レポート

サラリーマンのためのタンザン鉄道乗車記 その1

公開日 : 2017年05月14日
最終更新 :

タンザン鉄道を知らない若者のために書くと、タンザン鉄道とは1976年に中国の援助の元、ザンビアの銅をタンザニア経由で輸出するために作られたタンザニアのダル・エス・サラームとザンビアのカピリ・ムボシを結ぶ1859キロメートルの鉄道で、中国が作ったにもかかわらず(?)、1067mmのJRと同じ狭軌で作られている。我々の世代では世界史の教科書にも中国の国際協力の象徴として載っていたのだけど、最近はどんなものか・・・。(タザラのウエブサイトによると、1067ミリはCapeGaugeと呼ばれ、南部アフリカ全域、また、ケープタウンからカイロまで結ぶ予定の鉄道にも採用されていたため、ザンビア鉄道も1067ミリである。 )

この鉄道はTanzania Zanbia Railwayのそれぞれの頭文字を取ってTAZARAと呼ばれているので、以下はタザラと書くが、タンザニア鉄道ともザンビア鉄道とも別の会社で、ダル側もタザラ駅と呼ばれるタンザニア鉄道のダル駅とは全く別の場所にあり、ザンビア側も「ニュー・カピリ・ムボシ」というザンビア鉄道の「カピリ・ムボシ駅」から2キロほど離れた別の駅までとなっており、両国鉄道とも接続していない。(そもそもタンザニア鉄道は1000ミリなので、線路の幅が違うが。)

ザンビア鉄道のカピリ駅(現地の言い方に習う。ちなみに入国審査官についつい「カプリ・・・」と言ったら、「カ・ピ・リ!」と厳しく訂正された。・・・)は、ルサカからコッパーベルトのンドラに向かう幹線鉄道の途中駅、もっと言うと、その昔、イギリスの3C政策に基づいてカイロ-ケープタウン間を鉄道で結ぶというセシル・ローズの壮大な夢の名残り、とのことだけど、昔は少なくともケープタウンからコンゴ(ザイール)のルブンバシまでここを通って鉄道旅行したイギリス人の旅行記がたくさんあるそうで(少しはアフリカ「探検」みたいな雰囲気なるでしょ?今はコンゴ内の鉄道は内戦のため動いていない。)、また、私より少し上の世代だと知っていると思うが、コンゴ内戦の調停に向かったハマーショルド国連事務総長が墜落死した現場の近くである。(この話を聞いた時は、アフリカの「奥地」までいくんだなあ、と改めて思った。)

ちなみに中国は「One Belt and One Road」構想のもと(いわゆる一帯一路)ジブチからアンゴラのルアンダまで鉄道引っ張るらしく、セシル・ローズと大して変わらない(と言ったら怒られるか)ような気もするが、お手並み拝見というところか。コンゴさえ落ち着けば、ダルからルアンダまでアフリカ横断鉄道が実現するのだけど、果たして私が生きてるうちに解決できるか・・・夢であるダカール-バマコの鉄道、キサンガニ-キンシャサのザイール川下りも、今は不可能になってしまったし・・・。

という薀蓄はここまで。旅客列車は火曜と金曜にそれぞれ普通(Ordinary)と特急(Express)が一本ずつというダイヤは変わらない(3年くらい前に一時国際運送を止めていたそうだが、今は復活している。)が、火曜と金曜のどっちが普通でどっちが特急かと言う点はネットで見ていてもよく分からないが、正解は「時々変わる。」で私が乗った2月は昨年12月から始まった「火曜は普通、木曜は特急」ダイヤである。ダル発で言うと、普通は火曜の13:50発、木曜の13:37カピリ着、特急は金曜の15:50発、日曜の9:26カピリ着である。なお、カピリからルサカまでは約200キロ、バスで3~4時間程度である。

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2件のコメント

  • One Belt and One Road賛同あと

    とにかく乗った後の切符に不用意な穴を空けるか無効Voidの大きな印判を貰わされる事のない大陸はいいね♪
    陸蒸気上陸の時の鉄道法がそもそも間違っていた憲法9条などいじる前にココカラファイン(パクリ)
    これって何屋なのさ?

