前々から疑問に思っているのですが・・・ アメリカ合衆国の「学校」(日本の中高校生あたり)では、「アメリカ合衆国の歴史」をどのように教えているのでしょうか? まさか、先住民を駆逐して建国したとは教えないように思うのですが?
お二方にもう一つお尋ねします・・・ 全く素人のお尋ねですが・・・ 私の考えは「白人がヨーロッパからやってきて、先住民=ネイティブアメリカンを追っ払った」と云うことがベースとなっています。 その延長上として「白人は(ネイティブアメリカンの駆逐に対して)罪悪感は無いのでしょうか? あるいはそのような事を歴史の授業で教えないのでしょうか?」 (お二方のレスにもありますが、自国を悪く言うのは日本だけかもしれませんが・・・)
あくまで私見ですが・・・・ すみません、人権運動はどこまで保護すれば『平等』なのか、どこまで補償すれば『賠償』なのかと、(インディアン問題に関わらず)難しいので、つい長々といろんな事を書いてしまって焦点がボケてしまったようです。 > 「白人がヨーロッパからやってきて、先住民=ネイティブアメリカンを追っ払った」 * これは、日本人以上にアメリカ人の中では基本中の基本事項と(僕は)受け止めています。 > 白人は(ネイティブアメリカンの駆逐に対して)罪悪感は無いのでしょうか? ** 後述 > あるいはそのような事を歴史の授業で教えないのでしょうか? * 教えています。 強制連行されて強制労働させられた奴隷問題と同様に、小学校から(つまり基本中の基本として)カリキュラムが組まれています。ただし地域差はあります。 ** 罪悪感に関してですが、 1.日本生まれで日本育ちの僕も、日本政府が過去に行ってきた数々の非人道的行為に対して「同じ日本人が行った事だけれど、それはあくまで他人がやった事で自分がやった事ではない」と感じているので、『彼ら』がやった行為に対して批判はしますが、一人称での罪悪感は感じません。 例えば、個人的に、僕は松前藩士として維新前から蝦夷地にいた父側と庄内藩士として維新後に屯田兵で移住してきた母方の子孫ですが、アイヌ民族に対してすら『僕個人が』罪悪感を感じる事はありません。 ですから、薩摩の琉球侵略や大日本帝国の朝鮮人強制連行など、自分以外の(過去の)日本人の行為に対して僕個人が罪悪感を感じる事は無いです。 同様の事が米国民にも言えるような気もしています。 2.なぜ白人だけが罪悪感を持たなくてはいけないのかという事には疑問を感じます。 僕は米国籍ですが、18世紀の連邦政府の非人道的行為には関与していません。 ウチのお向かいのドイツ系家族はお父さん(60代)が新移民、息子さんたちがアメリカ生まれです。 彼らも同様に18世紀の連邦政府の行為には関与していないと思います。 さらには、植民地時代に母国に居て兵を送り今も本国に住むイギリス人やフランス人スペイン人子孫の罪悪感にも言及しなくてはいけなくなるとも思います。 友人で、イタリアの血とスペインの血とアイルランドの血とアパッチの血が混じっている女性が居ます。 彼女は加害者の子孫なのか被害者の子孫なのか・・・・も複雑な問題になると思います。
J@LAさん、内蔵介さん・・・レスありがとうございます。 私の質問が「漠然」としていました。 素朴に「先住民を駆逐して建国したとは教えないだろうナァ」と云う疑問でした。 J@LAさん: 詳しい教育の内容ありがとう御座います。 (USAはやはり複雑ですね) ご紹介いただいた2つのサイトは英語なので随分苦労しそうです。 (笑) 内蔵介さん: 「ソルジャーブルー」は私も見ましたが、ショックな映画でした。 同じモンゴロイドとしてなんだか「怒り」を感じた覚えがあります。 学校教育って大切ですよね。 私共の先生から教えていただいた事がこの歳になっても忘れない事があります。 私の勝ってなる推測(根拠無し)では、USAの学校の先生は「先生の資質・考え」がそのまま生徒に伝わっているんじゃないか?と考えてしまったわけです。 (TVドラマや映画の見すぎかな?) > めーじむらさん、奥さんの渡米はそろそろですね。 11月24日に「バイバーイ」と行ってしまいました。 (笑) 「独身」を「謳歌?不便?」しています。 (2月上旬までは長~~~いナァ)
