雨季の今頃は季節の果物が豊富で、宿の玄関先の木にもラムヤイと呼ばれる果実がたくさんなりました。皮をむくと大きな種にあっさりしたライチのような果肉が付いています。翌朝採って食べてもいいよと、宿の女将に言われましたが、くずぐずしているうちに誰かがほとんど採ってしまいしました。
そのせいか、マークテーンと呼ばれる瓜を切ってくれました。マークテーンは瓜類をさすので野菜のキュウリもマークテーンです。日本のメロンのような香りはなく、甘く美味しいのとは違いますが、メロンの仲間です。
ナイトマーケットからの帰り道、プーシーホテルの並びの学校の前に果物屋が露店を出しています。覗けば今が旬の果物。ドリアンは遠くから来たのかもしれません。
美味しいのはありふれていますが、こちらでマークナットと呼ばれるパイナップルです。甘みが強く、酸味があってたけのこのような歯触りもあり、料理にも使います。
バンコクのように一口大に切って袋に入れ、歩きながら食べられるようにはしてなく、一つの果実を皮をむいて芯を取り、四つに切り分けて、トレイに乗せてラップをかけて売ります。
大皿の上に二つ残ったうちの一つを買って持ち帰ろうとすると、串を二本つけてくれました。一本で良いですよ。すると、「それは美味しくないよ」と女が言います。直訳すると「美味しくない」ですが、語感では「不味いよ」と言われた感じ。
今売ったばかりの商品です。普通ならお義理にも「それは美味しいよ」と言うところ。耳を疑いました。
もう一度女、それは今日の午後2時ころ皮をむいた商品で美味しくないから、ここに置いていきなさい、と言います。
見本に置いてあるのよ。男がこれから皮の付いたパイナップルを剥くから、時間があるなら、そこに腰かけてちょつと待っていてくださいと。
ようやく理解できました。でもちょっと驚きました。言葉のわからない外国人だったら、そのまま知らんふりして売ってしまうところです。
今買うはずだったパイナップルを一口大に切ってくれます。時間がたっているから美味しくないでしょと、訊かれても困ります。美味しいよと、答えましたけれど。
新しく皮をむかれ、四つに切られたパイナップルをトレイに載せ、ラップを掛けて出来上がり、1万kip(約130円)です。