パリ-ローテンブルクを日帰りした女子大生(2)

11:54発のICEに乗ると、日本人の温厚そうな紳士、いかにも旅なれている感じの人が座っていたので、相談してみた。

「日本人の方ですか」
「そうです。ESRと申します。」

「ESRさん、実は日帰りでパリからローテンブルクへ行くところなんですが、1時間遅れちゃったんです。大丈夫でしょうか」

するとESRはパソコンを叩き列車検索した。
「可能だけどローテンブルクには17分しか滞在できないよ。帰りも1時間間違っている。」
「えっ…」

「だれがそんな無茶な計画を教えたんだい。」
「パリのYHでM3さんから教えていただきました。」

「M3! あの人は地球の迷い方の掲示板で“ありがとうポイント”が一番多いこと自慢の人で、情報は古いし間違いも多い。しかも作り話を交えて自分の主張を強引に言い張るので、みんなの鼻つまみ者だよ。あんな人の言うことを聞いちゃだめだよ。」
「えーそうなんだ。確かに胡散臭い感じの人だった。」

「20年以上前の旅行スタイルを貫いている人だよ。どうせトーマスクックで調べたのだろう。間違え易いし、ダイヤ改訂には追いついていないし、今では使う人は絶滅危惧種だよ。毎日同じ時間に書き込みしているから、バーチャルトラベラーだと思っていたんだが、へぇ今パリにいるんだぁ。」

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2件のコメント

  • 事実は前に話した通りハッピーエンドでしたよ

    ハハハいかにも悔しさにあふれた文章。

    自称検索名人が今でも1時間17分も滞在できるのを、わずか17分なんて世紀の大間違いで、皆さんの信用を一気に失い、質問(単なるケチ)も無視されたため、下手な作り話。事実は全く違います。ハッピーエンドでした。

    残念ながら、彼女もクックを持っていて、グローバルパスを持っているから、どっかの掲示板での、列車は無理だけど、空路+レンタカーなら行けるかもというとんでも、アドヴァイスを「パスでタダで行けるのに、何故、そんな大金を使うの?バカみたい」とせせら笑いながら、ヨーロッパバスでの45分を倍以上の滞在を楽しみ、「パリからローテンブルクまで日帰りしちゃったのよ」と友達にも自慢できるかもとルンルンでした。

    へたれのどなたかと違って、疲れは全く感じさせず、涼しい顔をしていました。
    若さていいものですね。
    少しやけちゃいました。

    まあ、欧州に一度くらいは行かれてるでしょうから、行きのフライトのあれよりは、はるかに楽なんです。だから行きたいという意志さえあれば、誰でも日帰りできますよ。

    今は1時間17分になっちゃったみたいだけれど、ヨーロッパバスよりはちょっと長く観光できるし、乗換え時間も往復ともタップリすぎるから接続できないおそれは皆無。帰りなんか、待ち合わせ1時間だよ。遅れたら、食事は車内で済ませばいいだけ。

    クックを全部チェックなどというでたらめ。してたら、2時間のを見つけられたはず。現実に行ってきた女性がいたのだから。

    現在でもクックをチェックすれば、あらゆるルートをチェックするから、検索のように17分なんていう間違いは絶対しません。検索の限界を知ったことでしょう。

    1時間17分という正解を出せる、上には上がいるということを知っただけでも、よかったと思って下さい。

    まあ、これでミュンヘンからでさえ、ローテンブルク日帰りはキツイ、無理なんて言っていたとんでも意見は影を潜むでしょう。

    そんな間違いアドヴァイスによって、どれだけ多くのトピ主さんが、行きたかったローテンブルク行きを諦めたか、ホントに罪なことです。

    これからはローテンブルク日帰りはフランクからは楽勝、ミュンヘンからは普通、デュッセルドルフやケルンからはやや強行軍、パリからは超強行軍というのが定着するでしょう。

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    それなら

    いっその事、
    パリから日帰りで2時間滞在した年代を明かしちゃったら?
    それで、真実かどうかハッキリするし
    もうこの話に双方共に決着が付くのでは?

    何年前の話なのか?言えないのは何か
    特別な事情でも・・・?

  • パリ-ローテンブルクを日帰りした女子大生(3)

    列車はビュルツブルクに近づいていた。

    「せっかくここまで来たのだから、滞在時間短くてもローテンブルクいいきます。」
    「そうかい。ビュルツブルクを見ていけばいいじゃない。」
    「ビュルツブルクは来たことがあるので…」
    「じゃあ気をつけて」

    ビュルツブルクからシュタイナハで乗り換えてローテンブルクに到着。列車は遅れなかったが17分しかいられない。小走りにレーダー門へ行き、門の近辺を2分間散策して駅にリターン。

    23時。パリ東駅行きICEは10分ほど遅れて到着した。駅にはM3が迎えに来ていた。
    長時間列車の旅の徒労感で一杯だった。むなしくてくやしくて涙がでてきた。
    M3は「よほど良かったんだな。感激している。」と自分の都合のよいように解釈をしていた。
    翌朝、彼女は二度とM3の前に姿を現さなかった。

    お粗末さまでした。
    本文は完全なフィクションです。登場人物は実在せず、筆者の自由な創造によるものです。

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    抱腹絶倒♪

    電子スピン様、素晴らし過ぎます!

    この掲示板は考えに因っては
    『旅のトンでも本』が造れちゃうくらいネタが転がってますねぇ~。
    それこそ楽勝で何冊か出来ちゃうかも?!
    誰か出版してくれないかなぁ。