私の想像かもしれませんが・・・ 世界中で、自国が悪いと教える国は日本だけだと思います。 私も日本の近代史は小中学校でサラッと教わっただけですが(高校は世界史)、富国強兵とかの用語はあっても、日清、日露戦争の原因などは全く教わりませんでした。 それどころか、中国、北朝鮮、ソ連を褒める内容の教科書でした。 日本の近代史は当時流行っていた戦記・戦争漫画や映画で習ったと思っています。 ご存知かもしれませんが、面白い話がります。 イギリス人は今の王朝が元々フランスのノルマン王朝である事実に目を瞑り、あたかもフランスから独立したようなつもりになっている・・・それはシェイクスピアが上手なレトリックでイギリス人を騙している・・・そんな本を読みました。 どこかの時代に、フランス王なのにフランス語が喋れない国王となってしまったとの事。 (済みません、息子の本ですので、題名は失念しました) 単なる海賊のドレークも英雄ですし・・・ また、松原久子さんの本では、ドイツ人は自らが作ったものは独創であるが、日本人が作ったものは上手に真似したものである・・・と、今でも一般に信じているそうです。 しかし現実には産業革命のきっかけになったマイセンの成功は日本の柿右衛門を一生懸命真似た結果であってドイツオリジナルではない・・・(勿論日本は景徳鎮などを真似足り、陶工を連れてきて厚遇したことは承知の通り)と言うような事をTVで言うと、触れてはいけない事実だったのか、駅のホームでドイツ人女性にひっぱたかれたそうです。 どの国も、そんなものではないでしょうか? >「ソルジャーブルー」は私も見ましたが、ショックな映画でした。 私が見たのは公開後10年近く後ですが・・・・西部劇が大好きだった私も、実際のアメリカ兵が、そんなのだったと聞いたときはちょっとショックでしたね。 監督は封切りの日に「身の安全のため」アメリカを脱出していました。 公開された直後、私はその監督のインタビューをTVで見ました。 そのインタビューで・・・・インディアンの女性が騎兵隊に襲われるシーンがありましたが、ぼかしが入っていましたよね。 理由は・・出演したインディアン系の女優(?)が真実を伝えるために・・・とのこと。 Dance With Wolvesはケビンコスナーが小説を映画化しましたが、彼の祖先がインディアンだという事です。
歴史の次の段階に居るような気もするんです めーじむらさん、奥さんは先月でしたか・・・・ 中西部はすっかり寒いでしょうねぇ・・・・(たしか内蔵介さんの元の赴任地が中西部付近だったような記憶が・・・) > USAの学校の先生は「先生の資質・考え」がそのまま生徒に伝わっているんじゃないか?と考えてしまったわけです。 いや、僕も(日本の教諭と比較して)そう感じます。 さらに、教委は地方自治体から独立していますから(日本のように、県教委・市教委ではないので)結構独創性もありますし、校長権限(裁量権)も日本に比べて相当強いですし・・・・(一国一城感覚) 逆に言うと、だからこそ一つ間違えると(先生の当たりが悪いと)怖いという事も言えるかも知れません。 ただ、先生も同じく『人間として学びの途中』ですから、時代の変化で教える内容も変わってくるでしょうし、勿論時代の変化でカリキュラム自体が変わってきていると思います。 以前、どこかで読んだ女性(1920~1930年代に幼少時を過ごした年代の方)のブログで、「子供の頃に父と一緒に旅行に行き、車の中で父が『この先の道路の両側はインディアン居留地だ・・・』とつぶやいたのを聞いて、震えるほど怖かったのを覚えている。当時の私はインディアンと言うと、(映画やテレビの影響で)善良な市民を襲って頭の皮を剥ぐという怖いイメージしか無かった」「でも、時代が変わって今の子供たちに『ここから先はネイティブ・アメリカンの領地』と言うと『じゃぁ、聖地なんだね』という反応が返ってくる・・・・。教育って人間に強い影響力を持つ大きなものですよね」という内容でした。 