ICチップ付クレジットカードの普及はフランスが一番早かったのです。 こんにちは。 日本で発行されたICチップ付カードは、一時期ヨーロッパで使えない、拒否されるということもあったようですし、今でも商店側で使えることを知らない人もいますが、普通に使用されていると思います。 うろ覚えなのですが・・・ 確か、フランスでは1980年代にはICチップ付カードが実用化されました。すでに20年以上の歴史があります。 当時、フランスではカルトブルー(CB)社というのがフランスの商業銀行の団体とVISAの間で設立され、この会社がフランスの商業銀行のクレジットカードの発行業務、決済業務を一手に引き受けたことから、VISAカードが一気に普及しました。 この普及の背景には、クレジットカード(ないしデビットカード)と現金引出用のキャッシュカードが一体化されていたこともあります。 今では非商業銀行系の銀行がマスターカードを発行しているため、マスターカードを保有する人の比率も高まっていますが、上のような経緯のため、いまだにフランスではクレジットカードのことを、カルトブルーないしVISAという人が多いのです。 VISA=クレジットカードという訳です。 もともとフランスはキャッシュレス社会で、少額決済でも小切手を使用していましたので、その代替となるカード(クレジットないしデビット)の普及は早かった訳です。尤も発行手数料のかかるカード類を敬遠して、無料の小切手を多用する利用者も多く、フランスの銀行の収益の足を引っ張る要因となっています。 このICチップ化により、フランスでのカード犯罪は激減したそうです。 このフランスの成功を引き合いに出し、イギリスでもCHIP&PINというキャッチフレーズで、3年前くらいからICチップ化を強力に推進してきました。今ではかなりの普及率になっているのではないでしょうか。また、お隣ベルギーでもICチップ化が進んでおり、この英仏白三国では、PIN(暗証番号)を入力する承認形式が一般化しています(ないし一般化しつつあります)。 こういった国々では、ICチップカードの利用により、スキミング被害を避けられますが、逆に磁気テープ式のカードはスキミングのターゲットにされたようです。こういった被害を避けることも目的の一つだったのだと思いますが、日本のクレジットカードも21世紀に入ってから要訳ICチップ化が進みましたね。 キャッシュカードのICチップ化も進めてられていますが、これも2005年に偽造・盗難カード被害救済へ「預金者救済法」成立がして銀行などによるカード被害の救済が義務付けられたことが最大の理由なんでしょうね。 このあたりに日本の金融機関の受身の姿勢が垣間見られます。 10年以上も前、1990年台の半ばにフランスの大手ICチップカードメーカーが日本進出を図りましたが、当時日本の金融機関は興味を示しませんでした。 顧客の被害で済んでいるうちは動かず、自分に被害が及ぶと・・・ということではないでしょうか。 まあ、とにかく、今時スキミング被害が怖くて、磁気テープのカードを使うのは気持ちが悪いのですが、日本や米国、ドイツなどでは仕方がないですね。