レポート

何故、今後の展望を示せないのか?

公開日 : 2020年03月27日
最終更新 :

“この1〜2週間が瀬戸際”と言ったのが一ヶ月前。すでに、その最低2倍、最高4倍から5倍の時間が過ぎていますが、誰もが感じているように、例の巨大国際的イベントが延期になった途端、次々感染者が出て来て、国内もパニック状態。本来は国民や自治体民を安心させるべき地位の人たちが発する言葉は、全てあなた任せ。自粛と自制という個人の力で乗り切れ。さらに、誰もが人とは違う頭脳の持ち主で人並み外れた能力の持ち主と認めている某研究者にまで、”欲しがりません勝つまでは“的な発言をさせている現状は異常だと思います。

そのおかた(たまたま国営放送でインタビューをやっています)も個人の行動を抑える程度のことしか言っていません。無知な政治家が言っているのならまだしも、彼ですらそれしか言わないか・・・。

例えばです。あくまで一つの可能性。

感染は年齢に関係なくすることはわかっています。ですから感染力は年齢に関係ないでしょう。この点で、居酒屋からおじさんが消え、変わって暇になった若者が集まっているという現状は危険です。ですが、人の動きを完全に止めて、地域封鎖と自宅軟禁は現実的には不可能で、副作用が強過ぎるし、継続はできないのです。感染後、4日くらい発熱があり、これは通常のカゼでは見られません。このあと、数日のラグタイムで呼吸困難、自立呼吸不可に陥る人が二割出ます。この数日の間に既存の抗ウイルス剤、一番有力なのが中国での早期投与で九割以上の効果が見られたアビガンでしょう。このような薬で重症化以降を阻止。全く異なる膵炎治療に使われるセリンプロテアーゼ阻害剤も別の作用点で効くと思われます。

これらの治療剤で重症化を阻止する。これが達成できれば、少し重いカゼを引き起こすウイルスとして恐らく人類と共存するでしょう。本人が罹ってしまった英国首相が以前に言っていた集団免疫に近いものの形成されるでしょうが、これまでの知見から、感染阻止できる免疫は三ヶ月で、増殖阻止できえる期間は六ヶ月といわれるので、一年後には再感染を覚悟せなばなりません。

10年以上前に書かれたものですが、強毒型トリインフルエンザに感染したかた(なくなったかたも含め)の症状は通常のインフルエンザでは発症しない肺炎とサイトカインストームが見られたそうです。やはり、肺から血流にウイルスが出て全身感染になっているようです。これは、COVID-19とよく似ています。実は100年前のスペインガゼも直接の死因は肺炎で、多くがサイトカインストームだったと言われています。死亡者に若者が多かった理由です。ならば、若者がCOVID-19でやられる筈ですが、実際は逆。SARSも同じなので、これは年齢とともに、様々な環境物質などに侵されれボロボロになった肺がウイルス感染により異物となった途端、獲得免疫系の攻撃を受けると考えると説明がつきます。重症化が獲得免疫ができる時期と合致していると考えると、これも説明がつきます。若い人は自然免疫系が強いので、初期で排除され、重症化しない。このウイルスはインフルエンザに比べ増殖数が格段に少ないので、強い自然免疫で排除されやすいのでしょう。喘息薬が重症者に効いたというのもこれで説明がつきます。

展望が示されないで、ひたすらに我慢で、今を乗り切ろうとか、今は遊びとか経済はご法度。そのようなことを考える前に、目の前の危機を精神論で乗り切ろうってのは、日本が80年前に犯した過ちの再現みたいで、気持ちが悪い。欲しがりません、同様に、”贅沢は敵“みたいな雰囲気もあるし。海外でも、人から笑いが消えて暗い顔をしている、他人が皆敵に見えて気が滅入る。こんな声が聞こえてきます。

やはり、上に立つ人や社会的影響力の強い人は、人々の展望を与える発言と提案、実行できる力がある人は積極的に動いて欲しいのです。官僚の書いた文章をプロンプターでさも自分の頭で考えたように喋るのではなく。行動が求められているのです。

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4件のコメント

  • 民主制のパラドックス

    政治家の無能はご指摘のとおり。ただ、その政治家を政治家にしてはいるのは貴方を含め国民。

    つまり、国民が無能と言うことに帰結します。

    この論理を断つ論理を解として示さない限り課題解決にはならないと思います。まるで朝日新聞やNHKの様だと揶揄されても仕方ないですね。

    解がない限り、自分がかからないようにして生存するしか道はないのではと思います。

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  • 適応外処方の指針は2月時点でできています

    展望について昨日書こうと思ってましたが、首相会見で公にされたので知見を広げる意味で。

    抗ウイルス薬ロピナビル・リトナビル(カレトラ配合錠)、ファビピラビル(アビガン)の適応外処方の指針は2月時点でできています。
    日本感染症学会がオープンにしています。