確かにこの掲示板でも人気のグランドサークルの多くはネイティブ・アメリカンの領地ですもんね。 (ただ、ネイティブ・アメリカンの多くはカジノもかなり経営していますから、それ(カジノ)は聖地と呼べるかどうかは・・・・?笑) ジョージアのある小学校では、授業参観の時間に丁度社会科でTrail of Tears(日本語では涙の旅路)のお話をしていました。 http://f4.aaa.livedoor.jp/~indian/Cherokee2.htm 別な小学校(フロリダだったと思いますが失念しました)では、図書館に独立したネイティブ・アメリカン記念室があって先住民に関する書籍や展示物、地図などが展示して有りました。 (特に先住民の血を引く児童が多い学校というわけではありません) 校門横にトーテムポールを立てていたのはワシントン州の中学校でした。 うろおぼえですが、確かアリゾナ州でネイティブ・アメリカンの血を引いている事が証明出来れば200エーカーの土地が無料でもらえると聞いた事があります。 前述したように、僕が育った札幌ではたまたま中学校の社会科の先生がバリバリの日教組だったので(笑)、アイヌ問題などは結構深く時間を割いて教えてくれました。 高校の日本史では、室町・鎌倉から飛んで明治維新、その後の近代史はどちらかと言うと政経に近い内容しか全く記憶に残っていません。(まぁ、アイヌ問題とかは入試には関係ないですから・・・) ですから、薩摩の琉球侵略(侵攻というのは薩摩側からの視点での言葉ですよね?)は恥ずかしい事に20代になって沖縄に住んで初めて知りました。 あと同和問題も北海道は縁が無いので、フォークソングで歌われていても何の事かさっぱり判らない状態でした。 カリフォルニア1州とそう変わらない領土の狭い日本ですらそうですから、全米無数の部族に対して個々の地域で行われた事例を学ぶのは大学で専門に学ばないと無理かも知れません。 先住民との争いではないんですが、僕は割とテキサス共和国のメキシコからの独立(アラモの戦いなどが有名)が興味深いです。
難しいですよぉ・・・・(汗) めーじむらさん、奥さんの渡米はそろそろですね。 疑問に思われている件、大変複雑なテーマでして・・・・(汗) ひとつには、時代(70年代、80年代、90年代・・・)と共に内容が変わっているという事 ふたつ目に、アメリカ合衆国(アメリカ連邦)は、個々の独立共和国が合併を繰り返して巨大連邦になった国家なので(将来のEUと同じ?)、それぞれの州(旧共和国)での歴史も違い、法律も教育システムも違います。 ですから、縦軸の時間(年代)と横軸の地域(州)が着地する座標点において、かなり千差万別です。 15年ほど前ですが、北米7州23教委100数校を公式訪問していた時期が有ります。 その時の印象では、アメリカ史はヨーロッパとの関連(ヨーロッパからの独立)の方に重点を置いていて、そこから近代史に入っていくようでした。 日本で言うと日本史で明治維新は習うけれどけれど、(北海道教委・沖縄の教委以外は)そこであえてアイヌ問題・琉球王国問題には触れない(触れても軽い)のに似ていると思います。 (僕は札幌出身ですが、日本史で琉球王国について習った記憶は全くありません) ただ、そこで道教委は(副読本などを使って)アイヌ問題に突っ込むのと同様に、アメリカのそれぞれの地域によっては地元の先住民族との関係(歴史)を州史(State History)として突っ込んで学ぶ教委が結構見受けられました。 基本的には『先住民を駆逐して(騙して・・・力で追いやって)建国(開拓)した』に近い内容になっています。 (『建国』という観点では、ヨーロッパの植民地からの独立が『建国』に当ると思います。先住民との関係はそれぞれの州が自州の領土内を『開拓』していく上での摩擦と思います) 州によってあるいは教委によって教科書もカリキュラムも全く違うので、一概には言えませんが、南東部(フロリダ、ジョージア、アラバマ、ミシシッピなど)や北西部でわりと先住民に関して時間を割いているように感じました。 