アルジェリア治安、交通機関、気候

治安について：
昨年1月のイナメナスの事件でアルジェリアの治安が大きく注目されましたが、現在の状況はそれ以前とあまり変わっていません。この4月にはアルジェの東にあるティジウズ県の町で軍隊とテロリストが衝突し、軍人11人が死亡しています。このような事件は特別珍しいことでなく、毎年100人前後の警察官と軍人が未だにテロリストに殺されています。衝突の多くはアルジェに東のブーメデス、ティジウズ県を中心とするアルジェリア北東部です。しかしアルジェとオランの間には、日本の外務省の安全情報で未だに "渡航の延期をお勧めします” に区分されているアイン・デフラ県があり、陸路でアルジェからオランに行くにはここを通らなければなりません。
フランス外務省の安全情報では、アルジェ、ティパザ、オラン、トレムセンの4都市だけが十分な警戒をした上で観光も可能とされています。しかしこれらの都市を結ぶ陸路は、やむを得ない事情がある場合以外は避けるようにとされる区域に含まれています。イギリスの安全情報はもう少し緩やかですが、やはり十分は注意が必要です。

質問にある大統領選挙は現職大統領の予想通りの大勝で終わりましたが、これまで世界中のどこの国でも見られなかった奇妙な選挙でした。

今回もっと最も奇妙だったのは、現職のブーテフリカ大統領が立候補していても、選挙期間中一度も国民の前に姿を現さなかったことです。これまでだと選挙が近づくと、各種プロジェクトの着工式、竣工式に全国を飛び回っていました。が、今回はアルジェリアを訪問した外国の要人との会談の模様がテレビで放映されただけです。昨年の2度にわたるパリでの長期療養の後、まだ一度も国民の前に姿を現していません。このような選挙戦でも得票率82%で野党の対立候補を大きく引き離しました。が、投票率は前回の 74%を大きく下回り 51.7%でした。もちろん野党は選挙に数多くの不正があったと非難していますが、大きな声にはなっていません。

新たな大統領就任式でのブーテフリカ大統領の演説は、弱々しい声で短時間で終わりました。今回ブーテフリカが健康不安にかかわらず出馬した背景に、大統領が替わると過去の不正が激しく追求される事を、多くの主要人物が恐れたことにあります。蓋が外れると国民の不満が一気に噴き出します。これから10月までに大統領の健康に大きな変化があった場合、現在の与党内に後継者がいないため政治的な大きな混乱が発生し、警察軍隊の機能が低下し、国民の不満を背景にテロリストが各地で勢力を復活させることは十分に考えられます。ティパザはもともとイスラム原理派の力が強く、日本外務省の安全情報でも一時、"渡航の延期をお勧めします” に区分されたことがありました。

http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo.asp?id=91#ad-image-0
http://www.diplomatie.gouv.fr/fr/conseils-aux-voyageurs/conseils-par-pays/algerie-12196/
https://www.gov.uk/foreign-travel-advice/algeria/safety-and-security

交通機関について：
アルジェからティパザまでは多くのバスが走っています。しかしティパザからオランまではバスも鉄道もありません。アルジェからオランまでバスはありますが、鉄道は SNTF のサイトを見ると直通列車がありません。以前は5時間ほどで走っていたのですが。途中、 Chelef と Sig で乗り継がなければなりません。地中海に面した世界遺産のローマ遺跡のある町からオラン行きのバスあるいは鉄道に途中から乗るには、バスでブリダに行きそこで乗ります。でもアルジェに戻ることをお勧めします。
アルジェリア人の運転は乱暴なことが多く、事故も非常に多いのでバスでの移動は勧めません。フランス、イギリスの安全情報に書かれているように、飛行機での移動が1番安心です。5000円足らずです。
http://fly.airalgerie.dz/CAB/IBE/SearchAvailability.aspx
http://www.sogral.dz/
http://www.sntf.dz/

気候について：
9月下旬は7月8月の極暑も終わっています。でもまだ熱いですが過ごしやすい時期です。こちらを参考にしてください。
http://www2m.biglobe.ne.jp/~ZenTech/world/kion/Algeria/Algeria.htm