    COVID-19 に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第 1 版
    (2020 年 2 月 26 日)
    http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_antiviral_drug_200227.pdf

    現在日本では COVID-19 に適応を有する薬剤は存在しない。
    よって行う事のできる治療は、国内で既に薬事承認されている薬剤を適応外使用することである。
    使用にあたっては各施設の薬剤適応外使用に関する指針に則り、必要な手続きを行う事とする。


    つまり院内倫理委員会だけで治療が開始できる状況ですが、首相の明言で一気に間口が広がります。

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  • 20/03/29 08:51

    ファビピラビル(アビガン)が正式採用

    T-705(開発コード)と言ったほうがなじみ深いのですが。

    兎に角朗報です。もともとは、タミフルに替わる新しい抗インフルエンザの薬として、今は富士フィルムの子会社となった富山化学が開発したものです。通常(季節性または弱毒性)インフルエンザは一回(一個のウイルス粒子)の感染で10の6から8乗個まで増殖し、完成体となったウイルス粒子は宿主細胞から出撃して、新たな感染先を探します(こやつは生命体ではないので、細菌のように能動的に動くのではなく、液体または液体に包まれた状態でふらふらと移動するだけですが)。蛇足ですが、70%前後のエタノールがウイルスを無力化する効果というのは、インフルエンザの粒子がこのとき奪った宿主細胞のもので、それは少しの水分のあるアルコールに弱いのです。タミフル類は最終段階の宿主細胞からの脱出を止めるというまさに”水際”、首の皮一枚で止める方法で、実は今となっては効果も過大評価されていたようだし、ロッシュも問題(副作用)のあることを隠蔽していた疑惑も示されている薬。これに対し、北陸の弱小製薬会社が開発したT-705は、増殖自体を抑えるというもので、動物実験レベルではタミフルよりも効果が確認された当時としては画期的な薬。しかし、弱肉強食の薬業界、タミフルが売れるのに必要ないと誰も見向きもされず(大手が売ってくれないと日の目を見ない)にお蔵入りとなり、C型肝炎の治療剤として生かそうとかという時に強毒型トリインフルエンザが出現して復活、2009年時にはまだ臨床試験中で間に合わなかったものの、一時期かなり注目されたのですが、結局胎児に影響するということで、パンデミック時の使用に限るという条件付き承認。適応対象は「新型または再興型インフルエンザ感染症」で、「他の抗インフルエンザウイルス薬が無効または効果不十分なものに限る」となっています。これも特措法と同じで、なんでインフルエンザだけに封じ込めてしまったのか、今後の行政の課題でしょう。まあ、核酸類似体をウイルスRNAに導入するので、危険性はゼロではないのは間違いないことです。特にほ乳類は母体内で発生段階を経るので、催奇性がなくとも妊婦は危険だし、幼児もしかりでしょう。幸い、若年層は重症化しないのがCOVID-19なので、問題にはならないでしょう。投与も急性症なので短期だし。

    インフルエンザはマイナス(-)RNAで、野戦病院(患者が死ぬか生きるかの瀬戸際)のようなところで使ったさいに効果があったエボラも同じマイナスRNA。一方、コロナはプラス型ですが、C型肝炎もプラスです。プラスとマイナスは初発段階が違うだけで、あとは共通なので、ファビピラビルが効いて当たり前。これを使えという声はかなりあったのですが、流石中国で、すでにジェネリックを自国企業に作らせて自由に使える状態。実際、深圳では軽症者に、武漢では重症者を含んだ患者に投与し、前者で9割強、後者で6割強に効果(改善)をみています。エボラのときも投与した本人が言うように、”統計を出すような悠長なことはできない”ため、論文にはできないものの、軽症(ウイルス価の低い)患者は改善しています。

    開発者の一人である白木さんも指摘しているように、新型コロナ感染初期に投与すれば確実に重症化を阻止できると思われます。多くの人が、重篤な肺炎を恐れていて、これを治療することに着目しているのですが、発想の転換が必要で、軽症のうちに重症化を止める。要するに、
    COVID-19感染→Aと誰もがなります。A→A'(無症状)またはB(軽症)で、B→Cが発症後6日程度で出ます。この割合が2割で、残りは快復します。C→Dで、Dは死亡。また、この過程を阻止できる有効な手段はありません。恐らく、有効ではあるもののファビピラビルでも止めることは難しでしょう。サイトカインストームが原因とする説が有力ですが、中国の詳細なデーターを解析すればわかる可能性はあるものの、これには時間と労力が必要。このあたりにも研究の力を投入すべきです。要するにファビピラビルでB→Cを阻止するのです。移行期間が2日程度あるので、発熱後4日以内に投与すれば効き、重症化をさせないことができるのです。