ただし、あくまでこれは私が訪問した学校に置いて・・・ですから、隣の教委ではもっと突っ込んだ教育をしているかも知れませんし、同州内の別の教委では全く触れていないかも知れません。 逆に、アリゾナは(共存が)当たり前過ぎて特にカリキュラムを組んでいないような雰囲気さえ有りました。 ニューメキシコの教委は訪問した事が無いのでカリキュラムの内容は判りません。 先住民との関連は、同じ社会科でも、アメリカ史としての取り扱い度は低く、州史あるいはクロス・サブジェクトで異文化との複合社会課題になっているように思えます。 ただ、多くの学校は学校のマスコット(フットボールやバスケットボールチームの名前などに使われる)に、先住民に関連した名前を付けているところも多く見受けられました。 (例えば、XYZタイガースとかABCクーガーズとかと同じように、ABCインディアンズとか・・・)つまりそこに、先住民を勇敢な戦士として尊重している(たたえる)意識があるからだと僕は感じています。 校門に学校のチームマスコットとしてトーテムポールを立てている中学校もありました。テキサスの中学校では校章に飾り羽をつけた先住民の顔をあしらえていた学校も記憶にあります。 ちなみに、プロ・アイスホッケーのシカゴのチーム名は、シカゴ・ブラックホークスで、マスコットは先住民のトミー・ホークです。 http://en.wikipedia.org/wiki/File:Logo-new1.png 教育関係だけではなく、法的にも各州によって大きな差が有り、先住民に対する非課税・減税や、タバコ税の免除、ギャンブル興行特権、特定の地域の治外法権、固定資産税の免除・減税、州政府から先住民個々へ土地の無料譲渡などなど、優遇条令は各州でマチマチとは言え、結構優遇されているとは思います。
あれっ・・・(汗) > アメリカ合衆国の「学校」(日本の中高校生あたり)では、「アメリカ合衆国の歴史」をどのように教えているのでしょうか? > まさか、先住民を駆逐して建国したとは教えないように思うのですが? これって、単にアメリカ史に関しての疑問でしたか? 『先住民問題に関して(歴史として)どのように教えているのか?』と勝手に解釈したのは僕の早とちりだったでしょうか? もし、アメリカ史の内容全般という事でしたら、ここが参考になるかも知れません。 http://www.ushistorysite.com/ 初等、前期中等教育(小中)に関してはこんな感じです↓ http://theteacherscafe.com/Content_Literacy/Social_Studies_Games.php 勿論、個々の教委での違いは有りますが・・・・・
Re: 難しいですよぉ・・・・(汗) >基本的には『先住民を駆逐して(騙して・・・力で追いやって)建国(開拓)した』に近い内容になっています。 インディアン問題を取り上げざるを得ませんよね。 アイヌ人の土地を奪ったのは紛れも無く日本人なんですから・・・ 同じ視点で見れば・・・ >日本で言うと日本史で明治維新は習うけれどけれど、(北海道教委・沖縄の教委以外は)そこであえてアイヌ問題・琉球王国問題には触れない(触れても軽い)のに似ていると思います。 (僕は札幌出身ですが、日本史で琉球王国について習った記憶は全くありません) 私も琉球王国やアイヌに関しては習った記憶がありません。 TVだったか、小説だったかで、元々島津家が独立国の琉球を通じて貿易で稼いでいたのを、家康が琉球王朝毎乗っ取った・・と言う内容を知りました。 アイヌ人については手塚治虫先生の漫画「勇者ダン」で、元々北海道にはアイヌ人たちが居て、差別を受けていた事を知った・・・と思います。 それでも手塚先生自身「アイヌ人の問題を扱うのは難しい」とコメントされています。 その後の作品シュマリも北海道とアイヌを題材にした傑作ではありますが・・・ >先住民との関連は、同じ社会科でも、アメリカ史としての取り扱い度は低く、州史あるいはクロス・サブジェクトで異文化との複合社会課題になっているように思えます。 奴隷問題、メキシコ原住民などインディアンだけを取り上げるわけに行かないのでしょうね。