3 )サンシルラポピーへ行く トゥールーズからカオールを経由してサンシルラポピーへ行くことにしていたが、地図も準備していないうちに日本出発となってしまった。ホテルで借りたおおざっぱな地図しかなかった。(ガイドブックでは、バス停から徒歩30分となっている。) カオール駅からTour-de-Faure と言うバス停までのバスの切符はトゥールーズ駅で購入した。(バスは国鉄バス) バスに乗る前、荷物をバスの横腹に入れている運転手に、サンシルラポピーに行きたいが、切符はこれでいいかと聞くと、それでいいと言う。 走り出して、降りる客は停車ボタンを押すようだが、どこで押せばいいか分からない。 30分ぐらい走った時点で、幼児を連れた若い女性がすぐ前の席にいたので「すみません奥さん、ここの路線について詳しいですか?」と尋ねた。「よく知っていますが、なぜそれをお聞きになるのですか?」との返事、「サンシルラポピー行きたいが、どこでボタンを押せばいいか分からなくて」というと、通路を挟んで私の反対側の席に座っていた中年の女性が、このやりとりを聞いていて「サンシルラポピーに行くなら、運転手さんに言っておいた方がいいわよ。運転手さ~ん、ここにいるムッシュがサンシルラポピーに行くそうだから、Tour-de-Faure で停めてあげてくださ~い。」と大きな声で言った。運転手からは、「わかっていま~す」との返事だった。 「あら、わかっているんだって。よかったわね。もうすぐトンネルを過ぎると、対岸の崖の上にサンシルラポピーの村が見えますよ。」と教えてくれた。 言われるとおり右側を見上げると、木の間隠れに崖の上に村が見える。 そのあと、バスから見える橋を渡ること、バスは橋を少し過ぎて停まるので、歩いて戻ってから橋に至ること、道は単純で道なりに歩けばいいこと、など、詳しく教えてくれた。 バスの中では、「ジャポネ(日本人)が、サンシルラポピーに行くそうだ」なんて話しているのが、聞こえる。 バス停に着いて、「メルシーマダム、メルシームッシュ」とお礼を言って降りた。 「良い一日を、良い観光を」などと言って送ってくれる。 ふとバスを見ると、何人かが窓越しに手を振っているではないか。 私は、なぜか、思わす、日本式の会釈をしてしまった。 サンシルラポピーの村は、見晴らしもいいし、しっとりと落ち着いた、観光ずれしていない、いい村だった。
もっとも美しい村 まだあまり知られていませんが、本当に可愛らしく美しい村ですね。 確か、アンドレ・ブルトンが戦前に訪ねて大変きにっていたとか。