    感染しても治療で直る少し重いカゼとしてみなせば、世界中がパニックにならなくて良いという理由が以上です。

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    20/03/29 09:05

    売れる薬しか世に出ない

    2千字超えたので、先の続き。

    今回のことで感染症や薬に関する問題点が明らかになりました。エボラのときにも心ある研究者が言っていたのですが、金にならない病気には薬ができない現実をなんとかしたい。もし、ファビピラビルが救世主となれば、NHKあたりが新プロジェクトXあたりで取り上げるでしょう。大手が見向きもしなかった薬の開発を日本の北陸の弱小会社が続け、倒産の危機を写真用フィルムだけでは企業が成り立たないと確信した大手フィルム会社(富士フィルム)経営者が救い、予想外の催奇形性による条件付き承認(封印状態)に直面しても生産を続けた人達・・・。こうなって欲しいし、今はこれしか頼るものがないのも事実です。

    HIVもそうなのですが、ウイルス由来(宿主は持っていない)酵素を阻害します。ファビピラビルもそうです。一方でナファモスタットメシル酸は宿主側の酵素を阻害します。恐らく、季節性インフルエンザにもこの膵炎の薬は効く(あくまで極初期)でしょうが、これまでこの段階(細胞外活性化)で阻害を試みた薬品が出なかったのは、予防としてはあるが感染後には効果が薄く、しかも宿主側の酵素の阻害なので、副作用も観点かならなかったのだろうと思います。でも効くのなら併用すればより効果的でしょう。

    以前、快復した患者さんからの血清を使えば、重症肺炎は治る可能性を書きましたが、強毒型トリインフルエンザの例からも、この段階ではすでにウイルス自体から別の次元に発展している可能性のほうが高そうです。ならば血清は効かない。そもそもウイルス性肺炎自体が希で、SARSくらい。しかも、肺から血中にウイルスが出るので、ACE2のある心臓とかもやられるでしょう。強毒型トリインフルエンザも確かにその本質から全身性ではあるものの、死に至る直接の原因は感染細胞を自己免疫細胞が攻撃からなのかも知れません。このあたりは、実は中国の医者や研究者が相当にデータを持っているので、今後、国際連携で解明するべきでしょう。

    何度も書きますが、発想の転換が必要で、最早感染者を増やさないことに、莫大な金と資源投入、さらに国民の負担を強いるのではなく、重症化を阻止することに専念すれば、国境封鎖や都市機能の停止に奔走する必要はなくなります。市民の表情も明るくなるでしょう。その兆しが出てきたのは朗報であると信じたいのですが。

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  • 対策が遅すぎる

    昨年秋以来中国、イタリアでは謎のインフルエンザが発生していたというし、アメリカに至ってはこの冬のインフルエンザの死者がものすごかったと聞くし、それもすべてCOVID-19だったと思えば、現在の感染者数の多さに説明がつくと思います。

    ドイツの感染学の先生は1月中旬にPCRの検査キットの増産に入ったというのに、今日本では人工呼吸器の増産すら間に合っていない。昭和医大付属病院では入院中の重篤な患者に人工呼吸器を使っているので、COVID-19の患者には回せないとはっきり言っていました。

    とにかく自分の任期中にオリンピック開催を果たしたいためだけに、対策がとれなかった首相の責任は重いです。JORGEさんもそうかもしれませんが、私は医療従事者だったので、どうして持病を持つ高齢者が重症化するかわかっています。対策がとれないならせめて、高齢者はできうる場所での運動の推進と、そしてこの騒動が終わった後に、生活習慣病の改善に全国民で取り組むようにしなければ、健康保険、介護保険とも将来破綻するのではないでしょうか?

    あとホテルズコムは3/20から4/30の予約は返金不可でも返金してくれるようになりました。それ以前の予約も交渉次第だと思います。GW,オリンピック含めてたくさんのキャンセルが発生すると思うので、個人で頑張るしかありません。

    とにかく交渉のおかげか、エミレーツも含めオンラインで
    返金手続きができるようになったのは、国土交通省のおかげかな(笑)

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