ベルリンの二日目、いよいよオーダー川、ナイセ川の探訪のムスカウ公園行きである。ベルリンから行けるぎりぎりの遠方地とは思っていたのだけど・・・
ここも行き方についてがいまいちで、歩き方ではドイツ編ではドレスデンから2時間以上、ポーランド編ではヴロツワフからバスで数時間とこっちの方はガイドにもなってない。例のDB Navigatorで調べたところ、とりあえずは最寄り駅のWeisswasserに行けば、公演の最寄りバス停のBad Muskau Kircheまでのバスにも乗り継げる。ということで、Zoo駅→Cottbus→Weisswasser(Oberlausitz)というルートで行くため、7:28発のコトブス行きのREをZoo駅で待った。
気になるのがWeisswasserについているOberlausitzという単語で、これがHbfとかであれば悩まないのだけど、何を意味するのか・・・そもそもBad Muskau Kircheというバス停はロンプラに出ていたのだけど、こちらもヴァイスヴァッサーからバスがある、というだけで、正確な駅名は書いてない。そもそも都会みたいに、駅がたくさんあるようにも見えないし・・・。
結果として、Weisswasser(Oberlausitz)が中心駅で、この駅しかないことは現地で分かったのだけど、Oberlausitzというのは、ドイツの数少ない少数民族のスラブ系ソルブ人の居住地域のことで、ザクセンとプロイセン(ブランデンブルク)に跨っているという。この地域は旧DDRの時代から、ブランデンブルクとザクセンいったりきたりしたということは聞いていて、プロイセンとザクセンの違いにはうるさそうな(?)この地域の人たちにしては不思議な話だと思っていたら、それを超越した地域名らしい。
Zoo駅でやってきたのは「東ドイツ鉄道」の車両であった。「東ドイツ」という言い方は初めて聞くので、不思議にな気分だったが(鉄道編で後述)車両はきれいだし、快適である。車掌はDBと同じ検札機器を持っている。
旧DDRの地域を鉄道で行くのは、ベルリン-ハノーファーの線を除いて初めてである。コトブスまでのいわゆる「シュプレーバルト」地域もおもしろいそうなのだけど、今日は弾丸である。途中のLuebben(Spreewald)から、ソルブ語との二重表記が始まりLubin(Btota)と書かれている。ポーランド語には近いらしいのだけど(WeisswasserはBeta Wodaと表記する。)そもそもポーランド語も分からないため、さっぱり分からない。ちなみにソルブ語というのは、今は日常的に話されている言葉ではなく、二重表記はどちらかと言うと「少数民族の言語も守っていますよ。」的な意味合いが強いらしい。
コトブスでの乗り換えはスムーズ。やはり東ドイツ鉄道のディーゼルカーがやってきた。かれこれ二時間近くかかってヴァイスヴァッサーに着いたが、単線駅で上下線とも同じホームに着くのはともかく、駅舎は「日曜日のため」閉まっていて、駅前にも何もない。バス停でBad Muskau行きのバスがあることは確認したが、日曜日は一日4往復。帰りに乗り過ごすとアウトである。一時間近くあるのだけど、日曜日のせいもありお茶するところでさえ何もない。この寒風の中、たたずまないといけないのかと、駅前の道を五分くらい歩くと、高台にコーヒーショップが見える。入ることにした。このショップ「ドライスィッヒ」(人の名前だそうだが、面白い名前があるものだ)はサンドイッチとケーキのチェーン店なのだけど、不思議なチェーン店である。
http://www.baeckerei-dreissig.de/catalog/9/sortiment
本店がグーベン(この町もナイセ川で分断され、ポーランド側はグービンという街である。)で、1911年創業というと、旧DDRの時代はどうしていたのか(ドイツ語で説明書きがあったが、読めない。)・・・今も店舗のほとんどがブランデンブルクとザクセンの東側にあり、ほとんど村レベルのBad Muskauにも支店があり、昼ご飯はここでサンドイッチを食べた。多分、ベルリン出店が悲願なのではないかと思う。ケーキは食べなかったがサンドイッチはおいしい。こういう旧DDR起源の企業は単純に応援したい。(そういえば、アウディは元々ザクセン州の四つの自動車メーカーが合併してできた会社だそうで、BMWのザクセン版であることも今回知った。)