今更、何をもめている?

パスポート預けで、なぜ揉めているの?
旅行者としての超基本なのだが、海外に渡航する場合、最初に調べるのは、外務省の渡航情報であって、ガイドブックでもなければ旅行代理店でもない。ましてやこの質問コーナーでもない。
各国にある日本領事館は、本当に困ったときに最後の砦でもあるので、必ずチェックしておくべきだ。ガイドブックにも必ず外務省のホームページで最新の渡航情報を確認してくださいと書いてある。
さて、一部でベトナムが特殊のようなことを書いているが、社会主義国なんてたくさんあるし、実際アジアでは社会主義国の方がメジャーなぐらいだ。社会主義国の多くは、基本的に外国人が宿泊する場合、公安に届けるって言う義務(これは外国人宿泊者本人に義務がある)があって、今回の内容は、これをホテルが本人に代わって行ってくれるというやつだ。(ここまでは外務省のホームページベトナム渡航情報にも書いてあるとおりだ。ちなみに、社会主義国以外では、外国人宿泊者ではなく、ホテル側に宿泊者の身分証の確認や記録の保持義務がある場合が多い。あるいは不法滞在者を宿泊させた場合の罰則があったりして、実質的にホテル側にチェックを義務づけている。)
だけど、ホテルとしては、いちいち公安に届けるのは面倒なので、公安が調べに来たときに、預かっているパスポートを使ってその場で届けるっていう方法をとる。昔からさまざま国でよく行われている方法だ。ホテルの近くに公安があればいいが、隣町まで行かないと公安がないってこともよくあるからだ。しかし、ほとんどの国では外国人は身分証の携帯義務がある(ない国もある)し、義務がなくても、外国では、ほぼ唯一の有効な身分証であるので、旅行者として、パスポートを預けるのは拒否する姿勢を見せるのは当たり前のことだ。しかし、一泊10ドル未満の安宿の場合はむずかしい。宿泊拒否されたら、あるいは、「自分で公安に届けたら宿泊させてやる。」と言われたら困ってしまう。だから、妥協ってやつだ。なお、昔から世界中を旅している人の中には、自分で公安に届けを出したことがある人も多いはずだ。
妥協の方法だが、私のやり方がいいのかは分からないが、「預けたくない。前金&デポジットでどうだ。」半分ぐらいは、OKだが、残りは、ダメと言われる。大抵は、この時点で「他の客も全員預けている」と言って、預かっているパスポートを見せてくれる。もしこの返答がない場合は、「じゃあ。他の客も預けているのか?」と質問し、他の宿泊客のパスポートを見せてもらう。(当然、パスポートの束を見せてもらうだけだ。大抵は色でどこの国のパスポートか分かる。)。日本人以外の様々な客がいること、そして彼らがパスポートを預けていることを確認してそして預ける。どうしても信用できない時は、航空券の荷物預かり証でシールしてしまう。(あえて書く必要ないが、前金&デポジットでOKと言うのがアングラである。)
さらに、書く必要もないのだが、勘違いしてしまう人もいるかもしれないので、書いておく。
外国人の個人旅行者が宿泊する場合、ホテル側はパスポートチェックを行う。団体の場合は、代表者だけの場合もある。宿泊者本人の確認と滞在期限のチェックだ。さらに、写真ページのコピー(スキャナーで電子画像の場合もある)を取るというのは、しっかりしたホテルであればあるほど行っていることだ。パスポートのチェックすら行わないホテルは、普通は信用できない。つまり、不法滞在者や犯罪者の常連宿になっている可能性が高い。ホテル側やその従業員よりも、宿泊客の方が信用できないのは当たり前だ。パスポートのチェックすら行わないホテルの方が良い様に書いている方がいるが、常識から外れている。ホテル側が加害者であることよりも、他の宿泊客や宿泊客を装ってホテルを徘徊している奴が加害者であることがはるかに多いのだから。
ちなみに、パスポートの写真ページには名前と生年月日ぐらいしか個人情報が書き込まれていない。この程度の個人情報が漏れるのが嫌だったら、旅行しないことだ。さらに、このコピーぐらいで、偽パスポートは作れないから安心してくれ。また、日本人のパスポートと言っても、じいさん、ばあさんのパスポートはほとんど価値無しだ。いまのパスポートは、生年月日を偽造することが難しいし、昔、流行ったカバーや査証ページの流用は、ページ校正の変更やページにパスポート番号を穴で記してあって、流用できないようになっているので、ただ捨てられるだけだ。

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