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  • サラリーマンのためのタンザン鉄道乗車記 その2

    タンザニアからザンビアに行く人は、みんなルサカなんか素通りしてリビングストンに向かうので、ダル-ルサカの「行き来」は問題にならないが、なんとこの二つの街は、倒産しそうな(失礼)某LCCが週に3本くらい直行便をだしているだけで、飛行機で行こうとするとナイロビ経由にならざるを得ない。夜行バスは50時間だったか出ていることは出ているが、ビジネスの役には立たない。あの仲の悪い隣国同士のイスタンブール-アテネだって、日に数本は直行便が出ているし、更に仲の悪い隣国同士の東京-ソウルなんか一体何便あるのか・・・同じ旧英連邦同士なのにねえ。ということで、タザラは貴重な同ルートの足、らしい。逆に心配だったのが、何かの事情で運転が打ち切られた時、どのようにルサカにたどり着くか、であった。サラリーマンは月曜日の朝に出勤してこそ、サラリーマンである。・・・

    同社のウエブサイトは
    http://tazarasite.com/?page_id=114

    であるが、ここからわかるのは時刻表、値段、路線図くらいである。もちろんウエブから予約などは出来ない。そう、次の問題は切符をどうやって手に入れるか、である。ウエブサイトには電話で予約を、となっている。ダル側は「チャレンジ」と銘打って、予約につながるかも知れないメールアドレスもある。電話予約というのは、当てに出来そうにないので却下、チャレンジもしてみたが音沙汰はない。

    切符の予約についてもいろんな言説が流れているが、イースター等の繁忙期でない限りは、2~3日前に行けば、まあ取れる(一等)のではないか、というのが、現地での実感、である。 (サイトに書いているneed to purchase your ticket either a few days before the journey・・・というのは、あながちうそではないと思う。)タザラ駅の一階に切符売場があるので、そこに通う必要があるが・・・。が、私の場合、どう頑張ってもダルに着くのが土曜日の15時過ぎ、チケット売場は平日の7:30~17:00なので、前日の月曜日まで買うことができない。ここで切符が買えなかったら、何のために来たのか・・・となりかねない。で、旅行会社に頼むことにした。

    私の書き方であれば、本来その会社の名前を出して大宣伝したいところであるが、所々の事情のため、会社名は残念ながら出せない。検索をかければすぐにヒットするような会社で、表立ってタザラの切符が買えるとは書いていないが、Ordinaryの一等のチケットを手数料込で70ドルで手配してくれた。86000TSH=40ドル+手数料30ドルである。いくらタンザニアの物価が安いとはいえ、その程度の手数料でいいのか大変恐縮したのだけど・・・。現金引換えの当日渡し、と決めた。

    次の問題はいつ着くのか、である。これもいろんな言説が流れており、4時間遅れ~夜中の2時に着いた、まで幅広い。(特急か普通かにもよるが・・・)私の場合、「普通」はカピリに13:57に着く。となっているが、これがどこまで遅れるのか・・・私としては当日中にルサカに着き、一泊してから翌日ルサカをうろうろするつもりであった。が、カピリからルサカまでが4時間くらい。下手に列車が遅れるとルサカ着は真夜中になる。また、夜行バスは絶対に乗るな、というのはザンビア、タンザニアでのルール(?)である。(ちなみにJICAは職員に対して、アフリカ大陸全域で夜行バスへの乗車を禁止している。)ここの判断は悩んだがとりあえずルサカにたどり着く前提で、駅の近くにある(歩き方にも載っているが、評判の極めてよくない)ルサカホテルを取った。バスターミナルから近いので、夜でも歩いて何とかなる、という目論見である。

    旅行会社からの情報で一つ問題だったのは、タザラのザンビア側の職員が1月下旬現在ストライキを行っているとのことで、列車もムベヤ止まりになっているとのこと。この「ザンビアのタザラ職員の鉄道スト」というのは、このネットが発達した世の中でも情報を得にくく、かなり気をもんだが、2月に入ると「カピリに着いた」というブログを見て、ようやくストが終結したことを知った。(その後、旅行会社でも確認。)ベンバ語やニャンジャ語が出来ればいいのだけど、せめてスワヒリ語ができればタンザニアのニュースで分かるらしいのだけど、この辺は英語の情報収集でも限界がある。

    さて当日、旅行会社に寄って、切符を受け取る。この会社のいいところは事前振込等でなく、受取の当日にキャッシュと引換でよい、というところで、何と太っ腹なことか。・・・・

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