出しましたね。

    日本の高速道路の100km/hに対してフランスの高速道路は130km/hで、おそらく鉄道と対抗できる速度なのでしょう。
    (自分で日本の高速道路を運転するときは、130km/hぐらいは時々出すから、車での風景が飛び去る感じはつかめています。)

    在来線列車の方は、フランスでは普通に走る速度は160km/hだそうで、窓の外の景色が後方に飛んでいく感じは、日本の電車とはだいぶ違う感じで、フランスに来て在来線に乗ると、フランスの在来線だって感じがしますね。

    日本の在来線は普通は130km/hまでだそうで、京成電鉄の成田空港へ行く路線は160km/hだすそうで、2回ほど乗りましたが、風景の飛び去る感じは160km/hといわれればそのような感じでした。
    日本は、急ブレーキから600m程度で停止できる速度が目安らしいです。それで130km/hが限界になっているらしいです。
    160km/hだとぶつかったときの破壊力が大きいから、事故になったら大きい事故になるでしょうね。


    アルザス地方に行くと、時速200km/hで走る在来線列車があります。
    2015年にバーゼルからコルマール、ストラスブール間に乗ったとき、窓の外の景色の飛び去る速さがちょっと速い感じがして(おや、160km/hじゃないんじゃないか、と思い)、その後時刻表を見ると、この区間に200km/hのTerと表示されていたので、乗ったのはどうもこの列車だったかも知れないと思い、昨年(2016年)ミュルーズからサン・ルイ、バーゼルに行ったとき、200km/hのTerと表示されているものを選択して乗り、確かめてみましたが、風景の飛ぶ速さは確かに速かったです。

    200km/hは、日本の新幹線の運転開始時代の210km/hに近いレベルですね。在来線だから踏切のようなものもあるし、ぶつかったら大変だろうけれど、それなりに回避する工夫もあるのでしょう。

    この列車、最新型の車両かと思ったら、大したことのない機関車が客車を引いて走る列車で、あの機関車で出発からすぐ速度を上げ、200km/hが出るのは、かなりの力持ちのようでした。



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