11/09/03 01:01

11) そば粉のクレープ (その2 ロクロナンにて)

b)ロクロナンにて
カンペールの北西20kmぐらいのところに「フランスの美しい村」のリストに入っているLocronan(ロクロナン)と言う村がある。

この村は、鷹ノ巣村でもないし(むしろ平地に近い)、川が流れているわけでもない。
通りが多くの花で飾られているわけでもない。
ただ、切石を積んだ家がやや入り組んだ小路に並んで、しっとりと落ち着きを醸し出しているところが評価される点だろう。

教会広場に面したクレープ屋に入る。
入り口のメニューには、ble noir と froment の2種類の材料分類が表示されている。
テーブルに持ってくるメニューには、ble noir の後に括弧で(sarrasin)と書かれているので、sarrasin の語も使われるようだ。

乗せる具を選んで注文する。
出てきたそば粉のクレープは、生地の薄さや、一箇所だけ折りたたまずに出すやり方はポンタヴェンと同じだった。

ロクロナンへは夕方のバスで行ったので、帰りはバスがなく、クレープ屋でカンペールまでのタクシーを呼んでもらった。  


c)上記ロクロナンから乗ったタクシーの運転手の話
店の前で、タクシーの運転手が「前に乗りますか、後ろに乗りますか。ムシューの好きな方へどうぞ。」と言うので、前に乗った。

パリでは、前の席には運転手のいろいろな雑物があって乗れないのが普通であるが、地方では、前に乗るようにという運転手も多い。
女性運転手で、行き先を聞いて、無人の田舎道を行きそうな場所はほとんど前席に乗るようにいわれる。
おそらく、客が運転手の死角で凶器などを取り出すのを警戒してのことだろう。

この運転手は乗ったクレープ店から500mくらいのところに住んでいるという。

ブルターニュの話題からクレープの話になった。

私が、ブルターニュでは、そば粉のクレープをガレットというのではないか、と尋ねると、以下のような返答だった。
「カンペールを中心とするこの地方の言い方は、そば粉のクレープと言い、ガレットとはいわない。
そば粉のクレープをガレットというのは、ブルターニュでも東の方で、ノルマンディーでもそう言うと思う。
同じクレープと言っても、こちらとあちらでは少し違うんだよ。
あちらのは生地が厚くて、3つも食べたら腹一杯になって、もう食べられない。
こちらのは生地が薄いので、具をいろいろ変えながら5枚でも6枚でも食べられるよ。
具をいろいろ変えて食べられる方がいろいろな味が味わえていいんだよ。」


(ふ~ん、そうだったのか。そういえば、クレープ屋では、クレープのお代わりはどうですか、と聞かれたけど、別の具でお代わりを頼むのがここの食べ方なのかな~。)
                               (続く)

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